この世の沙汰も

スコットランドはスターリング(日本で言えばさしずめ奈良にあたるかな)にお住まいの杉本 優さんが,今,実際に英国で起こっていることを教えてくださった.

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イングランド・ウェールズでは、NHSに雇用されているコンサルタントがNHSの勤務時間外に個人的に有料で患者を診察することが多いのです.イングランドの知人からは、「NHSを通じてコンサルタントの診療を受けようとしたら予約待ちが2年間といわれ、同じコンサルタントに有料(プライベート)で予約を取って、2カ月後に診察してもらった」というような話をよく聞きます.
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みなさん,わかりましたか?2年間といわれた待ち時間がお金を出せば2ヶ月間になるのです.命をお金で買う世界です.

”市場原理と自由競争が安価で良質な医療サービスを提供する”と主張したのはマーガレット・サッチャーでした.1990年に彼女が強行した医療サービスへの市場原理の導入の結果がこれです.小泉某がやろうとしていることも同じです.国民皆保険による医療サービスを支えているのは,親方日の丸(あるいは親方ユニオンフラッグ)の人々ではなく,緊張の連続で本来の勤務時間を大幅に超えて働きながらも,残業手当を要求しない善意の人々です.そういった人々も,ひとたび自由競争,市場原理が公認されると,堂々と金を要求するようになるのです.それがサッチャーが実現させた世界であり,小泉某が目指す世界です.

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