個人情報保護とやら

学生時代の教育が重要であり、卒後の教育は困難ということでしょう。こんな古典的な問題について、今頃になって、「初会合」とは、恐れ入ります。個人情報保護とは、「利益相反まみれ」という病状を公開されたくないという意味なんでしょうね。

講演料を非公開にしろと文句を言うお医者さん達って、自分達の非常識な特権意識を露出しても平気でいられるんですね。公開されるのが嫌だったら金を返せばいいだけじゃないですか。なのに金は返さない。名前も出すななんて、そんな幼稚園児顔負けの戯言が世間で通用するとでも思っているのでしょうか。

公的資金はもちろん、民間の財団から研究費をもらっても、その額は公開されます。当然、何にいくら使ったかを報告する義務があります。さらに、論文にして発表することが奨励され、それができないような研究者はコミュニティで影響力を失います。なのに今時、企業から金をもらったことは「個人情報だから公開することは罷り成らん」 などと能天気な見当違いを言っていられるのは、お医者さん達だけです。

そんなお医者さん達が「現場を知らない」と侮蔑する厚生労働省のお役人達が、世間様からどういう目で監視され、どういうふうに自律性を発揮しているか、御存知であれば、こんな能天気なことは言えないはずです。

常識豊かな市民は、みんな心の底では、お医者様達のことを、”世間知らずの裸の王様”と思っているのです。ただそれが言語化されていないだけです。
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メーカー贈答品制限方針がある医大卒の医師は新薬処方を控える (Biotoday 2013-2-4)

メーカーからの贈答品制限ポリシーを有する医大を卒業した医師は新薬の使用がより控えめであることを示した試験結果が発表されました。贈答品制限ポリシーは同一クラス内の既存薬ではなく新薬を処方する傾向を抑制するようだと著者は言っています。

Medical school gift restriction policies linked to subsequent
prescribing behaviour
http://www.bmj.com/press-releases/2013/01/31/medical-school-gift-restriction-policies-linked-subsequent-prescribing-beh
Med School Pharma Gift Ban Has Lasting Impact
http://www.medpagetoday.com/PublicHealthPolicy/Ethics/37131

Medical school gift restriction policies and physician prescribing of
newly marketed psychotropic medications: difference-in-differences
analysis. BMJ2013;346doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f264(Published
31 January 2013)
http://www.bmj.com/content/346/bmj.f264
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利益相反協議会が初会合  医師名、金額の公開は「性急」(日刊薬業 2013年2月1日 )
 日本製薬工業協会の透明性ガイドライン(GL)の問題点などについて協議するため、日本医師会が設置した「医学関連COI(利益相反)問題協議会」の初会合が1日、東京都文京区の日本医師会館で開かれた。
 初会合は約2時間にわたって非公開で行われた。複数の関係者によると、医師からはGLに基づく公開について「性急すぎる」といった意見や、「原稿執筆料等」に関して医師の個人名や金額などを開示する点について、個人情報保護の観点から懸念する声もあったという。
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利益相反オムニバス

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