2024年に、管内の複数の高齢者施設や医療機関内で疥癬が発生し、患者の対応に関する相談が保健所に寄せられています。
現在までに患者は合計数十名ですが、終息せず再発生し、他施設に広がっている状況です。
疥癬の治療に使うイべルメクチンの添付文書には「確定診断された患者」に続き「又はその患者と接触の機会があり、かつ疥癬の症状を呈する者に使用すること。」と記載されています。
施設利用者、その家族、関係者が受診し、疥癬患者との接触があった旨を説明した場合は、疫学情報をもとにイベルメクチンの処方をお願いいたします。
外用ステロイドを処方され、角化し、さらなる感染拡大をもたらしている例もありました。皮膚症状が改善しない・悪化する場合は、外用ステロイドを停めて、疥癬を想い起してください。

【参考】塗布中止後に続発性副腎不全を発症した角化型疥癬合併血液透析患者の1例
日本透析医学会雑誌, 2024, 57 巻, 10 号, p. 463-468
https://doi.org/10.4009/jsdt.57.463 [j-stage]

[図1] 疥癬虫のイメージ(ヒゼンダニSarcoptes scabiei)

ヒゼンダニのメスのイメージ

[図2] 疥癬トンネルのイメージ(トンネルの卵が数日後孵るので、重症例では2週間後、イルベメクチンの再投与を検討)

疥癬トンネルのイメージ
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