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打ち上げられたクジラ

(2017年5月27日、愛知県知多半島 内海海岸にて)

水産庁ホームページ潮位表を検索したところ、2017日5月27日(日曜日)は、潮位表基準面値より数cmも低くなることが示されていた。この日の干潮のピーク時刻に磯に行けば、満潮時刻には2.5mの水中に沈んでいる海底に簡単に手で触れることができる。このタイミングに愛知県知多半島の内海に磯遊びに出かけることにした。

(国土交通省 水産庁ホームページより) http://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/tide/suisan/suisan.php

内海東浜の道路脇に車を止めた。目の前の砂浜に体長1.2mぐらいのクジラ1頭が打ち上げられていのを見つけた。この海岸でいろいろな海の生物を観察してきたが、クジラを見るのは始めてだ。頭が大きい体型から、ゴンドウクジラらしい。「海に戻してやれば、もしかしたら助かるかもしれない。」と思いながら、近ずいて観察すると、残念ながらすでに眼球は消え去った死骸だった。もし元気に生きたまま砂浜に打ち上げられて、悶え死んだとすれが、周囲の砂にその形跡が残っていてもよいだろう。眼球を鳥につつかれて失ったのなら、死骸の周囲に鳥の足跡がたくさん残っていてもよいだろう。ところが、死骸の周囲の砂浜はまったく荒れた様子もなく、鳥の足跡も無い美しい状況だった。周囲の状況証拠から「クジラは海中で既に死亡して、浮遊している間に魚に眼球などを食べられてしまい、死骸の状態で海岸に打ち上げられたのだろう。」と推論した。「悶え死んだのではない。」と推論することで、幾分の救いになった。それでも巨大な哺乳類の死骸を見ると、悲しい気分なる。このまま放置されたら、ハエが集り、腐臭を放つ廃棄物と化すだけだろう。持参していたバケツを使って近くの砂を掘って死骸を埋めさせてもらった。

三浦裕(みうらゆたか)
Yutaka Miura, M.D., Ph.D.
Associate Professor at Molecular Neurosciences
Department of Molecular Neurobiology
Graduate School of Medical Sciences
Nagoya City University

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(Last modification  May 29, 2017)