ArtとScience

臨床はArtとScienceから成るとしばしば言われる。しかし,多くの教育現場で,この,ArtとScienceが教育者の都合のいいように使い分けられている.

実は,自分が理解できる部分を勝手に切り出してきてScienceと言い, 自分で理解できない残りの大部分をArtと呼んでいるに過ぎない. 自分の頭の悪さをごまかした結果が,ArtとScienceだ.

Artと呼ぶ部分については,自分がわからないもんだから,背中を見て盗めとか,職人芸だとかいってごまかしているが,これは教育の放棄だ.わかる努力をして,後進が理解できるように伝えていかなくてはならない. 

教育の意義とは,本来,教育者も学習者も,お互いの頭の悪さを認めて,自分の悪い頭の中で一体何が起こり,どういう推論のもとに,行動が生じているのかを協力して解明することにある.

医療現場にいる全ての”職人さん”に私は言いたい. ”あなたの芸を理解する可能性が一番高いのはあなたでしょう.あなたがわからなくて誰がわかるとい うのしょうか?自分の頭の中で何が起こっているのかを理解し,それを後進に,仲間に伝えてください .それが,教育です.それが,あなたしかできない仕事です.”

参考→救急外来におけるお告げの研究

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