←戻る陝西省耀県孫原村郊外の薬王山
耀県孫原村は西安郊外74kmのところにあり、2001年10月に西安で開催された「第二回国際孫思{(込−入)+貌}与道教医学及第三回国際医学史学術会議」の一環で20日に参観してきた。村内には薬王碑苑・薬王祠・薬王墓・薬王苦読遺跡・薬王生誕地遺跡・薬王孫思{(込−入)+貌}薬用植物園・薬王広場など多数の関連施設があるが、いずれも清代以降のものだった。 一方、より古いのは左写真の村郊外にある薬王山で、かつては五つの山頂から五台山とも呼ばれていたように思う。孫思{(込−入)+貌}関連の石碑は宋代以降からあり、元代の壁画も状態は悪いが保存されていた。左写真の道観にも関連物が多く、売り物は石碑に刻まれた孫真人『海上仙方』だった。が、これは後世に思{(込−入)+貌}の名に託したに過ぎない。本来は宋の温大明(隠居)『助道方』らしく、それが『温隠居海上仙方』となり、明代に孫真人『海上仙方』となったのだろう。
上写真の像も道観にあったもので、左から順に華佗・張仲景・陶弘景・葛洪と記されていた。これも今はそう認識しているだけで、どこまで信憑性があるかは相当に怪しく、もとより像の顔貌や服装に根拠などあろうはずもない。制作は明代まで遡ることはまずなく、およそ清代中期以降のように感じた。