国立ガンセンター見学記録


1998年11月13日(金)午後1時30分〜午後3時
見学者:杉岡陽介(検査部)

                               平成10年11月13日
病院将来計画推進室 殿
                               検査部 杉岡陽介


視察報告書


日時   平成10年11月13日(金) 午後1時30分〜午後3時
場所   国立ガンセンター中央病院
目的   院内物流システムの見学

視察報告
建物自体を新規に建築している最中だったため、実際の現場の見学ではなかったが、
物流システムの構築および運用計画はすでに完成していた。

運用
1)搬送形態は、中型搬送小型ボックス搬送気送管、人的搬送の4種で運用予定であった。
  地下3階地上19階の 建物 なので垂直移動に関し特に検討したようであった。
  エレベータは一般用4台、スタッフ用6台、その他5台を設置してあった。
2)全てを機械化した物流とせず、人的搬送も残し緊急やダウン対策としていた。
3)定時搬送は全て中型搬送を使用する予定である。
4)搬送メーカーにより搬送形態やシステム構造が異なるので何が必要な機能なのかを
  検討しメーカーを決定すべきとの意見であった。
5)血液製剤も気送管で運ぶ予定であった。

運用にあたって
1)各部署での運用時間帯や量を調査し、基本的なルールのもと(定時搬送)に運用しなければ、
    混乱、渋滞が発生する。
2)搬送システムも機械なので故障が発生したり、緊急で搬送が必要な物もあるので、全ての
  物流を搬送のみにしない。
3)物、人、時間を検討した搬送スケジュールを検討すべき。

SPDについて
外部に委託する場合は内部業務の調査及び、事業計画の中での委託業務の範囲を整理する必要がある。

設備関連について
1)中型搬送
 1.ステーション は行きと帰りのラインを換え渋滞緩和を考慮したステーションであった。
  当院の外来棟と同じ仕様であった。
 2.制御パネルですはファンクションキーにより送信ミスを防いだ機構であった。
 3.到着のお知らせ
  中型搬送が到着するとブザーと天井のランプが光って知らせる機構であった。
  ガンセンターではナースステーションが広いためこのような装置が必要なようである。
  逆に考えると広いための弊害と思われた。
2)気送管関連について
 1.気送管のステーションはまだ稼働前なので到着時のショック緩和策などは見られなかった。
 2.制御パネルですの案内は日本語で書いてあったが、操作は英語であった。
 3.エラーの表示や操作が全て英語表示なため日本語での案内を作成したようである。
  稼働前から日本語の案内をメーカーが作成しているという事は事前に表示を日本語対応に
  すべきと思われた。
3)諸施設について
 1.外来の入り口に案内用電話 があり、場所の案内や各科との連絡が取れるようになっており、
  電話は各科のボタンを押すだけで通じるようであった。点字表示もあった。
 2.外来入り口は工事中なので壁や床にシートが敷いてあるが吹き抜けがあり開放感のある
  表面玄関であった。
 3.外来の診療ブースには大型の診察室番号、ドクター名を表記し電光掲示によるお知らせ板も
  設置していた。
 4.病室の前には液晶タッチパネル式モニターを設置し患者の案内その他をする予定である。
 5.病室の各部屋には採尿装置を設置し畜尿の量測定や採尿が自動で行えるようであった。

感想
実際に稼働していないので、システム構想と現場の見学 だけであったが、
プラン作成がしっかりとされており、各部署の統制もとれるような体制であった。今回の当院で
のSPD及び物流システムに関しても、セクショナリズムによる偏りをなくし、本来の基本構想
を実現できるような体制が必要ではないかと感じた。それには使用する側と構築する側の意識統
一、目的意識の明確化が不可欠であり、良識のある統括責任者の配置が重要と思われた。
気送管は当院導入予定のメーカーであったが、運用前にもかかわらず、表示番の横に日本語の案
内板を儲けていた。メーカーとしては問題を把握しているにも関わらず対策を講じていないのが
印象的であった。


以上