トランスコバラミンII欠損症
【トランスコバラミンII欠損症】
ビタミンB12の血液内の輸送に重要な役割を果たしているトランスコバラミンII(TCII)の先天的な異常症です。ビタミンB12欠乏状態となり、巨赤芽球性貧血と末梢神経障害・認知障害・痴呆等の神経症状を呈します。

【遺伝形式】
常染色体潜性(劣性)遺伝をとります。

【臨床症状】
ホモの欠乏症は、生後1〜2か月頃から粘膜潰瘍、嘔吐、下痢などが出現し、発育不全や無気力及び過敏症などを呈します。また低ガンマグロブリン血症による免疫不全症を呈する場合があります。

【検査所見】
大球性の貧血を示します。トランスコバラミンIのため、血液中のビタミンB12の低下は認められないか軽度です。

【治療】
ビタミンB12の大量経口投与または筋肉内投与などの非経口摂取が治療として有効ですが、診断が遅れた場合、神経学的兆候が残る場合があります。