ご挨拶

第41回 日本小児外科学会秋季シンポジウム

第41回日本小児外科学会秋季シンポジウム 会長
会 長 大植 孝治

兵庫医科大学 小児外科

このたび、千里ライフサイエンスセンターにおきまして、第41回日本小児外科学会秋季シンポジウムを開催させていただくことになりました。本学会の伝統ある学術集会である秋季シンポジウムを担当させていただく機会をいただき、誠に光栄に存じます。

今回の主題は『新生児外科疾患の長期フォローにおける問題点』です。新生児外科疾患の中には、手術後も長期にわたり合併症の治療フォローアップが必要な疾患が数多くみられます。重症の横隔膜ヘルニア、鎖肛、ヒルシュスプルング病、短腸症候群、腸管不全、胆道閉鎖症など様々な疾患が様々な障害を残して術後遠隔期に外来、あるいは入院にて加療されています。中には成人になるまで、小児外科の外来でフォローされてる患者様も少なからずおられます。どのような疾患が、どのような障害でフォローされているのかをまず明らかにし、次にこれらの患者をいつまで、どのようにフォローアップしてゆけば良いのかを考えたいと思います。また障害が一生涯続く場合、小児外科医が一生涯診続けるのか、どこかの時点で成人の診療科にトランジッションするのかも含めて議論できればと考えています。

新生児期に全身麻酔をかけると、脳に障害をきたすという報告が散見されますが、新生児麻酔の影響について勉強するために、大阪府立母子医療センター麻酔科の濱場啓史先生に特別講演をお願いしています。

秋季シンポジウム当日は、新生児外科領域における様々な疾患における長期フォローアップの問題点を多角的に議論していただき、今後のより良い小児外科診療に向けた実りある議論ができればと考えております。できるだけ多くの方々に現地参加して議論していただきたいと願っていますが、遠方で参加しにくい方々にもWebを通じて参加していただき、一人でも多くの小児外科医が学び考えるシンポジウムにしたいと考えています。皆様のご協力を得て充実したシンポジウムになりますよう準備してまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

第44回 日本小児内視鏡外科・手術手技研究会

第44回日本小児内視鏡外科・手術手技研究会 会長
会 長 矢内 俊裕

茨城県立こども病院 小児外科、小児泌尿器科

このたび、第44回日本小児内視鏡外科・手術手技研究会を開催させていただくことになり、大変光栄に存じます。このような機会を与えてくださいました皆様方に心より御礼を申し上げます。

本研究会を担当させていただくにあたり、今回のテーマを「小児外科手術の多様性:無限の引き出し」といたしました。病型が確立した疾患に対する手術においては標準化が進むなかでもさまざまな創意・工夫がみられ、また、病態が複雑な疾患に対する手術や希少疾患に対する手術においては症例に応じた術式の選択を要します。小児外科領域では対象とする疾患の発生頻度が少ないことに加え、少子化による症例数の減少により、一人の医師が経験できる症例や手術は限られているので、各施設で実施している手術における工夫や注意点を参加者が共有することによって今後の診療に役立てることができます。

要望演題としては、下記の4つを挙げさせていただきました。
1.内視鏡外科における手術の多様性:現状と課題
2.小切開手術における多様性:適応の拡大と限界
3.泌尿器生殖器系疾患に対する手術の多様性:今後の展望
4.固形腫瘍の治療における手術の多様性:QOL向上を目指して
ほかにも小児外科手術に関する演題を広く募集いたしますので、奮って御応募いただきますよう何卒よろしくお願いいたします。

日々、小児外科診療に従事している皆様にとって、実りある研究会を開催できたら幸甚です。皆様の御支援・御協力のもと、有意義な研究会となるよう尽力いたします。皆様の御参加を心よりお待ちしております。

第54回 日本小児外科代謝研究会

第54回日本小児外科代謝研究会 会長
会 長 尾花 和子

日本赤十字社医療センター 小児外科

このたび、第54回日本小児外科代謝研究会を担当させていただくことになりました。会員の先生方にお礼申し上げますとともに、伝統ある本研究会の歩みに少しでも寄与できるよう心がけて準備してまいります。

近年の手術あるいは薬物療法の進歩などにより、難治性疾患の栄養療法に対する最前線治療は大きく変化しているところです。一方で、周術期の合併症改善のための取り組みや、QOLの向上を目指すための栄養法が再認識されています。しかし、基礎的な生理学・生化学・栄養学の知識や学習から離れてしまっている臨床医も多く、種々の情報に迷いながら取捨選択している状況かと思います。そのような状況を踏まえて、今回の主題を「病態に則した栄養必要量の算定と投与戦略」とさせていただきました。栄養療法に詳しい先生も、少し苦手な先生も、何を基準に選択し、継続や評価の基準を決めているかなど、見直して続けられる内容を発信していただき、さらなる一手として活かせる知識を勉強させていただきたいと期待しております。もちろん、主題以外にも、難治疾患の栄養管理やチーム医療なども含め、広く代謝栄養に関する演題についても多数のご発表を要望いたします。

PSJMのほかの研究会の先生方のお力もお借りしつつ、ご参加いただく皆様と熱い討論ができればと考えております。皆様のお力添えをどうそよろしくお願い申し上げます。

第35回 日本小児呼吸器外科研究会

第35回日本小児呼吸器外科研究会 会長
会 長 渕本 康史

国際医療福祉大学医学部/国際医療福祉大学成田病院 小児外科

このたび、第35回日本小児呼吸器外科研究会を開催させていただくことになりました。歴史と伝統ある本研究会を担当させていただく機会をいただき、誠に光栄に存じます。

今回は「小児喉頭・気管狭窄症:治療の今と未来」を主題とし、現在の標準的治療から将来的な展望までを包括的に議論したいと思います。小児声門下狭窄や気管狭窄の治療は、小児外科領域において限られた施設で行われているのが現状ですが、これらの疾患に関する最新の知識と治療法を共有することは、極めて重要です。

そのため、「今」では、ハイボリュームセンターで活躍されているエキスパートの先生方による指定講演をプログラムの一部に組み込む予定です。具体的には、声門下狭窄や気管狭窄に対する最先端の診断・治療法についてご講演いただくことで、実臨床における課題とその克服方法を深く理解する機会を提供したいと思います。また、「未来」を見据えた議論として、再生医療を活用した気管壁の再建技術や、その臨床応用の可能性についての講演も企画したいと思います。

さらに、小児呼吸器外科の他の課題にも焦点を当てたいと思います。たとえば、嚢胞性肺疾患に対する肺切除術(肺葉切除、区域切除、胸腔鏡下肺葉切除)について要望演題を募集し、最新の手術手技や術後管理について議論を深める機会を設けたいと思います。加えて、肺転移や気胸をはじめとする小児呼吸器外科に関連する幅広いテーマについても皆様からのご応募を心よりお待ちしております。

本研究会が、小児呼吸器外科医療における現在地を再確認し、未来の展望を共有する場となることを目指しております。大阪にて皆様にお会いできることを楽しみにしております。

第81回 直腸肛門奇形研究会

第81回直腸肛門奇形研究会 会長
会 長 岡島 英明

金沢医科大学 小児外科

このたび、第81回日本直腸肛門奇形研究会の会長を務めさせていただき、本研究会を開催させていただくことになり大変光栄に存じます。第41回日本小児外科学会秋季シンポジウムと共催しPSJM2025の一環として開催いたします。このような機会を与えてくださいました皆様方には心より御礼を申し上げます。

昨年は渕本会長のもと、術式別の中間位・高位鎖肛の長期排便機能を術式別に有意義な討論がなされました。その中で長期成績を良好なものにするために様々な工夫が紹介されました。それを受けまして今回のテーマは「周術期管理の現状を見直す」といたしました。病態の把握の進歩、鏡視下手術の導入を含めた術式の変遷を経て、術前評価、手術適応・タイイング、手術術式、術後管理、排便機能評価においては施設により様々な工夫がなされております。患児のADL、QOLに配慮した工夫、低侵襲を考慮した工夫など各施設の取り組みをご紹介いただき、そのメリットとpitfallを共有することにより広く直腸肛門奇形患児に現状における最先端の管理とメリットを提供できる様になることを期待しております。

また、治療に難渋している症例、特殊な病型の症例など、直腸肛門奇形に関する幅広いトピックについて演題を受け付けております。研究会では有意義な討論ができるよう準備したいと存じます、どうぞよろしくお願い申し上げます。

第29回 日本小児外科漢方研究会

第29回日本小児外科漢方研究会 会長
会 長 平林 健

弘前大学医学部附属病院 小児外科

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

このたび、伝統ある日本小児外科漢方研究会の会長を拝命いたしました、弘前大学医学部附属病院小児外科の平林 健でございます。

日本小児外科漢方研究会は、初代代表世話人である埼玉医科大学名誉教授 石田 清 先生を中心に、全人的医療の理念のもと、小児外科領域の疾患治療の一手段として漢方療法を試み、その成果を共有し、当該領域の総合的な発展に寄与することを目的に、1993年に発足いたしました。

外科系疾患に対する漢方製剤の使用は、腸閉塞症に対する大建中湯から始まっておりますが、現在の小児外科領域では胃食道逆流症に対する六君子湯、胆道閉鎖症に対する茵蔯蒿湯、乳児痔瘻に対する排膿散及湯など、多岐にわたり用いられるようになりました。

今回の研究会では、小児外科領域全般における漢方療法の効能、特に下部消化管運動障害(便秘・失禁)に対する漢方療法の効能について、皆さまと共に学びを深めていきたいと考えております。漢方に精通しておられる先生方はもちろん、普段あまり漢方をお使いになられない先生方にも、小児外科の診療にすぐに役立つ情報をお届けし、有意義な研究会となるよう鋭意努めてまいります。

当日は皆さまにお目にかかり、活発な議論・情報交換ができますことを楽しみにしております。何とぞよろしくお願い申し上げます。

敬具