α2-アンチプラスミン欠損症
【α2-アンチプラスミン欠損症とは】
α2-アンチプラスミンが先天的に低下している疾患です。極めて稀な疾患で世界でも数例の報告しかありませんが、本邦からの報告もあります。

【遺伝形式】
いわゆる出血傾向を呈するのはホモの欠損症ですので、常染色体潜性(劣性)遺伝形式ですが、ヘテロの欠損症でも軽度の出血傾向を呈する場合もあり、単純に潜性・顕性で分類することが困難な側面もあります。

【臨床症状】
再出血を特徴とする出血傾向を呈しますが、症状がひどい場合は止血困難と判断される場合があります。また遷延する出血のため、損傷治癒の遅延が報告されています。そのほか抜歯後止血困難、月経の遷延や過多月経など認められます。また新生児の臍帯出血も認められます。ホモの欠損症のみならず、ヘテロの欠損症でも術後の再出血などの出血傾向を呈する場合があります。

【検査所見】
α2-アンチプラスミン活性が異常低値を示します。

【治療】
トラネキサム酸投与により適切に線溶系の活性化を制御することで、症状の改善を認めます。