Time to benefit
このTime to benefitという概念は、少なくともロシア人男性にとっては決して新しくない。心血管イベントのアウトカム試験でロシア人が排除されている理由は、政治的な問題ではない。ましてやウクライナ紛争ではない。もっと切実な組み入れ基準の問題だ。→週末が終末

JAMA Intern Med誌から 高齢者の厳格降圧、利益ありは余命3年以上 降圧療法の臨床利益が表れるまでの時間(TTB;time to benefit)を推定(大西 淳子 日経メディカル 2022/06/02 より抜粋)
 英国Liverpool大学のTao Chen氏らは、厳格な目標域の降圧治療を実施した臨床試験のデータを利用して、60歳以上の高血圧患者に対する降圧治療で主要心血管イベントの絶対リスク減少が意義あるレベルになるまでに要する期間を推定し、余命が3年を超える高齢者では有意義だが、1年未満の場合は降圧治療は適切ではないと報告した。
これらの結果から著者らは、60歳以上の高血圧患者に対する厳格な降圧治療は、余命が3年を超える高齢者に適しており、余命が1年未満の患者に実施した場合には、害のみが生じる可能性が高いと結論している。
Time to Clinical Benefit of Intensive Blood Pressure Lowering in Patients 60 Years and Older With Hypertension. A Secondary Analysis of Randomized Clinical Trials.


二条河原へ
表紙へ