この日は土曜日。奎章閣は閉館だし、特に忙しい用事などない。だから前の晩は部屋でしこたま韓国焼酎を飲みながら、耳慣らしにテレビ時代劇を見ていた。朝ゆっくりと起き、ゲストハウスの全自動洗濯機で一週間の下着やズボンなどを洗い、午後は街の様子を見に出てみた。
あいにくの雨天で長く外にいるのはいやになり、近場にすることにした。まず下界の地下鉄Nak Seon Dea(落星岱)駅まで下り、そこから露店の多い裏道を通って隣のソウル大駅まで歩いてみた。かなり空腹で、B級グルメの私の口に合う店ないかと歩いた。しかし店に書いてあるハングルは判読不能だし、窓などが磨りガラスの店が多く、中の様子がよく分からない。ソウル大駅を過ぎたラブホテル街の一角で、うどん風の写真を出している店があった。ちょうど若いアベックが入って行く。これなら大丈夫だろうと、入ってみた。韓国には日本の「うどん」そっくりのがある、とネットで知っていたせいもある。
店内の壁にあるメニュー写真も3種しかなく、ためらわず「うどん」の写真を指さし、give me this oneなどと注文した。見ているとアベックには大きなドンブリで出てきて、それを二人で小鉢に取って食べている。これが出てきたら食べきるのは無理かなー、などと心配したが問題なかった。下写真のように一人前のドンブリで、日本の大盛りの量だが、ちょうど私には適量だった。
どうも大衆食堂には食べ放題のキムチがあるのが普通らしく、下写真の黒い壺がそれ。右後の冷やした水を飲むのが左手前のステンレスコップ。これと同型のは大学の食堂でも使っており、熱いお茶(お焦げ茶?麦茶の一種?)もこれで飲むが、指が熱くなるので学生達は水を混ぜて飲んでおり、私もそうしたら問題なかった。ドンブリ右の小皿二つはキムチを取るのと、アサリの殻を入れる皿だろう。右端のステンレス容器には唐辛子・ネギ・ゴマ入り(たぶん)醤油味タレが入っており、お好みでうどんに入れる。