ワクチン不要論

「患者よがんと戦うな」の著者をを野放しにしている日本の医療界を私が健全だと思うのは下記の理由からだ。

こ いつから医師免許を取り上げる?それが何の役に立つというのだろうか?こいつから医師免許を取り上げたって、こいつの口を塞ぐことはできない。何しろ彼の やっていることは医療ではなく、新興宗教の布教に他ならないのだから。こいつから医師免許を取り上げたって、たとえ刑務所にぶち込んだって、迫害された殉 教者気取りする口実を与えるだけだ。

それに、この種の教祖様は、必ずしも医師免許を持っているとは限らない。いや、むしろ医師免許を持っ ていない奴の方が多い。たとえば、毎日新聞は、大野病院事件の判決も、イレッサの判決も不当だとする立場を全く悔い改めていない。それどころか、バルサル タン問題のような剽窃ネタで賞を取ったと鼻高々だ。こんなイカサマジャーナリスト集団に比べたら、近藤誠なんて可愛いもんだ。

近藤誠や毎日新聞のようなデマゴーグがお天道様の下を歩けるのは、市民がそいつらを支持しているからだ。少なくともこの種の教祖様達に関して、問われているのはプロフェッショナルのリテラシーではなく、市民側 のリテラシーである。それに対してプロフェッショナル側がどう歯ぎしりしようとも、そしてたとえ、こいつから医師免許を取り上げようと、刑務所にぶち込も うと、どんなに父権主義的な介入をしようと、市民側のリテラシーが変わらなければ、太平洋のどちら側であろうと、このようなデマゴーグが跳梁跋扈する余地はいつまでも残る。

医 療にすがるのか、たかるのか、それとも一切の医療を拒否して自らの信仰に殉ずるのか、それこそ市民側のリテラシーの問題である。わざわざ自分の方からすが るほど、医療は頼りがいのあるものではない。そう市民側が見切っているとしたら、それはそれで大した見識ではないか。もっともそれだけの見識が医療に対し てあるのならば、その懐疑主義の1/100でも検察や裁判所に向けてくれたら、中世裁判はとっくの昔になくなっていただろうに。

キーワード:懐疑主義 父権主義 権威主義、リテラシー、ゼロリスク探求症候群、Medical quackery
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【アメリカ】ワクチン不要論の医師を当局が調査、はしか流行で 米 CNN 2015.02.06

ワクチン不要論を説いていた医師が州当局の調査対象に
 米国各地ではしかが流行しているなか、予防接種不要論を説いていた医師が、州医事当局の調査対象になっている。ジャック・ウルフソン医師はこれまで、予防接種は自然に反しており、子どもたちには感染症にかかる「権利がある」と説いていた。
  しばしば予防接種不要論の「顔」としてテレビにも登場していたウルフソン医師だが、今週に入り突然、沈黙するようになった。直接の取材にもノーコメント だ。理由の1つとして考えられるのが、アリゾナ州医事当局が同医師に対する調査を開始したことだ。今回はしかに感染したのは、主にワクチン未接種の子ども たちだ。つまり流行の中心には、ウルフソン医師らの予防接種不要論に従った親たちの存在がある。また一部の医師らからは、同医師の医師免許を取り消すべき だとの声も上がっている。
 アリゾナ州医事当局は2件の通報を受け、調査中であることは認めたが、通報の内容については明らかにしていない。
 ワクチンが導入される前、米国では年に最大で400万人がはしかにかかっていた。死者は年500人にも達し、聴力低下など深刻な後遺症に悩む人も多かった。
  だがウルフソン医師は体内に化学物質を入れることに反対だとの立場から、ワクチン接種を否定していた。はしかは「良性」の病気だと主張し、「悪いことは誰 にでも起こりうる。自動車事故に遭うかもしれないし、トースターが火事を起こすこともある」と、はしかで死ぬ人は運が悪かっただけだと言ってのけた。
 ウルフソン医師の免許取り消しを求めている開業医のピーター・リプトン医師はこう語る。
 「医師である以上、人々に危害を加えないのが当然だと考えられているのに、こうした医師たちは害を生み出している。すでに一掃されているはずの感染症を広げよと説いているのだから」
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