日本人・台湾人の夜市利用意識研究―台北士林夜市の例―

 

02L1040Y 川村佳子(中国文化専攻、指導教員:真柳 誠)

 

緒言

 

 台湾の観光地として多くの人で賑わう夜市。台湾人にとって生活に欠かせない場所である中で、海外からの観光客が増えてきている。台湾人にも観光客にも人気のある夜市であるが、夜市の魅力はどこにあるのか。私自身、台湾を旅した時に夜市に魅了され、この疑問を追究したいと感じた。

 本論文では、台北士林夜市で日本人と台湾人にアンケート調査を行い、消費者がどのくらい夜市を利用しやすいかを明らかにしていく。そして以下のことを考究する。

(1)日本人と台湾人に、夜市の認識度・満足度にどのくらい差が見られるのか。

(2)個人の属性によって、夜市の認識度・満足度に差が見られるのか。

(3)利用目的など旅の行動によって、夜市の認識度・満足度に差が見られるのか。

(4)夜市の魅力はどこにあるのか。

また、これらのことを明らかにした結果から、夜市のどの部分を改善すればさらに観光客が利用しやすくなるのかを考えてみたい。

本論文では人物の敬称を省略した。また、使用する漢字はJISコード文字にある常用漢字・人名用漢字を原則とし、それにない漢字は正字を使用した。

 

 

第一章 先行研究

 

夜市消費者の意識や行動について研究されている論文を年代順にまとめる。以下の論文は全て、夜市で調査を行い調査結果は統計を使って分析している。また、過去に出された結果と課題を明らかにすることで、自分の研究を進める手がかりとする。

 

王旭煌(1995)「台北市夜市消費者の動機と購買行為の研究」[1]

夜市に行く動機や消費行為・問題認知について明らかにした。これらが性別や年齢などの属性によって変化するのかどうかをクロス集計で分析し、影響があることを明らかにした。

 

顔家芝、林子傑、盧遠平、邱怡傑、李志仁(1998)「夜市消費行為の比較と研究-景美、士林、華西街三夜市の例-」[2]

三つの夜市でアンケートと訪問インタビューを用いて、消費者の夜市環境認識と夜市での消費態度を明らかにした。また、異なる夜市における消費者は、夜市に対する認識(特に商品の種類に対する反応と環境イメージ)の差が強く見られることが判明した。

 

顔家芝(2002)「環境体験の観点による夜市特質と影響要素研究」[3] 

19の夜市で人々の夜市環境体験について調査し、伝統夜市と理想夜市の環境体験特性を明らかにした。同時に異なる夜市では環境体験も異なることを表し、夜市の形などの環境要素と露店の種類などの社会環境要素は環境体験に影響することを考察する。

 

蔡長淸、張雪玲、黄淑貞(2002)「国内外観光客に対する観光夜市の環境要素重要性認識及び満足度の研究-高雄市六合観光夜市の例-」[4]

日本人と台湾人の夜市環境への重視程度、満足度を明らかにし、これらについて国籍と属性の違いによって差が出ることを明らかにした。顔家芝ら[2]の、異なる夜市における消費者は夜市に対する認識の差が見られる、という結果を参考にし、国籍の違う消費者に着目している。

 

郭維倫(2003)「露店夜市空間属性に対する消費者消費時間の影響研究-台湾台中市逢甲商圏文華夜市と日本九州福岡市西商店街の例-」[5]

福岡と台中の露店夜市の空間特性を探求した。また、異なる業種の露店に訪れる消費者は、業種によって買い物する時間に差が出るのかを明らかにした。さらに、性別や日台間、夜市の人口密度によって消費時間に差が見られることを考察する。

 

郭嘉倫(2003)「士林夜市 経営管理の研究」[6]

露店営業者にとって士林の美食広場の完成前と後で商売に影響があったか、さらに政府の政策についての満足度を調査。また、美食広場完成前と後について消費者の満足度を調査し、士林夜市が公平で合理的でかつ安全な商業環境へ発展することを考える。

 

郭嘉倫(2004)「士林夜市顧客満足度分析-中国文化大学学生消費行為の例-」[7] 

夜市のサービスの質と消費者満足度の関係性を追究した。さらに学部の異なる大学生では、夜市の露店と商店のサービスの質に対する満足度に違いが見られることを明らかにした。

 

江俊輝(2004)「米日籍観光客の新奇追求と市場区画の研究」[8]

新奇追求は国籍の違う観光客で差が見られるかどうかを明らかにした。さらに、人口特性上の違いは新奇追求に影響が見られることを明らかにした。[1]王旭煌、[2]顔家芝ら、[3]顔家芝の論文を参考にしているが、これらが取り上げている消費行為や夜市の認識とは別の新奇追求という点に注目している。

 

張立綦(2005)「台北市露店飲食文化及び椅子の造型功能の研究」[9]

夜市で使われる椅子の分析、使用方法、材質、機能の研究。士林、華西街、通化街、饒河街夜市で販売されている食べ物、商品を調べ、椅子について分析しどのような椅子を使えばさらに夜市が発展するのかを研究する。

 

陳華如(2005)「夜市属性に対する環境知覚の影響-士林、臨江街、師大夜市の例」[10]

日本人と台湾人の夜市環境認識を明らかにすることで、夜市の認識は国籍や属性によって変化することを証明した。さらに、夜市の種類や、消費者の消費行動によっても影響することを明らかにした。

 

 これらの研究で王旭煌[1]、顔家芝ら[2]、顔家芝[3]、蔡長淸ら[4]、郭嘉倫[7]、陳華[10]如の論文は、消費者の夜市環境認識・満足度・問題認識・消費行為について研究し、主に夜市に対する「認識」について取り扱っている。そしてこの「認識」は個人の属性や国籍・消費行為・夜市の種類などによって影響を受ける、ということが今までの研究で証明されている。また、台湾では夜市についての研究があるのにもかかわらず、日本で研究されているものは僅かであり、「認識」について書かれているものは見当たらないのが現状だ。そこで私は日本人として観光客の視点から夜市を見ていこうと思う。具体的には日本人観光客の調査人数を増やし、「認識」の評価を台湾人と比較する。さらに比較だけでなく、観光客にとって夜市はどのように見えているのかを追求していく。

 

 

第二章       夜市について

 

夜市とは、簡潔に言うと「夜を中心に賑わう屋台や露店の集まり」である。日本には夜市というものは存在しないが、敢えて言うならば「上野のアメ横」と「博多の屋台街」をくっつけたものであろうか。台湾の夜市は様々な場所に存在し、毎日たくさんの人々で賑わっているのが特徴的だ。いまや台湾の文化と言っても過言ではない夜市がどういうものかをこの章では伝えていく。さらに、観光客の夜市利用状況について調べ、観光名所の一つである士林夜市を具体的に紹介する。

 

1.   夜市とは

 

台北市市場管理所の定義[11]によると「夜市とは、夜の6時から12時までを営業時間とし、 有効な管理の下で営業を許可された露店のことであり、台北市民に夜間の休息、街遊び、消費場所を提供するもの」とある。その中で観光夜市は「消費者が街遊び、買い物ができ、50km以内に政府が認める観光名所、文化遺産がある所」と定義されている。

 早期の夜市は、廟や寺、縁日などの関係から生まれ、次第に個々の市場から一つの市場が形成されたと言われている。露店商人は多くの利潤を得ることになり営業時間も延びていったようだ[11]

次々と発展していった夜市であるが、今日まで人々にとって欠かせない存在になった理由には次のことが考えられる。

○経済要素:人々の需要に応えた低価格な価格設定。

○法律面での要素:夜市に対する法令の不足や、取り締まりが緩いため移動式の露店が増加し、移動式から固定へと変化していった。

○社会要素:都市の急速な発展に農家はついていけなくなり、農業を辞めて露店商人を始める人が増えていった。

○消費者の需要:多様な物や娯楽が身近で手に入れることができる。

○観光要素:観光名所の一つとして観光客の利用を増やすために、観光協会や政府が夜市の発展を促進。

低価格で多彩な商品とあるが、夜市で取り扱っている具体的なものについては本章3.で触れることにする。

 

2.      観光客の利用

 

夜市の利用者は地元に住む20代、30代の若者が多いが、全体的に見ると子供から年配の方までと幅広い。さらに、年々海外からの観光客の利用が増えてきている。

以下に示す表は、2003年から2005年に台湾に訪れた観光客(日本、アメリカ、香港、マカオ、韓国、マレーシア、ヨーロッパ、オーストラリア人)に、一番有名だと思う観光名所を問いた結果である。夜市を観光名所だと答える人々が圧倒的に多いことがわかる。表中の「人/百人」は百人の観光客中で当該観光名所を訪れた人数を指す。

2-2-1 2003年~2005年 観光客主要観光名所 順位表[12]

2003年

2004年

2005年

観光名所

人数

相対次数

(/百人)

観光名所

人数

相対次数

(/百人)

観光名所

人数

相対次数

(/百人)

1

夜市

2271

45.37

夜市

2486

49.23

夜市

2946

58.81

2

故宮博物院

1105

22.08

故宮博物院

1327

26.28

台北101

1817

36.27

3

中正記念堂

999

19.96

中正記念堂

1235

24.46

故宮博物院

1661

33.16

4

西門町

484

9.67

台北101

917

18.16

中正記念堂

1562

31.18

5

九份

433

8.65

西門町

711

14.08

九份

900

17.97

6

淡水

372

7.43

淡水

663

13.13

西門町

876

17.49

7

忠烈祠

321

6.41

九份

648

12.83

淡水

758

15.13

8

龍山寺

309

6.17

台北 東区

484

9.58

忠烈祠

635

12.68

9

北投

252

5.03

忠烈祠

397

7.86

龍山寺

566

11.3

10

太魯閣 天祥

235

4.7

陽明山

396

7.84

陽明山

448

8.94

 

3. 士林夜市について

 

士林夜市は捷運(MRTとも言う。日本の地下鉄+電車の呼称)の剣潭駅付近にあり、大東路、基河路、文林路の三大道路と駅前に建つ士林臨時市場で成り立っている。

長年の発展により、士林夜市は国際的にも知名度のある夜市になったが、繁栄の理由には以下のことが考えられる[13]

(1)   業種が揃い、かつ価格が高くなく、適正である。

(2)   MRT(剣潭駅)と文林路に走るバスの運行が便利である。

(3)   近辺に学校が多く、学生にとって夜市が放課後や休日に遊ぶ場所となる。

(4)   営業時間が長く、毎日明け方の1時、2時まで営業している店があり、夜型の人の需要を満たしている。

また、観光客に有名な夜市について以下の表にまとめたが、この表からも士林夜市の規模が大きいことがわかる。また、飲食類が多いことも観光客にとっては魅力的である。

2-3-1 夜市商品種類調査結果[14]

夜市名

特徴[15]             

娯楽1

飲食2

装飾品3

家庭サービス4

服飾類5

その他6

士林夜市

台湾最大のスケール、観光客が多い

44

308

199

69

293

28

鐃河街夜市

生活感漂う、1本道

37

200

137

42

199

39

公館夜市

台湾大学の近く、若者向けの商品

31

209

43

49

127

47

師大夜市

留学生街、国際色豊かな店も目立つ

10

145

7

10

17

22

華西街夜市

観光客向けの商店街の雰囲気

5

70

19

4

15

14

1 娯楽:射的、金魚すくい、海老つり、輪投げ、写真館、占い、書店、文具、おもちゃ、等

2 飲食類:臭豆腐、小龍包、鍋、焼き物、揚げ物、牡蠣のオムレツ、イカのとろみスープ、タピオカミルクティー、マンゴーかき氷、日本料理、等

3 装飾品:眼鏡、帽子、かばん、財布、ベルト、アクセサリー、等

4 家庭サービス:家庭用品、雑貨、小型電化製品、寝具、食品、コンビニ、等

5 服飾類:衣類、靴、化粧品、手袋、マフラー、等

6 その他:理容、花屋、占い館、写真印刷店、廟、等

 

以下の表は海外観光客が訪れる主要夜市の割合を示したものである。表中の「人/百人」は百人の観光客中で当該夜市を訪れた人数を指す。これより士林夜市は他の夜市を大きく引き離して一番高いことがわかる。

2-3-2 2004年,2005 観光客が訪れた主要観光夜市 順位表[16]

2004年

2005年

観光夜市

人数

/百人

観光夜市

人数

/百人

1

士林夜市

1,638

32.44

士林夜市

2,017

40.27

2

華西街夜市

399

7.90

華西街夜市

327

6.53

3

鐃河街夜市

188

3.72

鐃河街夜市

147

2.93

4

高雄六合夜市

80

1.58

高雄六合夜市

125

2.50

5

基隆廟口夜市

74

1.47

基隆廟口夜市

85

1.70

6

迪化街夜市

69

1.37

臨江街夜市

79

1.58

7

臨江街夜市

67

1.33

公館夜市

74

1.48

8

公館夜市

49

0.97

迪化街夜市

63

1.26

9

師大夜市

39

0.77

師大夜市

56

1.12

10

楽華夜市

7

0.14

台中逢甲夜市

26

0.52

 

観光客に一番注目されている夜市ということで今回、調査場所として私は士林夜市を選んだ。

 

 

第三章 研究方法

 

この章では、本調査の設問について、調査対象者の決定方法、アンケートの方法、さらにデータの分析方法について述べていく。

 

1.   設問設計

 

ここでは、本調査の設問がどのようにして構成されたのかを示す。本アンケートは、大きく分けると4つの項目に分かれている。

(1)夜市のイメージ(認識)

(2)夜市に対する満足度

(3)旅の行動

(4)個人の属性

(1)(2)については質問に対しての同意度を5段階評価で、(3)(4)については選択回答で記入する形をとった。これらの項目は以下に述べる内容を参考にしながら作成した。

 

〔夜市の認識要素〕

来台旅客消費及び動向調査報告の調査結果と陳華如、顔家芝、郭嘉倫の調査項目を参考にした。

 陳華如[17]は、夜市をイメージする形容詞を30人の大学生に答えてもらい、85個の形容詞を出した。そして、その中からどの形容詞が夜市に当てはまるかを、40人の研究生に答えてもらい、30%以上の回答を得られたものを採用し、15個の形容詞を取得した。さらに、過去に行われた顔家芝の研究[18]と他の研究者が行った調査で出した形容詞を加え、似たような形容詞は省き最終的に以下に示す24個の形容詞を使用した。

美味しい、楽しい、混雑している、伝統的、面白い、煩わしい、賑やかな、汚い、懐かしい、圧迫的な、危険な、綺麗、広い、明るい、現代的な、嫌い、独特な、(人々は)冷たい、俗っぽい、愉快な、珍しい、有名な、庶民的な、多様な 

これらの感覚的な認識の他に、夜市が利用しやすいかどうかを測る項目を追加し、他の先行研究も参考にしながら設問(1)を設定した。

設問(1)

①交通手段は便利、②危険な、③広い、④面白い、⑤騒がしい、⑥衛生管理は良い、⑦生活化、⑧懐かしい、⑨ストレス、⑩混雑不快、⑪営業時間は短い、⑫雰囲気は良い、⑬便利、⑭満足、⑮言葉の問題(日本人のみ)、⑯イメージ通り(日本人のみ)、⑰観光客に勧める(台湾人のみ)

〔夜市満足度の要素〕

顧客満足の構成要素として、郭嘉倫[19]は、次のように分類している。

(1)企業イメージ(間接要素):環境保護活動、社会貢献活動 

(2)サービス(直接要素):アフターサービス、販売員の接客態度、店舗店内の雰囲気

(3)商品(直接要素):商品価値(形、色、品質、機能、価格など)

以上からすると、商品価値だけでなく、店員の接客態度や店の雰囲気なども直接的に満足度に影響し、さらには環境保護活動がどのくらい行われているか、といった企業イメージまでが間接的ではあるが影響を与えるようだ。

ここで、来台旅客消費及び動向調査報告[20]を取り上げ、実際の夜市に対する満足度について考えていく。この調査報告では、海外観光客に対して行われたものである。観光名所の中で最も好きな場所を士林夜市と答えた人に対してその理由を調査した。

3-1-1 士林夜市を好きな理由

理由

人数

理由

人数

賑やかで面白い

96

新鮮

3

屋台料理が美味しい

64

みてまわる所が多い

2

食べ物が美味しい

59

市民の文化である

1

美味しいものが多い

40

とても大きい

1

商品が多い

34

清潔

1

日本にない

15

都市風景が良い

1

食べ物の種類が多い

13

日本の祭りのようだ

1

物が安い

12

人々が親切

1

台湾の文化である

6

CDが安い

1

特別な雰囲気

5

活力がある

1

一方、士林夜市を好きでは無い理由には、人が多い(7人)、良い物が無い(2人)、不衛生、言葉が通じない、店員の態度が良くない、日本人が多い、食べ物が油っぽい(各1人)等の回答が見られる。

この結果から以下の回答が多いことがわかる。

○食べ物について

○商品について

○夜市の雰囲気(賑やかさ)について

この3点は先に取り上げた顧客満足の構成要素の直接要素(サービス・商品)に当てはまる。

これらのことを踏まえ、〔設備〕〔従業員〕〔商品〕〔食べ物〕の4つについて満足度を調べる設問(2)を設計した。

 

設問(2)

〔設備〕①トイレの数、②ゴミ箱の数、③食事用の席の数、④看板は人目をひくか

〔商品〕①種類、②欲しい物、③品質、④価格

〔従業員〕①店員は親切か、②店員は信頼できるか

〔食べ物〕①種類、②食べたい物、③味、④価格

 

〔目的地イメージの形成過程〕

目的地イメージの形成について、Beerli&Martin[21]は構造図を用いているが、この図について文章を要略すると以下のように説明している。

この構造図は、初めての旅行者とリピーターを区別する方法で作られたものであるが構造図を作ることが可能になったのは、

○結果に影響した個々のグループによる認識イメージの間には、ある違いが存在するかもしれない。

○リピーターは最初に訪れる前の情報源を思い出すのに苦労するが、初めての旅行者の場合では、第二の情報源と認識イメージの関係を分析することができる。

○初めての旅行者とリピーターの間には、彼らが以前のその場所を訪問していたかどうかによって、目的地に関する知識レベルと彼らの動機に違いが出るかもしれない。

といった理由からである。

3-1-1 目的地イメージの構造図[21]

 


情報源(Information Sources)

*第二の要因(Secondary)

誘発(Induced)                             目的地知覚イメージ

有機的(Organic)                        Perceived Destination Image)

 自治(Autonomous)              認識イメージ

*主要な要因(Primary)            Cognitive image

 以前の経験(Previous Experience)      

訪問の強度(Intensity of visit)                        全体イメージ

         感情イメージ   (Overall image)

個人要素(Personal Factors)          Affective image)  

*動機(Motivations)            

*渡航の経験(Vacation Experience)

*社会人口統計特性

(Socio-demographic Characteristics)

 


 この構造図から、目的地のイメージ形成には情報源と個人要素が影響する、ということがわかる。情報源は主要な要因と第二の要因に分かれるが、広告、メディアなどによる誘発(Induced)、知人からの情報による有機的なもの(Organic)、ニュースやドキュメンタリーによる自治(Autonomous)といった間接的な情報については第二の要因となる。一方、直接目的地を訪れたことで取得された情報が主要な要因になり、それは以前の訪問経験(Previous Experience)や、滞在場所にどれくらいかかわったかといった訪問の強度(Intensity of visit)というものである。

 個人要素に関しては、性別、年齢、教育程度、家族、ライフサイクル、社会階級、居住の場所といった個人の社会人口統計特性(Socio-demographic Characteristics)、心理学的に見る動機(Motivations)、渡航の経験(Vacation Experience)によって知覚イメージが形成されるようだ。これらの要因によって、ある程度作られている認識イメージに、目的地での実体験による知覚イメージが加わることで、認識イメージは感情イメージを生み出し、それらは全体のイメージを作り上げる、といった構造である。

さらに、イメージの形成概念について陳華如[22]は次のように述べている。

消費者の動機と意欲は解釈(主に知覚と認識の相互関係による)の結果から作られ、認識とは経験した部分であり、そのイメージにはプラスとマイナスを含んでいる。

認識、知覚、感情の評価は全体イメージに直接影響し、事前の(情報)イメージや経験後のイメージに間接的に影響するところにまで至る。また、個人要素は個体の特質もしくは内在要素を含んでおり、それは次第に感情、感覚にまで至り、イメージ過程を形成する。

これらをまとめると、目的地イメージは、個人の動機や事前情報o0;; ;;ppp;/や過去の経験、さらに個人要素によって形成される、ということである。そのことを踏まえて、設問(3)では旅の(夜市での)行動について日台別に、設問(4)では個人の属性について各質問項目を設定した。

 

設問(3) 旅の行動について

〔日本人〕          〔台湾人〕

   来台回数         ①夜市利用頻度

   来台目的         ②夜市利用目的   

   夜市情報の有無      ③ 交通手段

   情報源について      ④ 同行者

   夜市利用目的

 

 設問(4) 個人属性

   性別

   年齢

   家庭状況

   職業

   月収

   住所

 

2.   調査方法

 

 2006825日から910日まで、台北市士林夜市の美食テント入り口広場(写真A)、さらにテント内(写真B)にて、台湾人、日本人観光客にアンケート調査を行った。調査時間は、最も消費者が集まる時間帯、夜7時から10時くらいを目安として行った。調査対象者は限定せず、ランダムに選出した。

 アンケート回収については、台湾人207人、日本人204人、うちデータとして使用できるものは、台湾人200人(有効回収率97%)、日本人202人(99%)、合計402人(98%)となった。アンケート用紙は付録1.(日本人用)2.(台湾人用)を参照。

写真A. 美食テント入り口広場写真                          B. 美食テント内

 

 

3. 分析方法

 

 アンケートで得られたデータを分析するソフトには、エクセルとSPSSを使用した。以下に使用した分析方法を示す。

(1)叙述性統計(エクセル)

日本人、台湾人それぞれの性別や年齢などの個人基本資料や、夜市利用頻度や目的などの旅の行動について、百分率で表示。

(2)平均値・標準偏差(SPSS

日本人・台湾人それぞれの「利用しやすさ」についての平均値・標準偏差。

(3) t検定(SPSS

「利用しやすさ」についての日台比較を行う。また、5.の分散分析と同様、二者間に有意差が見られるかどうかを調べる。

(4)クロス集計(エクセル)

「旅の行動」と「属性」をクロス集計した後グラフ化する。

(5)分散分析(SPSS

①「属性」と「利用しやすさ」の有意差検定。

②「旅の行動」と「利用しやすさ」の有意差検定(有意差の見られる項目のグラフ化)。

 

 

第四章   結果と分析

 

この章では、アンケート調査で得られたデータを集計し、SPSSやエクセルを使って分析した結果を表示する。1.基本資料データの表示、2.利用しやすさの日台比較、3.旅の行動と個人属性の関係、4.個人属性の違いは利用しやすさにも違いが出るのか、5.旅の行動の違いは利用しやすさにも違いが出るのか、ということを見ていく。

 

1.   基本資料データ・・・(1)個人基本資料、(2)旅の行動

夜市に来ている日本人、台湾人の個人基本資料と旅の行動について以下の表にまとめた。

 

(1)個人基本資料

4-1-1 性別          〔日本人〕          〔台湾人〕

性別

 

人数

 

人数

男性

82

40.6

82

41.0

女性

120

59.4

118

59.0

合計

202

100.0

200

100.0

4-1-2 年齢          〔日本人〕          〔台湾人〕

年齢

 

人数

 

人数

18歳未満

0

0.0

7

3.5

18~24

81

40.1

81

40.5

25~34

82

40.6

76

38.0

35~44

18

8.9

12

6.0

45~54

12

5.9

16

8.0

55~64

8

4.0

6

3.0

65歳以上

1

0.5

2

1.0

合計

202

100.0

200

100.0

4-1-3 状況             〔日本人〕          〔台湾人〕

状況

 

人数

 

人数

未婚

156

77.2

154

77.0

既婚、子供なし

25

12.4

21

10.5

既婚、子供あり

21

10.4

25

12.5

合計

202

100.0

200

100.0

4-1-4 職業           〔日本人〕           〔台湾人〕

職業

 

人数

 

人数

公務員

13

6.4

15

7.5

会社員

91

45.0

59

29.5

自営業

2

1.0

8

4.0

学生

67

33.2

73

36.5

自由業

6

3.0

17

8.5

主婦

10

5.0

11

5.5

無職

7

3.5

6

3.0

その他

6

3.0

11

5.5

合計

202

100.0

200

100.0

4-1-5 月収(手取り)     〔日本人〕                 〔台湾人〕

月収(円)

 

人数

 

(元

人数

10万以下

76

37.6

2万以下

97

48.5

10~15万

22

10.9

2~4万

66

33.0

15~30万

72

35.6

4~7万

26

13.0

30~50万

18

8.9

7~10 万

6

3.0

50~80万

4

2.0

10万以上

5

2.5

80万以上

4

2.0

 

 

 

無回答

6

3.0

 

 

 

合計

202

100.0

合計

202

100.0

       1台湾元は約3.5日本円

4-1-6 住所         〔日本人〕                  〔台湾人〕

住所

 

人数

 

住所

人数

 

住所

人数

東京

60

29.7

静岡

4

2.0

台北

157

78.5

大阪

35

17.3

茨城

3

1.5

その他

43

21.5

福岡

19

9.4

奈良

3

1.5

 

神奈川

16

7.9

大分

3

1.5

千葉

7

3.5

石川

2

1.0

兵庫

6

3.0

宮城

2

1.0

京都

6

3.0

新潟

2

1.0

埼玉

6

3.0

台北

2

1.0

愛知

5

2.5

岐阜

1

0.5

広島

5

2.5

群馬

1

0.5

北海道

4

2.0

高知

1

0.5

三重

4

2.0

高雄

1

0.5

沖縄

4

2.0

 

 

 

          
(2)旅の行動

〔日本人〕

4-1-8 来台目的

来台目的

人数

観光

172

85.1

ビジネス

11

5.4

留学

7

3.5

知人に会いに

9

4.5

その他

3

1.5

 

4-1-10 「知っていた」と答えた方は、何によって知りましたか?

事前資料

人数

テレビ

36

17.5

ガイドブック

105

51.0

旅行会社

6

2.9

新聞・雑誌

5

2.4

インターネット

21

10.2

知人

29

14.1

その他

4

1.9

 

 
4-1-7 来台回数             

来台回数

人数

1回

160

79.2

2回

22

10.9

3回

5

2.5

4回

3

1.5

5回以上

12

5.9

 

4-1-9 台湾を訪れる前から夜市の

存在を知っていましたか?

夜市の存在

人数

知っていた

137

67.8

知らなかった

65

32.2

 

4-1-11 夜市を利用する目的(複数回答可)

夜市利用目的

人数

買い物

68

17.6

遊び

85

22.0

暇つぶし

15

3.9

食事

139

36.0

観光名所だから

78

20.2

その他

1

0.3

〔台湾人〕

4-1-13 夜市利用目的(複数可)

利用目的

人数

買い物

128

26.6

遊び

93

19.3

暇つぶし

94

19.5

食事

165

34.2

その他

2

0.4

 

 

 

4-1-15 普段夜市へ一緒に行く人(複数可)

同行者

人数

一人

19

5.3

友達

162

45.5

恋人

70

19.7

家族

74

20.8

同僚

30

8.4

その他

1

0.3

 

 
4-1-12 夜市利用頻度

利用頻度

人数

毎日

8

4.0

4.5回

3

1.5

2.3回

17

8.5

1回

25

12.5

2回

31

15.5

月1回

61

30.5

2,3ヶ月に1回

31

15.5

その他

24

12.0

4-1-14 夜市までの交通手段(複数可)

交通手段

人数

MRT

169

42.6

徒歩

14

3.5

自転車

7

1.8

65

16.4

オートバイ

88

22.2

バス

51

12.8

その他

3

0.8

(3)小結

(1)個人基本資料の表から士林夜市は日台共に男性よりも女性の利用が多く、主となる利用者年齢層は18~34歳の若者である、ということがわかる。よって未婚者の利用が圧倒的に多い。

職業に関しては、調査を行ったのが夏休みということもあってか日本人では会社員が一番多く、次に多いのが学生であった。一方、台湾人は学生が一番多かった。

月収に関して日本人は、10万円以下・15~30万円が多いが、これは学生と会社員の利用が多いことに関係するのではなかろうか。また会社員の中でも10~15万円が少ないことから、働いて何年か経つ会社員や高給料を得ている会社員の像が浮かぶ。台湾人は2万元以下、2~4万元が多かったが、台湾人の平均初任給が3万元前後[23]ということを考えると、こちらも学生と会社員の利用に関係していると推定できる。

 住所に関しては、日本人は東京から来た人が多く、次いで大阪、福岡の順となった。台湾人は台北から来た人が8割とやはり地元の人の利用が多い。

(2)旅の行動について日本人は、台湾に訪れるのが今回初めてという人が多かったが、リピーターの中でも士林夜市を利用する人が結構いることにも注目したい。夜市を事前に知っていたと答えた人は約7割で、その中で半数以上の人がガイドブックによって知ったと答えた。いまや台湾のガイドブックに夜市を取りあげないものはないことから、ガイドブックの影響は大きいと考えられる。夜市を利用する目的については、食事、観光名所だから、遊び、買い物という順であった。買い物よりも観光名所だからと答える人が多かったのが面白い結果であり、利用者が夜市に何を求めているのかを考える手がかりとなる。

台湾人について、利用頻度は人によって様々であるが、月1回以下と答える人が半数を越え、週1回以上が3割に満たないことから、頻繁に士林夜市を利用する人は少ないのであろう。夜市利用目的については、食事と買い物が多かった。夜市までの交通手段はMRT剣潭駅が近くにあることからMRTの利用が多く、台湾人ならではのオートバイの利用も多かった。また、友達と一緒に夜市へ行くと答える人が多かった。

 

2.    利用しやすさの平均値、日台比較

 

 夜市の利用しやすさについて日本人、台湾人それぞれ5段階評価で答えてもらった。

4-2-1では夜市の認識度について、表4-2-2では夜市満足度について以下の結果が出た。また日本人と台湾人の平均値の差に意味があるかどうかt検定を使用し明らかにする。

(1)夜市認識度

4-2-1 夜市認識度の平均値、日台のt検定

 

夜市認識度

 

平均値

標準偏差

 

平均値

標準偏差

 

t 値

有意確率

(両側)

日本人

台湾人

日台比較

1

交通手段は便利

4.12

0.87

4.35

0.66

-2.918

0.004**

2

危険な所

2.63

0.79

2.90

0.86

-3.247

0.001**

3

広い

3.75

0.95

2.75

1.08

9.883

0.000**

4

面白い所

4.27

0.69

3.75

0.81

7.032

0.000**

5

騒がしい

3.72

1.13

3.93

0.84

-2.130

0.034*

6

衛生管理は良い

2.34

0.76

2.47

0.82

-1.624

0.105

7

日本に似た場所がある

/生活化

2.48

1.08

3.76

0.84

-13.207

0.000**

8

懐かしい感じがする

2.97

1.14

3.39

0.94

-4.071

0.000**

9

ストレスが溜まる

2.13

0.89

2.77

1.06

-6.517

0.000**

10

混雑は不快だ

2.67

1.11

3.48

0.98

-7.700

0.000**

11

営業時間は短い

2.30

0.85

2.45

0.82

-1.759

0.079

12

雰囲気は良い

3.90

0.78

3.25

0.92

7.622

0.000**

13

便利だ

3.68

0.84

3.98

0.81

-3.611

0.000**

14

とても満足できる

3.82

0.84

3.58

0.78

2.940

0.003**

15

言葉の問題があった

2.74

1.12

 

 

 

 

16

イメージ通りだった

3.62

0.94

 

 

 

 

15

観光客に勧める

 

 

3.98

0.83

 

 

*p<0.05 ,  **p<0.01

台湾人との平均の差が0.5以上出た項目は「広い」「面白い」「日本に似た場所がある」「ストレス」「混雑は不快」「雰囲気は良い」である。差が出た項目を見ると、日本人は台湾人よりも「ストレス」「混雑は不快」などマイナスイメージの同意度が低く、「雰囲気は良い」「面白い」などプラスイメージの同意度が高いことがわかる。

(2)夜市満足度

4-2-2 夜市満足度の平均値、日台のt検定

 

夜市満足度

 

平均値

標準偏差

 

平均値

標準偏差

 

t 値

有意確率

(両側)

 

〔設備〕

日本人

台湾人

日台比較

1

トイレの数は十分

2.50

0.79

2.15

0.92

4.018

0.000**

2

ごみ箱の数は十分

2.56

0.90

2.48

1.05

0.890

0.374

3

食事用の席の数は十分

3.09

1.03

2.74

1.04

3.471

0.001**

4

看板は人目をひく

3.77

0.82

3.51

0.99

2.894

0.004**

 

〔従業員〕

 

 

 

 

 

 

1

店員は親切

3.54

0.82

3.41

0.88

1.620

0.106

2

店員は信頼できる

3.06

0.69

3.13

0.82

-0.874

0.383

 

〔商品〕

 

 

 

 

 

 

1

商品の種類は豊富

3.79

0.98

4.05

0.84

-2.777

0.006**

2

欲しいものが手に入る

3.12

0.81

3.87

0.89

-8.808

0.000**

3

商品の品質は良い

2.78

0.79

2.94

0.88

-1.894

0.059

4

商品は安い

3.84

0.88

3.36

0.96

5.298

0.000**

 

〔食べ物〕

 

 

 

 

 

 

1

食べ物の種類は豊富

3.84

0.95

4.13

0.76

-3.433

0.001**

2

食べたいものがある

3.82

0.88

4.14

0.71

-3.937

0.000**

3

食べ物は美味しい

3.76

0.82

3.96

0.84

-2.328

0.020**

4

食べ物は安い

3.92

0.89

3.43

1.05

5.046

0.000**

*p<0.05 ,  **p<0.01

(3)小結

4-2-1では日本人の方が台湾人よりも夜市に対するイメージは良いということがわかったが、夜市満足度については意外な結果が出た。日本人は台湾人よりも〔商品〕〔食べ物〕について、価格を除いた項目に対する満足度がどれも低い。ここで間違えてはならないのが、日台で比較をすると値は低いが、それぞれの満足度だけを見ると普通以上のやや満足といったところである、ということだ。しかし日台の比較のみに着目してみると、日本人は〔商品〕や〔食べ物〕といった具体的な満足度が台湾人よりも低いのにもかかわらず、夜市全体のイメージは台湾人よりも良い、ということが言える。

以上の結果から、大きく捉えると観光客にとって夜市は利用しやすいように見えるが、さらに夜市を利用しやすくするには、具体的なモノ(商品・食べ物)について改善していくことが必要なのかもしれない、ということが言えるだろう。

 

3.   「旅の行動」と「属性」のクロス集計

 

(1)日本人

「旅の行動」と「属性」をクロス集計することで、二つの関係について見ていく。以下は日本人の①来台回数、②来台目的、③事前情報の有無、④情報源、⑤夜市利用目的について「属性」との関係をグラフ化したものである。ここで人数が低いもの(本章1を参照)の特異性については傾向として把握し、叙述はしない。

*住所については各県に散らばっていたため、多い順にまとめてある。

グラフ4-3-a2 年齢

 
①来台回数

グラフ4-3-a1 性別                                         

グラフ4-3-a4 職業

 

 

グラフ4-3-a3 状況 

グラフ4-3-a6 住所

 

グラフ4-3-a5 月収(円)

 男性は女性よりも3回以上のリピーターが多い。また、5回以上と答える世代は35歳以上、さらに自営業は半数を占めていることから、リピーターはビジネスでの利用が多いことが予想される。

グラフ4-3-b2 年齢

 
②来台目的

グラフ4-3-b1 性別

グラフ4-3-b4 職業

 

 

 
グラフ4-3-b3 状況

グラフ4-3-b6 住所

 

グラフ4-3-b5 月収(円)

観光以外に注目してみると、男性、中でも35~54歳・65歳以上のビジネス目的の利用が多い。また、自営業のビジネス目的が多いことから来台回数の予想が正しいことがわかる。留学は学生よりも自由業(フリーター)・無職の方が多いことから学校を卒業してから留学している人も多いのだろう。また、知人に会いに来たと答えるのは学生が多かった。

グラフ4-3-c2 年齢

 
③事前情報の有無

グラフ4-3-c1 性別

グラフ4-3-c4 職業

 
グラフ4-3-c3 状況

グラフ4-3-c6 住所

 
グラフ4-3-c5 月収(円)

 夜市を知っていたと答えるのは男性よりも女性の方が多かった。また、年齢では55~64歳、次に25~34歳が多かった。学生や自営業は知っていた人の割合が低く、自由業の割合が高かった。さらに月収については、30万円を超えると月収が高くなるにつれて知っている人の割合は減っていくことがわかる。住所に関しては福岡の割合が高かった。

グラフ4-3-d2 年齢

 
④情報源

グラフ4-3-d1 性別

 

 

グラフ4-3-d4 職業

 

 

 
グラフ4-3-d3 状況

グラフ4-3-d6 住所

 

 

 
グラフ4-3-d5 月収(円)

 男女間では大きな違いは見られなかった。年齢では、新聞・雑誌と答えた人は45歳以上に多く見られた。知人から情報を得たと答えたのは既婚者で子供がいる人の割合が多かった。また、主婦はテレビを情報源としている人が多いことがわかる。月収が高くなるにつれテレビを情報源とする人は減っていき、80万円以上は新聞・雑誌の割合が半数である。

グラフ4-3-e2 年齢

 
⑤夜市利用目的

グラフ4-3-e1 性別

グラフ4-3-e4 職業

 

 

 

グラフ4-3-e3 状況

グラフ4-3-e6 住所

 

 

 
グラフ4-3-e5 月収(円)

 性別・状況・住所では大きな違いは見られなかった。年齢については、観光名所だからと答える人は45~54歳に多く見られた。さらに観光名所だからと答える人は、自営業と自由業、月収が50万円以上の人に多く見られたことから、これらの人々は食事や買い物といった購物に対する目的意識が弱いと考えられる。

 

(2)台湾人

以下は台湾人の①利用頻度、②夜市利用目的、③交通手段、④夜市同行者と「属性」の関係をグラフ化したものである。

グラフ4-3-f2 年齢

 
①利用頻度

グラフ4-3-f1 性別

グラフ4-3-f4 職業

 

 

 
グラフ4-3-f3 状況

グラフ4-3-f6 住所

 
グラフ4-3-f5 月収(元)

 女性よりも男性の方が利用頻度は高く、55~64歳の人の頻度はかなり高い。職業によって頻度にばらつきが見られるが、月1~2回の利用は学生や無職に多いことがわかる。月収については2万元以下の人々の利用は頻繁では無いことがわかる。住所に関してはやはり、台北に住む人の方が頻度は高い。

②夜市利用目的

グラフ4-3-g2 年齢

 
グラフ4-3-g1 性別

グラフ4-3-g4 職業

 
グラフ4-3-g3 状況

グラフ4-3-g6 住所

 

グラフ4-3-g5 月収(元)

グラフ4-3-h2 年齢

 
 性別・年齢・住所による目的の大きな違いは見られなかった。既婚者で子供がいる人は遊びの割合が低く食事での利用が多い。職業については食事を目的とする人は自営業・無職が半数を超えている。

③交通手段

グラフ4-3-h1 性別

グラフ4-3-h4 職業

 

グラフ4-3-h3 状況

グラフ4-3-h6 住所

 

グラフ4-3-h5 月収(元)

 状況・月収については大きな違いが見られなかった。男性のバイク・車の利用が多く、女性はバスの利用が多い。年齢・職業についてはばらつきがあるが特異性は見られず、住所に関しては距離的なものもあり、台北以外に住む人々の方が若干MRTの利用が多い。

グラフ4-3-i2 年齢

 
④夜市同行者

グラフ4-3-i1 性別

グラフ4-3-i4 職業

 
グラフ4-3-i3 状況

グラフ4-3-i6 住所

 
グラフ4-3-i5 月収(元)

 月収・住所については大きな違いが見られなかった。恋人(夫婦)と一緒にと答えるのは女性よりも男性の方が多く、既婚者で子供がいる人が圧倒的に多いことがわかる。一方で45~64歳の人は家族と答える人が多い。

(3)小結

以上のクロス集計の結果をまとめると、日本人については、来台回数が多い人々は男性・35~54歳・自営業に見られること、また来台目的のグラフと傾向が一致することからビジネスを目的で利用する人々である。さらに、夜市の存在を知っている人々は、女性・55~64歳と25~34歳・自由業に多く見られ、年齢・状況・職業・月収によって主とする情報源が異なる。夜市利用目的は、観光名所だからと答える人々は45~54歳・自営業と自由業・月収50万円以上に多く見られた。

 台湾人については、利用頻度は年齢・職業・月収によってばらつきが見られ、週1回以上と頻繁に利用しているのは、55~64歳・公務員に多く見られた。夜市利用目的は食事を目的とする人々は既婚者子供有り・自営業と無職の割合が多かった。交通手段はそれぞればらつきがあるものの属性によって傾向は見られなかった。夜市同行者は家族と答える人々が45~64歳に多く、恋人(夫婦)と答える人々が既婚者子供有りに多いことから、夫婦での利用は幼い子供を持つ若い人々のことであると考えることができる。

 

4.   「属性」と「利用しやすさ」の有意差検定

 

性別や年齢などの個人差によって「利用しやすさ」の評価に差が見られるのか。以下、性別・年齢・状況・職業・月収・住所と「利用しやすさ」のt検定、分散分析を行い、有意差の見られた項目を以下に表示する。また、日台によって「利用しやすさ」が異なることが本章の3で判明したため、日本人・台湾人を分けて考えていく。

 

(1)日本人

①性別

4-4-1 性別と「利用しやすさ」の差異 *p<0.05 ,  **p<0.01

 項目

平均値

 

t値

有意確率

(両側)

男性

女性

夜市は広い

4.00

3.58

3.312

0.001**

ゴミ箱の数は十分

2.40

2.68

-2.173

0.031*

性別と「利用しやすさ」についてt検定を行ったところ、以上の項目に差異が見られた。「夜市は広い」という項目に対し、男性の方が女性より同意度が高いことがわかる。また、「ゴミ箱の数は十分だ」という項目に対しては、女性の方が同意度は高かった。

 

②年齢

4-4-2 年齢と「利用しやすさ」の差異 *p<0.05

項目

F 値

有意確率

Scheffe法

面白い

2.436*

0.049

×

混雑不快

3.038*

0.018

×

満足

2.506*

0.043

×

トイレの数は十分

3.376*

0.011

2>3

食べ物は美味しい

3.278*

0.013

2>6

  年齢と「利用しやすさ」について分散分析を行ったところ、以上の項目に違いが見られた。これらの項目に対して、危険率を下げるために多重比較を行った。Scheffe法(以下の多重比較はScheffe法を意味する)を使用したところ、「トイレの数は十分」と「食べ物は美味しい」の項目に有意差が見られ、その他の項目には見られなかった(×)。

 

 

 

テキスト ボックス: グラフ4-4-2 「食べ物は美味しい」年代別平均グラフ
 
グラフ4-4-1 「トイレの数は十分だ」年代別平均グラフ

以下に各平均値をグラフで多重比較を行った結果、「トイレの数は十分だ」のグラフは、18-24歳と25-34歳の間に有意差が見られた(★)。「食べ物は美味しい」のグラフは、18-24歳と55歳以上の間に有意差が見られた(★)。55歳以上では、「食べ物は美味しい」に対する同意度は他の年齢よりもかなり低いことがわかる。

③状況

4-4-3  状況と「利用しやすさ」の差異 *p<0.05

項目

F 値

有意確率

scheffe

言葉の問題があった

3.553*

0.030

×

状況と「利用しやすさ」について分散分析を行ったところ、「言葉の問題があった」の項目に差異が見られたが、多重比較を行った結果、有意差は見られなかった。

 

職業

4-4-4 職業と「利用しやすさ」の差異 *p<0.05 ,  **p<0.01

項目

F 値

有意確率

scheffe

懐かしい

2.609*

0.019

×

イメージ通り

2.920**

0.009

×

商品の種類は豊富

2.629*

0.018

×

食べ物の種類は豊富

2.493*

0.024

×

職業と「利用しやすさ」について分散分析を行ったところ、以上の項目に違いが見られたが、多重比較を行った結果、これらに有意差は見られなかった。

 

 

 

 

月収

4-4-5 月収と「利用しやすさ」の差異 *p<0.05 ,  **p<0.01

項目

F 値

有意確率

scheffe

面白い

2.470*

0.046

×

食べ物は美味しい

3.548**

0.008

2>5

月収と「利用しやすさ」について分散分析を行った結果、「面白い」「食べ物は美味しい」という項目に差異が見られたが、多重比較を行ったところ「食べ物は美味しい」の項目にのみ有意差が見られた。以下に平均値をグラフで示す。

 

グラフ4-4-3 「食べ物は美味しい」月収(円)別平均グラフ

多重比較を行った結果10-15万円と50万円以上の間に有意差が見られた(★)。また、10-15万円から月収が高くなるにつれ、「食べ物は美味しい」に対する同意度は低くなっていくことがわかる。この結果から夜市は庶民向けであることがわかる。

 

 

 

 

 

⑥住所

4-4-6  住所と「利用しやすさ」の差異 *p<0.05 ,  **p<0.01

 項目

F 値

有意確率

scheffe

日本にも似た場所がある

5.732**

0.000

1>2,  4>2,  5>2

懐かしい

3.498**

0.009

3>2

ゴミ箱の数は十分だ

2.538*

0.041

×

食べ物の種類は豊富

3.208*

0.014

×

住所と「利用しやすさ」について分散分析を行った結果、以上の項目に差異が見られた。これらの項目に対し多重比較を行ったところ「日本にも似た場所がある」と「懐かしい」の項目に有意差が見られ、その他の項目には見られなかった。以下に各平均値をグラフで示す。

 

 

テキスト ボックス: グラフ4-4-5「懐かしい」住所別平均値
 
グラフ4-4-4 「日本にも似た場所がある」住所別平均値

多重比較を行った結果、「日本にも似た場所がある」のグラフでは、大阪に対して東京、関東、その他の間に有意差が見られた(★)。大阪は他県に比べ、同意度が低いということがわかる。「懐かしい」のグラフでは、大阪と福岡の間に有意差が見られた(★)。大阪に関してはグラフ4-4-4の結果と関係して、「懐かしい」に対する同意度は最も低いのだろう。

また、福岡は屋台などが多いことから他の県よりも同意度が高いのではないだろうか。

 

(2)台湾人

日本人と同様、性別・年齢・状況・職業・月収・住所と「利用しやすさ」のt検定、分散分析を行い、有意差の見られた項目を以下に表示する。さらに分散分析で違いが見られた項目に対して、多重比較(Scheffe法)を行い、その項目の各平均値をグラフ化した。

①性別

4-4-7 性別と「利用しやすさ」の差異 *p0.05 , **p0.01

項目

平均値

t値

有意確率

(両側)

男性

女性

営業時間は短い

2.59

2.35

2.037

0.043

  性別と「利用しやすさ」についてt検定を行ったところ、「営業時間は短い」という項目に対してのみ有意差が見られた。しかし実際の値としての差は小さい。

 

 

②年齢

4-4-8 年齢と「利用しやすさ」の差異 *p<0.05 ,  **p<0.01

項目

F 値

有意確率

Scheffe

衛生管理は良い

3.215

0.008**

6>1

懐かしい

3.295

0.007**

5>2

満足

2.585

0.027*

×

観光客に勧める

2.448

0.035*

×

トイレの数は十分

2.347

0.043*

×

食べたいものがある

2.266

0.050*

×

食べ物は美味しい

2.634

0.025*

×

年齢と「利用しやすさ」について分散分析を行った結果、以上の項目に差異が見られた。これらの項目に対し多重比較を行ったところ、「衛生管理は良い」と「懐かしい」の項目に有意差が見られ、その他の項目には見られなかった。以下に各平均値をグラフで示す。

*65歳以上の人数が少なかったため、55歳以上の中にまとめ、危険度を下げた。

 

 

 

 

 

グラフ4-4-5 「衛生管理は良い」年齢別平均値              グラフ4-4-6 「懐かしい」年齢別平均値

 

テキスト ボックス:

多重比較を行った結果、「衛生管理は良い」のグラフでは、18歳未満と55歳以上の間に有意差が見られた(★)。この項目については若者の方が、厳しい評価をしているが、「食べたいものがある」「食べ物は美味しい」の項目については若者の方が高い評価をしている。 「懐かしい」のグラフでは、18-24歳と45-54歳の間に有意差が見られた(★)。

③状況

4-4-9  状況と「利用しやすさ」の差異 *p<0.05 ,  **p<0.01

項目

F 値

有意確率

Scheffe

危険

3.275

0.040*

2>1

懐かしい

4.228

0.016*

3>1

混雑は不快だ

3.665

0.027*

1>3

商品の種類は豊富

5.779

0.004**

1>3

欲しいものがある

5.894

0.003**

1>3

商品は安い

4.017

0.020*

1>3

食べたいものがある

4.364

0.014*

×

状況と「利用しやすさ」について分散分析を行ったところ、以上7項目に違いが見られた。これらの項目に対し多重比較を行ったところ、「危険」「懐かしい」「混雑は不快だ」「商品の種類は豊富」「欲しいものがある」「商品は安い」という項目に有意差が見られることがわかった。以下に各平均値を示す。

 

 

 

 

 

 

グラフ4-4-7 「危険」状況別平均値               グラフ4-4-8 「懐かしい」状況別平均値

グラフ4-4-10 「商品の種類は豊富」状況別平均値

 

 
  

 グラフ4-4-9 「混雑は不快だ」状況別平均値                     

グラフ4-4-12 「商品は安い」状況別平均値

 
 グラフ4-4-11 「欲しいものがある」状況別平均値

 
 

 

 

 

 

 

 

 

多重比較を行った結果、「危険」のグラフだけは未婚と既婚子供なしの間に有意差が見られたものの、その他の項目については未婚と既婚子供ありの間に有意差が見られた(★)。

また、「商品の種類は豊富だ」「欲しい物がある」「商品は安い」と、商品に対する項目が多い。この結果から人々の状況によって商品に対する満足度の違いが主に見られることと、未婚者の方が商品に対する満足度が高い傾向にあることがわかる。

④職業

4-4-10  職業と「利用しやすさ」の差異 *p<0.05 ,  **p<0.01

項目

F 値

有意確率

Scheffe

観光客に勧める

3.431**

0.003

×

ゴミ箱の数は十分

3.036**

0.007

×

食べ物の種類は豊富

3.769**

0.001

3>5

食べたいものがある

2.422*

0.028

×

美味しい

2.178*

0.047

×

職業と「利用しやすさ」について分散分析を行った結果、以上の項目に違いが見られたが、多重比較を行ったところ「食べ物の種類は豊富」という項目のみ有意差が見られた。以下に平均値のグラフを示す。

 *自営業の人数が少なかったため、その他に自営業を入れることで危険度を下げた。

 

 

 

 

 グラフ4-4-13 「食べ物の種類は豊富」の職業別平均値

多重比較の結果、学生と主婦の間に有意差が見られた(★)。

 

⑤月収

4-4-11 月収と「利用しやすさ」の差異 *p<0.05

項目

F 値

有意確率

Scheffe

観光客に勧める

3.234*

0.023

×

トイレの数は十分

3.390*

0.019

×

月収と「利用しやすさ」について分散分析を行ったところ、「観光客に勧める」「トイレの数は十分」という項目に違いが見られたが、多重比較を行った結果これらに有意差は見られなかった。

 

⑥住所

4-4-12 住所と「利用しやすさ」の差異 *p<0.05 ,  **p<0.01

項目

平均値

t値

有意確率

(両側)

台北

その他

騒がしい

3.87

4.16

-2.063

0.040*

欲しいものがある

3.94

3.63

2.036

0.043*

商品は安い

3.44

3.05

2.404

0.017*

住所と「利用しやすさ」ついてt検定を行った結果、以上の項目に有意差が見られた。「騒がしい」の項目に対して、台北以外に住む人々の方が同意度は高い。また、「欲しいものがある」「商品は安い」という満足度については、台北に住む人々の方が高いことから、台北以外に住む人々の方が満足度は低いということがわかる。

 

 

 

(3)小結

以上の有意差検定で有意差が見られた項目をまとめると、日本人については、性別によって差が見られたのは「夜市は広い」「ゴミ箱の数は十分だ」である。また、年齢によって差が見られたのは「トイレの数は十分だ」「食べ物は美味しい」であり、55歳以上の評価が低いことから、夜市は若者向けの食べ物が多いのではないかという推測ができる。さらに、月収によって差が見られたのは「食べ物は美味しい」であり、月収が10~15万円以上になるにつれて同意度が低くなっていることから、夜市の食べ物は庶民向けであるということがわかる。住所によって差が見られたのは「日本にも似た場所がある」「懐かしい」であり、これらに対し大阪の同意度は低く、「懐かしい」では福岡の同意度が高かったことから、住所の地域性によって感じ方が異なるということがわかった。状況と職業によっては大きな有意差が見られなかった。

台湾人については、性別によって差が見られたのは「営業時間は短い」であり、年齢によって差が見られたのは「衛生管理は良い」「懐かしい」であり、衛生管理に対する55歳の同意度は高く、18歳未満の評価は厳しいことから、55歳以上の人たちは昔に比べて夜市が改善していく様子を見ているので、このような結果が出たのではないかと推測できる。

状況によっては「危険」「懐かしい」「混雑は不快」「商品の種類は豊富」「欲しいものがある」「商品は安い」と主に商品に関する項目に有意差が見られ、未婚者の方が既婚者に比べ商品に対する満足度が高いということがわかった。また、職業によって差が見られたのは「食べ物の種類は豊富」であり、学生の同意度が高い一方で主婦の評価は厳しいということがわかった。さらに住所によって差が見られたのは「騒がしい」「欲しいものがある」「商品は安い」であり、台北以外に住む人の方が、台北に住む人よりも満足度が低いという結果が出た。月収については主な有意差は見られなかった。

 

5.    観光客の「旅の行動」と「利用しやすさ」の有意差検定

 

4.では性別や年齢などの個人の属性によって「利用しやすさ」の評価に差が見られたが、ここでは日本人観光客が台湾に来た回数・目的、夜市を利用する目的によって評価に差が見られるのかどうかを明らかにする。また、夜市に関する事前情報の有無、情報源によっても差が見られるのかを4.と同様に有意差検定を用いながら考えていく。

①来台回数

4-5-1 「来台回数」と「利用しやすさ」の差異 *p0.05 , **p0.01

項目

F値

有意確率

Scheffe法

営業時間は短い

3.272*

0.040

1>3

トイレの数は十分

4.475*

0.013

1>2

ゴミ箱の数は十分

3.532*

0.031

1>2

食べたいものがある

4.812**

0.009

2>3

食べ物は美味しい

3.881*

0.022

2>3

「来台回数」と「利用しやすさ」について分散分析を行ったところ、以上5つの項目に差が見られた。さらに多重比較を行ったところ、全ての項目に有意差が見られた。以下に各平均値を示す。

 

 

 

 

 

 

グラフ4-5-1 各「利用しやすさ」の来台回数別平均値

 

分散分析を行ったところ、以上5つの項目に差が見られた。さらに多重比較を行ったところ、全ての項目に有意差が見られた。「食べ物は美味しい」「食べたいものがある」という食べ物に関する満足度に対して、来台回数3回以上のリピーターが低いということがわかる。

 

 

 

 

 

 

②来台目的

アンケートの結果では、台湾に来た目的は人により様々であったが、ここでは圧倒的に回答の多かった「観光(85%)」と「その他の目的(15%)」に分けて考えることにした。

 

4-5-2 「来台目的」と「利用しやすさ」の差異 *p<0.05 ,  **p<0.01

 

項目

平均値

t値

有意確率

(両側)

観光

その他

日本に似た場所がある

2.59

1.87

3.472

0.001**

混雑は不快

2.60

3.07

-2.127

0.035*

トイレの数は十分

2.55

2.17

2.504

0.013*

「来台目的」と「利用しやすさ」についてt検定を行った結果、以上三つの項目に有意差が見られた。「混雑は不快」という項目に対して観光以外の目的で来た人の方が観光目的の人より同意度が高いということがわかる。観光客は、この混雑した状態も夜市の見所の一つとして捉えている感じがする。

 

 

 

 

 

③事前情報の有無

4-5-3 「事前情報の有無」と「利用しやすさ」の差異 *p<0.05 ,  **p<0.01

 

項目

平均値

t値

有意確率(両側)

あり

なし

交通手段は便利

4.22

3.92

2.288

0.023*

騒がしい

3.53

4.11

-3.865

0.000**

衛生管理は良い

2.43

2.15

2.434

0.016*

営業時間は短い

2.18

2.55

-2.887

0.004**

イメージ通り

3.72

3.42

2.192

0.030*

以上5つの項目に有意差が見られたが、事前に夜市を知っていた人の方が満足度はどれも高いことがわかる。「イメージ通り」という項目に対しても同意度が高いことから、事前情報によって夜市のイメージが作られ、その後の実体験によってイメージを覆すことなく鮮明になった、ということが考えられる。

 

 

 

 

 

④情報源

アンケートの結果、情報源の代表的なものとして「ガイドブック(51%)」「テレビ(18%)」「知人(14%)」「インターネット(10%)」が挙げられ、「旅行会社」「新聞・雑誌」「その他」は5%に満たなかった。そこで、情報源である「ガイドブック」「テレビ」「知人」「インターネット」に対してそれぞれt検定を行った結果、「ガイドブック」と「その他の情報源」にのみ有意差が見られた。

4-5-4 「情報源」と「利用しやすさ」の差異 *p0.05 , **p0.01

 

項目

平均値

t値

有意確率(両側)

ガイドブック

その他

交通手段は便利

4.32

3.92

3.331

0.001**

騒がしい

3.54

3.91

-2.315

0.022*

衛生管理は良い

2.50

2.18

3.050

0.003**

食べたいものがある

3.97

3.66

2.526

0.012*

食べ物は美味しい

3.89

3.63

2.251

0.025*

以上の5項目に有意差が見られたが、「交通手段は便利」「騒がしい」「衛生管理は良い」という項目の値は表4-5-3の結果とほぼ等しいことから、ガイドブックの影響は大きいということがわかる。食べ物に関する満足度が高いのは、夜市の美味しい食べ物を紹介するガイドブックが多いからだろう。調査中、ガイドブックを片手にお店を探している日本人の姿がたくさん見られた。

 

⑤夜市利用目的

夜市を利用する目的は様々であったが、ここでは「購物目的」と「その他の目的」で評価に差が見られるのかを見ていく。ここで言う「購物目的」とは、「買い物」「食事」を意味する。

4-5-5 「夜市利用目的」と「利用しやすさ」の差異 *p<0.05 ,  **p<0.01

 

項目

平均値

t値

有意確率

(両側)

購物目的

その他

面白い

4.34

4.06

2.487

0.014*

衛生管理は良い

2.41

2.14

2.109

0.036*

懐かしい

3.08

2.61

2.517

0.013*

雰囲気は良い

3.99

3.61

2.547

0.013*

便利

3.80

3.33

2.925

0.005**

満足

3.93

3.45

3.183

0.002**

商品の品質は良い

2.86

2.55

2.356

0.019*

食べたい物がある

3.94

3.45

3.502

0.001**

食べ物は美味しい

3.89

3.37

4.050

0.000**

食べ物は安い

4.08

3.41

4.546

0.000**

以上10項目に有意差が見られたが、食べ物に関する項目に3つも有意差が見られたのが特徴だ。また、全ての項目に対して、「購物目的」と答えた人の方が利用しやすさ・満足度は高い。「その他」には「遊び」「暇つぶし」「観光名所だから」という目的が含まれているのだが、「買い物」や「食事」という購物目的よりも目的意欲が弱いのだろう。この結果から実体験に直接関係する目的を持って体験をした場合とそうでない場合では評価に差が出るということが言えるだろう。

 

 

 

 

 

 

〔小結〕

以上の結果をまとめると、それぞれの「旅の行動」によって「利用しやすさ」の評価に差が出るということが言える。来台回数によって有意差が見られた項目は「営業時間は短い」「トイレの数は十分」「ゴミ箱の数は十分」「食べたい物がある」「食べ物は美味しい」であり、食べ物に関する満足度に対してはリピーターの方が低いということがわかった。また、来台目的によって有意差が見られた項目は「日本に似た場所がある」「混雑は不快」「トイレの数は十分」であり、観光目的の人々は「混雑は不快」に対する同意度が低いことから雰囲気を楽しみに来ている様子が窺える。夜市に対する事前情報の有無によって差が見られた項目は「交通手段は便利」「騒がしい」「衛生管理は良い」「営業時間は短い」「イメージ通り」であり、事前情報を得ていた人の方が満足度は高いという結果が出た。また、情報源(ガイドブックとその他)によって差が見られた項目と結果がほぼ一致し、ガイドブックの影響が大きいということがわかった。さらに「食べたい物がある」「食べ物は美味しい」の項目に差が見られ、これらもガイドブックを見ていた人の方が満足度は高かった。夜市利用目的によっては「面白い」「衛生管理は良い」「懐かしい」「雰囲気は良い」「便利」「満足」「商品の品質は良い」「食べたいものがある」「食べ物は美味しい」「食べ物は安い」と多くの項目に有意差が見られ、買い物や食事といった購物目的を持った人々の方が評価や満足度が高いという結果が出た。本章のまとめは次の第五章1.結論で記述する。

 

 

第五章        まとめ

 

 この章では前章の結果から導き出された考察を結論としてまとめていき、夜市とは観光客にとってどういうものなのかを明らかにする。また、夜市が観光客にとってもさらに利用しやすくなるには、どの部分を改善したら良いのかを考える。

 

1.     結論

 

(1)夜市の認識や満足度は日台によって異なる 

第四章2.の結果より、日本人と台湾人ではほとんどの項目に有意差が見られた。このことから夜市に対する認識は日台によって異なる、ということが言える。また逆の視点で見ると、有意差が見られなかった「衛生管理は良い」「営業時間は短い」「ごみ箱の数は十分だ」「店員は親切」「店員は信頼できる」「商品の品質は良い」の項目について、両者は同じ認識を持っている、と言えるだろう。

 

(2)消費者の個人属性は夜市の認識や満足度に影響を与える

第四章4.の結果から、日本人は性別・年齢・月収・住所によって、また台湾人は性別・年齢・状況・職業・住所によって、夜市の認識や満足度に差が出ることがわかった。

 

(3)夜市の認識や満足度は観光客の来台回数、来台目的によって異なる

第四章5.の結果から、来台回数の異なる消費者では、主に設備と食べ物の項目について差が見られた。また来台目的の異なる消費者では、観光目的とその他の目的で夜市のイメージと設備について差が見られた。

 

(4)観光客の夜市に関する事前情報は、夜市の認識や満足度に影響を与える

第四章5.の結果から、事前情報がある人とない人では夜市のイメージに差が出た。さらにガイドブックとその他の情報源では夜市の認識や満足度に差が見られ、前者は後者よりも満足度が高いという結果から、夜市イメージの形成にガイドブックによる影響は大きいということが言える。

 

(5)夜市の認識や満足度は夜市の利用目的によって異なる。

第四章5の結果から、目的を「食事」「買い物」とする「購物目的」とその他の目的では、夜市に対する認識に差が見られた。また、10項目に差異が見られたが、購物目的の人々の方が全ての項目に対し、夜市の認識イメージは良く満足度も高いという結果も得られた。

 

2. 観光客にとって夜市の魅力とは

 

前章でわかったことをまとめると、夜市の利用者は男性よりも女性の方が多く、利用者中心層は18~34歳、学生と会社員である。

夜市を利用する日本人は、観光で台湾に来た人が圧倒的に多く、約7割の人が訪問前から夜市の存在を知っておりガイドブックによる影響が大きいようだ。また、夜市を利用する目的は台湾人よりも購物意欲(買い物)が低く、食事や遊び、観光名所だからという理由が多かった。

 日本人は夜市の雰囲気など、夜市の認識イメージは台湾人よりも良いが、商品や食べ物などの具体的なモノに対する満足度が台湾人よりも低いということがわかった。このことは商品や食べ物に対する満足度によって、「雰囲気は良い」「とても満足できる」などの夜市の認識には影響しない、ということが言えるだろう。すなわち夜市の認識は、具体的なモノに左右されることなく、人々の熱気や、混雑した様子、賑わっている雰囲気などから生まれる、ということだ。

このことに加え、夜市利用目的に購物意欲が低いことから、観光客にとって夜市の魅力とは全体の雰囲気にある、ということが言えるだろう。

夜市の認識(平均値)において、「面白い所(4.27)」「混雑は不快だ(2.67)」「雰囲気は良い(3.90)」「とても満足できる(3.82)」というプラスイメージの評価が高く、マイナスイメージの評価が低いことからも証明できる。また、「混雑は不快だ」の項目については、台湾人は平均よりも「不快」に近い値(3.48)であるのに対し、日本人は「不快でない」に近い値ということから、混雑も夜市の魅力の一つと言うことができるだろう。

 さらに「日本に似た場所がある(2.48)」という項目についても値が低いことも夜市の魅力に関係していると思われる。

以上のことをまとめると観光客にとって夜市の魅力とは

○人々の熱気や、混雑した様子などの夜市全体の雰囲気である

○日本では味わえない独特の場所である

ということが言えるだろう。

 

3. さらなる夜市の発展に向けて

 

最後に、夜市がさらに利用しやすくなるように夜市の改善点について考えていきたい。夜市のイメージ評価・満足度が低かった項目を挙げると

○トイレの数は十分だ

○ゴミ箱の数は十分だ

○商品の品質は良い

○衛生管理は良い

以上4項目は日本人だけでなく、台湾人も普通の値(5段階評価で3)よりも低かった。

ここで、夜市の改善点について何人かの日本人に話してもらったものを年齢順に示す。

 

わたしが感じたことは、トイレの数が非常に少ないということですかね。基本的にトイレがあるのはスタバや吉野家くらいなのでトイレ探しに苦労します。もっとトイレの数を増やしてくれれば、もっともっと夜市の美味しいものが食べられるのに、と思っています。(20代、大学生、女性)

 

今の夜市がそのまま特色ではないかと思います。ただ、ゴミについて困る事は多いです。屋台がはけた後の道のゴミは凄いです。あと、人が多い為食べ歩きが難しい時もあります。人が多いのは賑わいがあって良い事だとは思うのですけどね。(20代、会社員、女性)

 

食品衛生もトイレ設備も改善の余地は確かにあります。でも個人的に改善すればいいなあと思うのは歩きやすさではないでしょうか。饒河街や華西街など整備された観光夜市以外では、道が狭い上に各店舗が小さくて、その前に立ち止まると、後ろから歩いて来た人達に押され、流されそうになります。(30代、主婦、女性)

 

衛生状態をもう少し改善してほしいです。例えば高温多湿の気候の中での原材料の扱いとか洗ってない野菜を使うとか、野良犬など。あと古い油を使い続ける揚げ物売りの屋台っていうのもたまにありますね。(30代、会社員、女性、台湾在住)

 

トイレが少ない、紙がなく汚い。バイクが多くて危ない(子連れで行って軽くケガさせられました)。座って食べる用のテーブルが拭いてない。夜市のある道路が凸凹だったりして日によっては水溜まりがあちこちに出来ていて歩きにくい。路上ゴミ箱が少ない。オムツが換えられる場所は付近に一ヶ所もなかった。夜市は衛生面があまり気にならないタイプの若者が行くには問題は無いようですが、子連れや神経質な年増が行く場所ではないようです。(30代、主婦、女性)

 

もう少し夜市の範囲やお店の位置などの案内を充実させることとトイレの問題を改善する事でしょうか。40代、台湾駐在員、男性)

 

一方で、現状維持を望む声も見られた。

 

基本的には、現状維持がいいと思います。食もよし、値段も良い。敢えて一つ挙げるとしても、最低限の衛生面での気配りがあれば今のままでいいと思います。(20代、大学生、男性)

 

夜市はこのままでいいと思っています。確かに衛生面では感心しませんが、あまり小綺麗になってしまっては、雑多な雰囲気が損なわれ、観光スポットとしての魅力を失ってしまいそうだからです。(20代、大学生、男性)

 

私の意見とすれば、あのままが良いと思います。雑踏の中で、食べ歩くのが夜市の良いところだと。テイクアウトでただのビニールに麺を入れられたり、ガタガタの金属丸椅子に座って食べたり異国情緒って奴ですよね。(40代、自営業、男性)

 

このように改善してほしいという声と観光客用に改善されてしまったら本来の夜市らしさを失うので現状維持を望む、という声と様々な意見が見られたが、女性は男性に比べて衛生面を気にする人が多かった。アンケートの結果に加えて以上のことを踏まえながら、さらに観光客および台湾人が夜市を利用しやすくなるにはどうしたらよいのかを提示する。

(1)トイレの設置数を増やす

(2)トイレ設備・衛生面の改善

(3)ごみ箱の数を増やす

(4)商品の品質改善

(5)食べ物の衛生管理と衛生環境の改善

(6)歩道の拡大

(7)狭い道路における露店の設置場所の工夫

(8)店舗の位置案内などの充実

(9)歩道近辺における車の進入禁止など交通整理の改善

しかし(4)(8)を改善することで、観光客にとって利用しやすくなるかもしれないが、観光客用に作られた夜市として人々の目に映る危険性もあり、夜市の魅力が一部損なわれるかもしれない。また(6)(9)は工事などの大きな作業が必要なため、すぐには実現困難だろう。

よって実現可能なものは(1)(2)(3)(5)(7)であろう。この点を改善することは、今までの夜市の魅力を失うことなく夜市の発展につながると思う。今後、夜市が完全に観光化されるのでは無く、地元の人々の利用も従来通り盛んで、観光客にとってさらに利用しやすくなるように発展することを望んでいる。

 

謝辞

 

本論文を作成するにあたり、数々のご指導・ご助言をいただいた指導教員の真柳誠先生に感謝申し上げる。統計について教えていただいた本学部の宮崎章夫先生、アンケート作成時に中国語のアドバイスをいただいた台湾国立政治大学の林宏明先生にも感謝申し上げる。アンケート調査開始時に協力をしていただいた台湾国立政治大学の陳氏、元茨城大学留学生の頼怡伶氏にお礼申し上げる。夜市に関する資料や情報をいただいた国家図書館(台北)日韓文閲覧室担当の林安琪氏、観光に関する資料を提供していただいた台湾観光協会の皆様にも謝意を表する。最後に、調査の場所を提供してくだされた士林夜市の屋台経営者の皆様、調査に協力していただいた日本人観光客・台湾人の皆様にもお礼申し上げる。

 

引用文献と注

 

[1]王旭煌、「台北市消費者逛夜市動機与購買行為之研究」、国立中正大学企業管理研究所碩士論文、1995

[2]顔家芝・林子傑・盧遠平・邱怡傑・李志仁、「夜市消費行為之比較与探討―以景美、士林、華西街三夜市為例」、『造園学報』5(2)39頁~56頁、199812

[3]顔家芝、「由環境体験的角度探討夜市特質与其影響因素」、『戸外遊憩研究』15(4)1頁~25頁、200212

[4]蔡長清・張雪玲・黄淑貞、「国内外遊客対観光夜市之環境因素重要性認知及満意度之研究―以高雄市六合観光夜市為例、『高雄応用科大学学報』191頁~212頁、200212

[5]郭維倫、「攤販夜市空間属性対使用者消費時間之影響研究―以台湾台中市逢甲商圏分華夜市与日本九州福岡市西新商店街為例」、逢甲大学建築及都市計画碩士論文、20031

[6]郭嘉倫、「士林夜市 経営管理之研究」、『中国地方自治』32頁~56頁、20034

[7]郭嘉倫、「士林夜市顧客満足度分析―以中国文化大学学生消費行為為例」、中国文化大学市政環境規画学系碩士論文2004

[8]江俊輝、「美日籍遊客対夜市新奇追求与市場区画之研究」、中国文化大学観光事業研究所碩士論文、2004

[9]張立綦、「探討台北市攤販飲食文化及其座椅造型功能之研究」、国立台北科技大学創新設設計研究所碩士論文、20056

[10]陳華如、「夜市属性対環境知覚之影響 ―以士林・臨江街・師大夜市為例」、世新大学観光学系碩士学位論文、20057

[11]詹月雲等、「観光夜市発展之課題与対策探討―以高雄六合観光夜市為例」、『土地問題研究季刊』、200212月、64頁~66

[12] 交通部観光局、『中華民国94年 来台旅客消費及動向調査報告 2005 Annual Survey Report on Visitors Expenditure and Trends in Taiwan』、20067月、65

[13]林恵華、「公私協力機制運用於都市更新政策之研究:士林夜市之個案模擬」、国立政治大学公共行政学系碩士論文、20027月、67頁~68

[14] 顔家芝、「由環境体験的角度探討夜市特質与其影響因素」、『戸外遊憩研究』15(4)

200212月、6頁~7

[15]るるぶ、『ポケットガイド台湾』、20061月、東京、43頁、69

[16] 交通部観光局、『中華民国94年 来台旅客消費及動向調査報告 2005 Annual Survey Report on Visitors Expenditure and Trends in Taiwan』、20067月、66

[17] 陳華如、「夜市属性対環境知覚之影響 ―以士林・臨江街・師大夜市為例」、世新大学観光学系碩士学位論文、20057月、38頁~47

[18] 顔家芝、「由環境体験的角度探討夜市特質与其影響因素」、『戸外遊憩研究』15(4)1頁~25頁、200212

[19] 郭嘉倫、「士林夜市顧客満足度分析―以中国文化大学学生消費行為為例」、中国文化大学市政環境規画学系碩士論文2004年、28

[20] 交通部観光局、『中華民国94年 来台旅客消費及動向調査報告 2005 Annual Survey Report on Visitors Expenditure and Trends in Taiwan』、20067月、139頁~140頁、167頁~168

[21]Beerli, & Martίn、「Factors Influencing Destination Image」、『Annals of Tourism Research31 (3)2004年、660頁~664

[22] 陳華如、「夜市属性対環境知覚之影響 ―以士林・臨江街・師大夜市為例」、世新大学観光学系碩士学位論文、20057月、22頁~24

[23] 中華週報社、「経済日報」、『台北週報』2057号、20026月、http://www.roc-taiwan.or.jp/news/week/2057/113.htmlによる)

 

参考文献

 

1. 楊嵐鈞、「<夜市>文化地景之地域性研究」、国立台北科技大学建築与都市計画研究所、2003

2. 卞鳳奎、「夜市漫談」、『台北文献直字』第148期、257頁~274頁、20046

3. 森靖雄、『やさしい調査のコツ』、大月書店、20053月、東京

4. 小塩真司、『SPSSAmos による心理・調査データ解析―因子分析・共分散構造分析まで』、東京図書、200512月、東京

5. 岩淵千明、『あなたもできるデータの処理と解析』、福村出版、20063月、東京

6. 『トラベルストーリー13 台北』昭文社、20049月、東京

7. 伊藤一等、「一対比較法を用いた観光客の期待度に関する調査と分析―台湾人観光客の

事例―」、『日本経営工学会論文誌』274頁~282頁、2004

8. 伊藤哲司・能智正博・田中共子、「動きながら識る、関わりながら考える」、ナカニシ出版、20053月、東京

9. 王麗君、「台湾の屋台事情」、『家政経済学論叢』2995頁~114頁、1993

10. 江旭本、「台湾人は失業・倒産しても屋台を引いて上を向いて頑張っている」、『Sapio14(3)103~105頁、20022

11. 柯嘉馬、「夜市に脈打つ小吃文化」、『月間しにか』13(13)56頁~59頁、200212