初診忘るるべからず

全ての患者は初診です。

何十年も診ている人でもその体は日々変化しています。長く診ていれば診ているほど、その変化は積み重なっていく。一方、 診ている医者の方には、長く診ていれば診ているほど、慢心が生じる。そこに地雷が自然発生する。

「いつも診ているから、いつもと違えば、すぐわかるはず」と医者は思いますが、「いつもと違う」と言ってくれるのはいつ も患者さんの方であって、患者さんより先にいつもと違うとわかる医者なんていません。何たって医者は診察の時にしか患者 さんと一緒にいないのですから生まれてから死ぬまでずっと本人の体と一緒にいる患者さんに敵う(かなう)わ けがありません。助けてくれるのは、地雷を教えてくれるのは、やっぱり、いつも患者さんです。

二条河原へ戻る