遺伝性出血性毛細血管拡張症 |
舌や口腔粘膜、指、鼻などの表在の末梢血管拡張とともに、胃腸末梢血管拡張や、多臓器(脳・脊髄・肺・肝臓)などの動静脈奇形を合併する遺伝性疾患です。Osler病もしくはOsler-Weber-Rendu病という名前でも知られています。
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常染色体顕性(優性)遺伝形式をとります。複数の責任遺伝子が同定されおり、形質転換増殖因子β1(TGF-β1)および形質転換増殖因子β3の受容体をコードするエンドグリン(ENG)遺伝子、またはTGF-βシグナル伝達経路に関与する蛋白質のSMAD4をコードするMADH4遺伝子の変異などが報告されています。
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復性の鼻出血や口腔内出血、消化管出血などの出血症状を呈します。また様々な臓器に動静脈奇形を呈します。
肺動静脈奇形の場合、瘻孔により重大なシャントが形成されると、呼吸困難や疲労、チアノーゼなどを引き起こします。またその結果、赤血球増多を引き起こすことがあります。またシャントによって脳膿瘍や一過性脳虚血発作、または感染性もしくは非感染性の塞栓によりもたらされる脳卒中を合併する場合があります。また中枢神経系の動静脈奇形ではくも膜下出血や痙攣発作、対麻痺が生じる場合があります。一部の家系では大脳または脊髄の動静脈奇形がみられ、それによりくも膜下出血や痙攣発作、対麻痺が生じることがあります。肝動静脈奇形では、肝不全や高拍出性心不全につながる場合があります。
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遺伝性出血性末梢血管拡張症そのものへの治療はなく、罹患した臓器ごとに血管奇形に対する治療が行われます。
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