米国留学中の宮下加枝さんから、元気なお便りが届きました!

 皆さんお元気ですか。
 5月の終わりから 私は、ピッツバーグのCenter for the neural basis of cognitionという研究施設にポスドクとして留学しています。今回はここでの生活について少しご報告したいと思います。教室はコンピューターサイエンスで有名なカーネギーメロン大学の建物の中にあるのですが、メンバーはカーネギーメロン大学に所属(給料をもらっている)人と、すぐ隣にあるピッツバーグ大学所属の人とが混在してひとつの組織をなしています。このような異なる大学が共同して組織をつくることは私は日本ではみたことはありません。
 私のボスはDr. Carol Colby という女性です。一人で日本からくるこの東洋人に対して彼女は本当に細やかな配慮をしてくださいました。私が到着する前から膨大なアパートの情報を集めて、到着後一緒にあちこち見に行ってくださいました。外国人が普通の家を借りるのは、信用がないこともありなかなか難しいのですが、彼女がいたおかげで普通の家の2階全部を月485ドルという好条件で決めることができました。おまけにアパートが空くまでの1カ月彼女の家に滞在させてくれました。ここでも彼女の繊細な優しさには本当に感激しました。たとえば、ここは雨がよく降るのですが、ある朝起きたら、かさとレインコートが部屋の前に置いてあったりするのです。教室の人たちもなにかと気を使ってくださいました。そんなわけで多くの日本人が対 面する面倒なことは私はあまり経験しないで済んでしまいました。ただし、これは予想していたことですが やはり言葉の壁は厚く、時々場違いなことを言ってしまったりして赤面するような場面が時々あります。かつて留学していた人たちに聞くと皆、自分もはじめはぜんぜんわからなかったけどだんだんわかるようになるよ、となぐさめてくれます。本当にそうならいいけれどと、少々心細くなることもあります。買い物などのいわゆる旅行英語はなんとかなっても研究室で使うことばが案外わからないことがあります。たとえば器械の名前とかコンピューターの操作の手順とかは必要不可欠なので、よけいに困ります。これから留学する方はこのようなことも勉強されたら便利かと思いました。
 留学前の準備といえば、場所にもよるでしょうけれど、特にいなかでは外食で食べつなぐのはなかなか不便です。特に私は車を運転しないのでなおさらです。そこで、日本ではほとんどしなかった自炊をすることになります。こちらでは日本で得られるものは大体手にはいりますが(醤油、とうふなど)やはりなかなかふつうのスーパーでは手に入らないものもあります。たとえばだいこん、みりん、といったものは日本食専門の店でないと手にはいりません。料理の本で、アメリカに留学する日本人のためのクッキングなんて本があったらいいのにと思いました。
 本業の実験も少しずつ軌道にのってきましたし、だんだんこちらの研究者のこともわかってきましたので 今度はそのことについてmailしたいと思います。