走る悪夢(あるいは走らない悪夢)

この国ではマニュアルトランスミッションの車が圧倒的に多い.いまだにひと昔前の日本と同じ状態だ.例によってどうでもいいことが気になって仕方がない私は,研究室のSUEに尋ねてみた.彼女はシーラカンスと私が呼んでいる20年前のRover(当時はブリティッシュ・レイランド)に乗っていた.もちろんマニュアル車である.

”SUE,どうしてこの国ではアメリカなどにくらべてマニュアル車が多いの?”
”アメリカ人は馬鹿だから,マニュアル車が運転できないのよ”(^^;;)
(冗談半分にせよ,こういうコメントをするイングランド人は実に多い) 日本でもオートマチックが優勢になっているなんて言わないでよかった.

自分なりにいくつか理由を考えてみた.

1.経済的理由:オートマチック車は,車そのものも,またかかる燃費も高い.
2.故障の問題:オートマチック車は故障しやすい.
3.盗難防止:オートマチックの方が鍵なしで走らせやすいので,盗まれやすい.(イギリスでの車の盗難は路上の犬の糞と同じくらい多い)
4.目新しい物,便利な物に対する漠然たる嫌悪感.

ただでさえ故障ばっかりしている英,仏,伊系の車に,オートマチックという余計なものが付属してより故障しやすくなれば,”走る悪夢(あるいは走らない悪夢)”だ.日本で得意そうになってフィアットやルノーを乗り回している人の気が知れない.

(そういうお前はマッキントッシュを使っているじゃないかって?そうね,たしかにPC9801VM21は日本語ワープロとしては最高の機械でしたよ)

ちなみにFIATはFix it again, Toni. の略だそうだ.

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