図3 採輯本『五蔵論』封面(小島尚真・森立之旧蔵、京都大学附属図書館蔵) 図4 採輯本『五蔵論』第7葉(同前)
図3は喜多村直寛(学訓堂)が所有の木活字(聚珍版)で一八五一年に序刊した採輯本『五蔵論』の封面で、彼は翌年より『医方類聚』も木活字で復刊し始めている。図4の
四行目以降に「薬名之部所出。医王黄帝、造針経暦有千余巻。薬姓名/品、若匪神仙、何能備著。…」とあるように、S.5614『張仲景五蔵論』冒頭とかな
り似る。なお当書の多紀元胤跋(一八二〇)は弟の元堅が採輯した(一八〇九)と記し、これを『崇文総目』著録の「耆婆五蔵論一巻」かと疑っていた。