亀田総合病院見学記録
1998年10月29日(木)午前11時30分~午後4時
見学者:杉岡陽介(検査部)
平成10年3月9日
病院将来計画推進室 殿
検査部 杉岡陽介
視察報告書
日時 平成10年10月29日(木) 午前11時30分~午後4時
場所 亀田総合病院
目的 気送管の使用状況及び院内物流システムの見学
視察報告
院内の物品や情報の流れが非常に効率よく自動化されていた。
診療情報に関してはオーダリング、 電子カルテ を実施しており、
画像データの取り込み、カルテ情報など、受信速度も良好であった。
今回の目的である、気送管の運用については、検査部にとっての
外来、病棟を結ぶ、主搬送手段として稼働しており、今後の導入に当たっての
参考意見も聞く事ができた。
病院は 太平洋に面し、ロケーションもいい場所であった。
平成3年4月から稼働しているメディカルセンターは内装が非常にきれいで清潔感があり
ホテルの内装のようでもあった。
検査部は平成6年8月から稼働しているサービス棟の2階にあり、 窓からは太平洋を望む事ができる。
運用
亀田総合病院は亀田クリニック、サービス棟、A棟、B棟、外来棟、
救命救急センター棟からなっており、A棟を除く全ての棟間で気送管が結ばれていた。
A棟は昭和46年の建物なので気送管は設置していなかった。
気送子は約170本、5系統の気送管を使用し、待ち時間は通常1~2分で
ストレスを感じる程ではなかった。系統の種別は2種あり、検査室、採血採尿室 、
緊急ナースステーション、
院内調剤室を結ぶ、特別経路 と、その他一般経路である、
検査部へは両方の経路のステーション が確保されている。
気送子は検体搬送用とその他用とで分けて使用していた。
検査部からのお知らせ 使用法などは各ステーションに添付していた。
気送子が複数ステーションにあると落下の衝撃で検体破損が発生するため、タオルを引き 衝撃を吸収していた。
管理
KTSという、亀田グループの子会社がいっさいを引き受け、24時間体制で
集中管理を行っていた。トラブル時は全館放送により、運用停止の指示をしている。
年に2~3度ある。主に電気系のトラブルが多く、利用電源が115ボルトで
電圧が落ちると、気送管もダウンするとの事で、導入には注意が必要である。
この時、集中管理端末の情報も消えてしまうとの事で、搬送中の気送子が
どこにいったかわからないらしい。対策は全ての搬送ラインに圧をかけて、
搬出してみるしかないらしい。
無停電装置や定電圧装置の設置により対応は可能ではないかと思われる。
表示も外国製なので英語表示であった、導入当初はエラーの意味がわからず
困ったとの経験談を聞いた、当院では不特定多数が利用する予定なので
表示は日本語が望まれる。
制御コンピューターの2000年問題は毎年KTSが独自に制御コンピュータを
入れ替え、コンピューターの劣化を防止すると同時にその時々で時勢にあった
コンピュータと入れ替えているので常に新しいコンピューター、OSを使用しており、
問題はすでに解決済みのようであった。当院でも管理体制を明確にし、
随時制御コンピューターを入れ替えていかねば、現在稼働中の
中型搬送システム制御コンピュータのように10年以上も同じコンピュータで
入れ替えに莫大な費用が発生するといった事になりかねないので慎重に検討すべきである。
感想
亀田総合病院での問題点を生かして今後の参考としたい。
24時間管理体制の確保、システムトラブル時の対応、検体の気送子への入れ方など、
教育すべき事柄があり、円滑に運用するためには送り側、受け側の体制を整える必要がある。
今後の検査部からの要望事項として下記を列記する。
1)表示を英語から日本語表示へ の変換。
2)送り側への検体破損対策としての教育。
3)管理体制の強化。
以上