日本小児外科学会ワーク・ライフ・バランス検討委員会 講演会
共催
⽇本⼩児外科学会ワーク・ライフ・バランス検討委員会、⽇本医師会
日時
2025年10月31日(金)17:30-18:30
場所
第2会場(5Fサイエンスホール)
※会場で聴講された場合、日本専門医機構共通講習(医療制度と法律)として単位が付与されます。
講演1欧米水準を目指した医師の働き方改革
秦 雅寿
大阪けいさつ病院 心臓血管外科部長
秦先生は、ドイツのバドユンハウゼン心臓糖尿病センターで15年間務められた際、効率を重視したセンター運営に衝撃を受けられました。日本の医師個人の腕前は高い一方、組織としての構造に課題があると感じ、2021年に帰国して現職に就かれてから、「A水準どころか残業ゼロを目指す」と宣言して旧来の主治医制度を廃止するなど、労働慣行の抜本的見直しに着手され医師の働き方改善に3年計画で取り組んでこられました。さらに、「患者のために自己犠牲を強いる風潮はすぐに止めるべき」と断言。医療現場の待遇や職場環境の向上に向け、医師自身が声を上げ続ける重要性を強調し、理想とするドイツ型センターの実現のために続けてこられた挑戦についてご講演いただきます。
講演2医局改革大作戦~新入医局員を5倍に増やした秘策~
村上 英樹
名古屋市立大学大学院医学研究科整形外科学分野
主任教授
村上先生は、2019年に金沢大学から名古屋市立大学へ赴任した当初は孤立した厳しい状況に直面していました。打開策として新入医局員を増やすことを目標に掲げて改革を実施。その結果、就任前は年間5~6名だった新入医局員が約5倍となりました。医局は楽しく、自由で、アットホームな場へと変わり、「人が増えれば何でもできる」という好循環を築いています。村上先生はリーダーの姿勢として「嫌なことは率先して自ら行うこと」「自分の当然を他人に押しつけないこと」を重視し、自己顕示欲を捨て太陽として医局員に光を当てる存在を理想としてこられました。医局としての大きな目標は不要と考え、医局員を宝物として一人ひとりの夢や多様性を支える組織づくりを行われてきた経験についてご講演いただきます。