生化学検体のフィブリン析出検体再遠心の自動化



生化学ラインでの最大の問題点であった、雑用軽減とエラー検体の処理(少量検体とフィブリン析出検体)
を軽減する。これが、今回の目的の1つである。
雑用に関しては分注チップや分注用子管の補充を並べたりせず、バラバラとランダムに入れれば良くなった。
残りはエラー検体の処理である。
少量検体の処理に関しては、分析装置の進歩により、必要サンプル量が減った。フィブリン析出検体に関しては
1つは採血管の変更、ベクトン(SST)からセキスイ(インセパックSQ)へ変更し、遠心までの時間
を大幅に短縮した。しかし、これでも完璧ではないため、今までの経験を生かしさらに、この案を
コンパクトな機器で実行できるメーカーであったのでこのような機器を作成できた。
いくつかの大手分析装置メーカーに案を出したが、却下もしくは高額を要求された経緯がある。
今回はフィブリンが出た検体に対し、ポリスチレン製のビーズ(セキスイ製)を数個入れ、
再度自動で遠心させる事により、フィブリン検体を自動で分注させている。
たかが、これだけでしかも、このような機器であるが、運用上大幅な省力化が達成された。
当院で導入したメーカーはこういった部分で現場の意見を反映し、しかも、コンパクト、
低価格で実現できるため、ユーザーライクなメーカーである。
他のメーカーも見習って欲しい部分である。
搬送が高価だとか、導入の採算だなどと言いながら搬送システムを売ってるメーカーは
こういった、たかがこれだけの機器が、どれほどの効果を発揮するのかを現場を通して
考えてもらいたいものである。