向井 万起男 慶応義塾大学医学部病理診断部助教授
最近、女性が活躍出来る時代になったと盛んに言われている。これって、本当なのだろうか? 私は、日本では女性が「思う存分」活躍出来るようになんかなっていないし、これからも当分(ひょっとすると永久に)ならないだろうと確信を持って言える。なにしろ、男が全然変わらないから。
女性が活躍できるようになんかならない方がイイと声高に言うほど始末に負えない男は昔と比べると少ない(断っておくが、少なくなっただけで、まだ結構いますからね)。
では、時代は良くなっているのか? とんでもない! 多くの男が、女性が活躍できるようになってもイイと一応は言うが、それは、あくまで「ホドホドに」活躍してくれということなのだ。そして、「思う存分」活躍するのは、自分とは無関係のところでして欲しいということなのだ。自分と大いに関係するところで女性が「思う存分」活躍し出すと腹に据えかねるという男がウヨウヨしているのが日本の現状なのだ。それって本当なのかなぁ、と疑っている若い女性は、すでに活躍している女性に聞いてみるといい。まぁ、そんなことをしなくても、自分が社会に出ればすぐに分かることだけれど。
では、「思う存分」活躍したい女性はどうしたらイイのだろう? はっきり言ってしまうと、それって大変よ、ということになる。やめておいた方がイイのかもよ 、と言いたいくらいだ。しかし、それでは身も蓋もないので、一つだけアドバイスをしておこう。
一人で頑張るのはやめなさい、ということだ。強い味方を一人だけ手に入れておくことだ。私からのオススメは、旦那さん、もしくはオフクロさん(実母でも義母でもオーケー)。「思う存分」活躍しようと思ったら、何もかも自分でやるなんて無理だ。だったら、家族の中に強い味方を手に入れておくに限る。
「思う存分」活躍している女性が家事を旦那さんにやって貰っていたり、子育てをオフクロさんにやって貰ったりしていると、そのことを理由に、な〜んだ、他の人の犠牲の上に活躍しているだけじゃないか、などとタワケタことを言って非難する男がいる(信じられないかもしれないが、こういう男って多いのですよ、結構知的と思われている男の中にも)。しかし、これは実に馬鹿げた言い分だ。だって、 「思う存分」活躍している男って、誰にも頼らずに活躍なんかしてないのがほとんどだからだ。奥さんやオフクロさんに支えて貰わずに活躍している男なんてほとんどいない。
女性だって、利用出来る家族は利用してイイのだ。遠慮なんかする必要はない。女の涙や体を利用するのとは訳が違うのだから。では、旦那さんもオフクロさんも味方に出来ない場合はどうするか? それは、ちょっと私の手には負いかねる、としか言いようがない。