ロックダウンの優先順位のエビデンス
―パチンコ屋ではクラスター形成のエビデンスはない!! vs パチンコ屋が開いているのに花見をして何が悪い!!―

”市民や事業者の皆様に、最も感染拡大のリスクを高める環境(①換気の悪い密閉空間、②人が密集している、③近距離での会話や発声が行われる、という
3つの条件が同時に重なった場)での行動を十分抑制していただくことが重要です”「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」 厚生労働省 2020年3月19日)
では,本当に一つでも欠ければ,COVID-19感染クラスター形成リスクは消失するのでしょうか?以下,潜在的なクラスター形成サイトとして,パチンコ店と喫煙所・室の各サイトおける,上記3つのリスクとCOVID-19肺炎の最大の重症化因子である喫煙を評価してみました.

パチンコ店①は満たす②は不十分??③は欠.一方で喫煙を考慮する必要あり
2月28日からの北海道における緊急事態宣言で,学校は休校しましたが,パチンコ店は営業時間を短縮しただけでした(3月末まで). 現時点でパチンコ店がクラスター形成の場になったとは寡聞にして存じません.リスク評価ですが,②については,このご時世でパチンコ店も空いているから席の間隔を開けられる状態かもしれませんが,系統的な調査はなされていないと思います.③については,みんな黙ってパチンコに集中しますから,「近距離での会話や発声も行われない」と言えるかもしれません.
一方,喫煙に関しては,パチンコ店でも「原則禁煙」とやらが改正健康増進法施行の2020年4月から始まりますが,その実態は,加熱性(紙巻き)タバコを吸いながらのパチンコができなくなるだけで,非加熱性タバコは野放しです.さらに,本体である遊技場空間よりもはるかにリスクが濃縮された喫煙室という空間が新たに設けられるわけですから,改正健康増進法によってパチンコ店におけるクラスター形成リスクが高まることはあっても低くなることはありません

喫煙室・所:①②は満たすが③は欠?
全国の喫煙所・喫煙室の閉鎖状況(日本禁煙学会)を見る限りでは,喫煙所・室の閉鎖は極めて限られています.
全面禁煙のスターバックスでさえ,クラスター形成リスクを恐れ,ドル箱店舗の休業さえも厭いません.一方,新幹線の喫煙室は閉鎖されていません.これは喫煙室利用客と非利用客,あるいは喫煙室に隣接した車両と他の車両におけるクラスター形成リスクを比較する臨床研究に備えてのことでしょうか?UMIN-CTRを見た限りでは未登録のようですが・・

結論:いずれにせよ,もしロックダウンを行う場合にば,その優先順位のダントツ一位は全国のパチンコ店と喫煙所・喫煙室である。

森田洋之 緊急事態宣言・ロックダウンは効果ない!?〜世界の統計グラフから見える新型コロナ肺炎対策〜
欧州疾病センター「新型コロナウイルス、喫煙者に重症化リスク」(ロイター 2020年3月26日)

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