2002年8月17日夕食 ウンシュルト氏宅の家庭料理
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 昨日お誘いした夕食にPaul U. Unschuld教授の奥さんUlrikeさんが都合で来られなかったためか、この日はウンシュルト家の夕食に鄭氏と招かれた。ここはミュンヘン大医学史研究所から車で数十分、地下鉄で3駅の閑静な住宅街の一角にある。さすがに薬草に詳しいお二人だけに、庭は様々な花と果樹にあふれ、明るいうちは家を包むツタの中からミツバチの羽音が鳴り響いていた。その一角にテーブルをすえ、典型的家庭料理というUlrikeさん手作りの夕食をいただいた。しかし、冷涼な気候のせいか蚊がまるでいないのには驚いた。

 上写真は左からUlrikeさん、鄭金生さん、私、長男のGersonさん、そしてPaulさん。この写真はPaulさんの右に座っていた次女のMagdaleneさんが撮ってくれたので、残念ながら彼女は写っていない。高三でもうすぐ受験というMagdaleneさんが、時計修理店でバイトを始めた新鮮な経験をPaulさんに楽しそうに説明したり、ちょうど医師として勤務したばかりで初給料の喜びを両親に語るGersonさんの様子は、とても羨ましい。わが娘たちもそうした年齢になれば、このように話してくれると嬉しいのだが、とつい思ってしまった。
 さて当日の料理は、主菜・副菜にご飯といういたってシンプルなもの。上写真左はごく普通のローストチキンだが、皮の油がよく抜けており、適度の塩加減とレモンの酸味、パセリの香りが相まって美味しかった。上写真右は左の皿とペアの器に入ったインゲン豆の煮物、その左はタイ米のご飯。インゲン豆は豚の粗挽とタマネギのみじん切りを加えて薄い塩味で煮てあり、これら三種を各自の皿にUlrikeさんが盛ってくれた。皿と器の模様・色は初めて見るタイプで、庭の緑によくマッチしている。味が薄かったらとUlrikeさんがキッコーマン醤油を出してきたのは少し驚いたが、これが好きとMagdaleneさんがご飯に醤油をかけて食べるのも面白かった。それにバターを加えるのが私の妻の好みと話すと、この組み合わせは意外だとUlrikeさんが逆に驚いていた。
 デザートは、割って種を除いたプラムを固めの生地にのせオーブンで焼いたケーキ。プラム一個分が二口で食べられる1ピースとすると、それが50はある大きなもの。私は一つで遠慮したが、皆は三つ四つとよく食べていた。一方、昨晩は私一人でワイン一本を空けたため、Paulさんは私が鯨飲することに気づいたらしい。それでこの夕食ではビールに始まり、ワイン・ウイスキーを次々と出してくれたが、昨晩の大酒がたたって少ししか飲めず、いささか恐縮だった。