「処方裁量権」が死語になる日

医者をバカにするななんて言う奴に限って,自分がバカにされていることもわからない.そういう奴に限って「処方裁量権」とか言いやがる.

「処方裁量権」ってのは,「俺が受け持っている患者のことは俺が責任を持つんだからつべこべ言うな.エビデンスなんか糞食らえ」ってことだ.ポリファーマシー(多剤処方),効能効果・用法用量の適応外使用は,全てこのコンセプトの下で行われる.

「責任を持つ」というのは,もちろん真っ赤な嘘だ.キノホルム,血友病HIV/AIDS問題,イレッサ,そしてディオバン.

マスメディア、薬害オンブズパーソン,検察官,裁判官・・・そういった正義の味方達が「真相究明」・「責任追求」大作戦を展開する時,お医者さん達はいつも蜘蛛の子を散らすように敵前逃亡した。そしてこっそり舞い戻った後は,何食わぬ顔をして診療を続けてきた.

マスメディアも,彼等を「バカなマスコミ」と軽蔑するお医者さん達も,自分の都合の悪い事柄だけをきれいさっぱり忘れる超選択的認知症の使い手という点ではうり二つだ.そんなことだから市民からバカにされるのは当然だ.

そんなごく一部の恥知らずなお医者さんが抱えて手放そうとしない「処方裁量権」も,目の玉が飛び出るような値段の薬が続出するにつれて,無力化されつつある.→回復・維持期での医師の処方裁量 「あり」が多数も1割弱が「ほぼなし」 医師調査(ミクス Online 2011/08/23).1錠8万円のハーボニーが発売される(2015年8月)4年前もから,こういう状態にあったのだ.

いくら抱えて手放そうとしなくても,その処方裁量権とやらを無力化する手段はいくらでもある.太平洋の対岸が先行しているが,何かにつけて対米追従が好きなお国柄だから,直ぐ様追いつくだろう.→アメリカ発:処方への影響力を失った医師と4割減のMR

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