大会長挨拶

 2020年5月16日(土)、17日(日)の2日間にわたり、第46回日本保健医療社会学会大会を大阪大学人間科学研究科にて開催する予定でしたが、新型コロナ感染症の流行により、今回、9月5日(土)、6日(日)にオンライン上で開催する運びとなりました。日程および開催方法につきたびたびの変更となりましたことを関係者のみなさまに深くお詫び申し上げます。また、今回の度重なる変更に際しての、理事・評議員のみなさま、研究活動委員のみなさま、参加者のみなさまのご支援とご協力に深く感謝いたします。
 日本保健医療社会学会は、これまで、医学、保健学、看護学、社会学、人類学などの研究者が合流する学際的な学会としてユニークな活動を続けて参りました。昨年5月には東京慈恵会医科大学において30周年記念大会(大会長 中村美鈴先生)が盛大にとりおこなわれたところであります。今大会につきましては、こうした伝統を踏まえまして、今後の当学会のいっそうの発展と社会への貢献をめざして、新たな一歩を踏み出すべく実行委員一同努力を重ねたいと考えます。
 今大会のテーマは、未曾有の物質的豊かさの中で、多くの人々が生きづらさを感じる現代社会の現状を踏まえ、「生きるための社会デザインを考える」といたしました。大会の開催に際しては、大阪大学人間科学研究科および大阪大学ユネスコチェア『グローバル時代の健康と教育』の共催をいただきました。大阪大学では、2003年より「デザイン力」をその教育目標の一つとして掲げており、また、大阪大学ユネスコチェアは「健康のための社会デザイン」をキーワードとして掲げております。これらの理念には、個人の教育啓発だけではなく、個人が生きる広い意味での社会環境の改善こそが、現代社会に必要な施策であるという意味がこめられています。大会プログラムでは、大会テーマに関連した大変魅力的な、基調講演、シンポジウムを準備しております。会員のみなさまには、さらに、ラウンドテーブル、ポスターセッション、一般演題へのご参加をいただき、学会および大会の理念にお力を添えていただきますようお願い申し上げます。また、今般の感染状況は、これまで私たちが経験したことのない社会状況を生んでおります。大会においては、各セッション、ラウンドテーブルにおいてこうしたことについてもできる限り言及いただければ、より充実した大会となるものと考えます。
 なお、大会運営に際しましては、オンライン上での開催という初めて試みであり、実行委員一同できる限りの努力を惜しみませんが、いたらぬ点など多々生じることもあるかと思います。みなさま方の、ご指導、ご鞭撻、またご寛容のほどを心よりお願い申し上げる次第です。吹田市にて、こころよりお待ち申し上げます。

第46回日本保健医療社会学会大会
実行委員を代表して
大会長 山中 浩司