その背景には英国の高い失業率があります.外国人の不法就労は厳しく取り締まられていますから,入国管理も大変厳しくなっているのです.ですから,変な誘導尋問にひっかかって,”チャンスがあったらアルバイトしたい”なんて言ったら大変です.最近では偽造した日本のパスポートによる東洋人の不法入国の問題もあり,”お金持ち日本”の観光客に対しても入国管理官の目は光っています.観光目的で来たのですから,観光で押し通しましょう.
”英国に知り合いがいる”というのも,同じ意味で禁句です.これは知り合い(この場合相手の国籍は関係ない)を頼って不法滞在し続けると思われるからです.実際にちょっと友人のところに遊びに行くこともあるでしょうが,その場合にも黙っているべきです.また,逆にあなたが英国滞在中に,国外から来た誰かと会う場合には,自分と会うことは入国管理では言ってはいけないとアドバイスしてあげてください.留学中の子供の顔を見るために渡英した親が,無邪気に”子供に会いに来た”と言って,あわれ別室でお取り調べとなった例もあります.
入国管理官はすべての人を疑いの目で見ています.これは職業柄仕方のないことです.また入国管理官の判断は全くの主観で決まります.しかしびくびくしたり,ご機嫌をとる必要はありません.かといってけんか腰になる必要もありません.聞かれたことだけ手短に答えれば良いのです.
それから,入国,出国のルートにも気をつけて下さい.単純に一方通行で英国に入って出ていくの場合は問題ないのですが,観光旅行という短期間の中で出入国を繰り返すと,入国審査官はあなたを疑いの目で見ます.単純な観光でなぜ2度までも入国する必要があるのかという訳です.この場合には余程しっかり説明できないとトラブルが起きます.旅程を決める際には,英国入国は一回だけで済むようにしてください.