プログラム

大会長講演
「救急医療における患者・家族の治療に対する意思決定支援への新たな視座」

演者

中村美鈴(東京慈恵会医科大学)

座長

三井さよ(法政大学)

日本保健医療社会学会30周年記念シンポジウム
保健医療社会学の知の可能性:研究・教育・実践の未来

趣旨:
 保健医療社会学会では、これまで主に異なる分野の研究者が、それぞれの視点・知見を持ち寄って学際的な交流をしてきた。こうした役割は今後30年間も変わることは無いであろう。しかしそれと同時に会員層の変化や時代のニーズにより、より一層保健医療の専門職に対する社会学教育の提供や保健医療の現場への研究成果の応用が求められるようになっている。
 そこで本シンポジウムでは保健医療社会学の過去30年を研究・教育・実践(への応用)という3つの異なる視点で振り返り、保健医療社会学の未来を複合的に考える機会としたい。特にディスカッションにおいて研究・教育・実践の望ましい関係について議論できるように、各シンポジストの報告にはそれぞれの現状と課題、今後のビジョンに加え、この3者の関係についての展望を含めることとしたい。

演者
  • 保健医療社会学における研究の現在と未来  進藤 雄三(大阪市立大学)
  • 保健医療社会学における教育の現在と未来  金子 雅彦(防衛医科大学校)
  • 保健医療社会学における応用の現在と未来  吉田 澄恵(東京医療保健大学)
指定発言
  • 橋本英樹(東京大学)
  • 藤村正之(上智大学)
司会

松繁 卓哉(国立保健医療科学院)
伊藤 美樹子(滋賀医科大学)

特別講演
「いのちの生成とケアリング―ケアのケアを考える―」

演者

丹木博一(上智大学短期大学)

座長

西村 ユミ(首都大学東京)

基調講演
「保健医療社会学に魅せられて―30年の歩みとこれから―」

演者

山崎 喜比古(日本福祉大学)

座長

野口 裕二(東京学芸大学)

編集委員会特別企画
「保健医療社会学論集のこれまでを振り返り、今後を展望する」

趣旨:
 『保健医療社会学論集』は1990年から発行され、今日に至る。これまで保健医療福祉にかかわる多領域の人々が社会学的関心のもとに集い、育んできた、学際的な雑誌である。この学際性をどう考えるか、査読者がよく用いる「保健医療社会学への貢献」という表現に何が込められると考えるか。初めて発行された当時と比べ現在は、保健医療福祉を取り巻く社会状況と学術的動向が大きく変化してきている。例えば、保健医療福祉を扱う日本人研究者の多くが論文を国際誌に投稿するように変化した。大学で研究者が自由に使える予算は削減され、科学研究費等の外部研究資金の獲得競争は激しくなっている。このように、保健医療福祉を取り巻く学術的な状況は大きく変化している現状にある。
 一方で、保健医療社会学論集の編集委員会のあり方も再検討の時期に入っている。本学会の編集委員会は、編集委員会(13名体制)で査読をし正副委員長3名で査読結果の判定をしていた一時代を経た後、2009年、現在のシステムに通じる大改革が行われた。その改革は、編集委員会を5名体制とし、日本保健医療社会学会編集委員会規程/編集委員会規定施行細則/編集規定/査読ガイドラインなどを整備し、会員に広く査読を依頼するというものであった。その後、規程類のマイナーな改訂は経ているものの、大きな改訂はなく現在まで運用されており、編集委員会及び査読システムのあり方も再検討の時期にある。
 以下に、本シンポジウムでの問いをまとめる。学会誌は本来、学会及び社会にとってどのような役割を果たすべきなのか。とりわけ保健医療社会学論集は、学際的な日本保健医療社会学会会員の研究成果の公表にどのように貢献すべきなのか。本論集に掲載される論文は保健医療社会学に寄与すべきとの多くの査読コメントはどのような意味を示したのか。本論集の編集委員会および査読者の役割分担と、双方の責任とは何か。査読プロセスの公平性と高い学術レベルを保ちつつ、査読を迅速化し、会員の利益を最大化する編集委員会体制とはいかなるものか。
 本シンポジウムでは、本論集が担ってきた役割と貢献を振り返るとともに、昨今の学術・社会状況の変化、ならびに本学会の編集委員会の歴史的経緯をふまえて、本論集の今後を展望していきたい。

シンポジスト
  • 三井さよ(法政大学)
  • 小澤温(筑波大学)
  • 伊藤美樹子(滋賀医科大学)
  • 佐藤哲彦(関西学院大学)
指定討論者
  • 戸ヶ里泰典(放送大学)
  • 菅野摂子(立教大学)
司会
  • 朝倉京子(東北大学)

一般演題(口演・ポスター発表)、ラウンドテーブルディスカッション