ある普遍的な不条理について

「私は怪文書で島を離れました」(日経メディカルオンライン2007.7.5)
 

医師であっても、地域に生きる住民として、地域の生活を左右する行政の議会選挙に関わるのはむしろ当然であって、無風=談合で議員が決まる選挙を変えようとした行為は責められるべきではない。にもかかわらず、公開討論会の開催に関わった島でたった1人の医師が、島から出て行けとの怪文書を流される。

プロとしての誇り、9年間の離島での貢献をすべて吹き飛ばす村議会議員選挙。そんな島にどこの医者が行きたいと思うでしょうか。医者の偏在があるとして、それを誰が作っているのかってことです。霞ヶ関という名の無医地区でも、同じことが起こっている。特に機構に来るような医者の生命線はNobles obligeです。それを踏みにじられたら、居られない。

この記事で一つだけ救われる(そして次に失望する)ところがあるとしたら、こんな不条理は新霞ヶ関ビルの中だけじゃなくて、日本全国で起こっているということなのでした。

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