ここにもGIGO

サウンドとノイズの弁別を行うためには,
1.対象データの解析の出口=目的を理解している人間が
2.そのデータを生み出した人間達が生活する・働く時の環境と行動特性の両面を理解した上で
3.何がサウンドで何がノイズなのかの判断基準を明確にした上で
4.サウンドとノイズの弁別を行い
5.その結果が第三者によって再現できること
以上の条件が必須である.なお,1-3の条件設定はAIでは絶対できない.AIができるのは4-5のプロセスだけである.そこを間違えると,GIGOとなる.特に留意すべきは,データが大きければ大きいほどゴミの分別は難しくなるという点だ.そこがわかっていないと,BMJの論文を読んだ患者からの,「先生,私が入院した時は,どうか,採血は必ず午後にしてください」との要請を安易に受け入れる羽目になる.
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予防医療にビッグデータ 家電から収集・分析 日経新聞 2018年7月25日
官民が連携し、ビッグデータを使った予防医療に乗り出す。経済産業省とシャープやKDDI、セコムなど約10社は共同でインターネットとつながる家電などから集めたデータを分析し、運動指導や認知症予防に役立てる仕組みを2019年度にも稼働させる。高齢化社会において、病気の予防は医療費の抑制にもつながる。

血圧計などから健康データを得る
 シャープやKDDIのほか、コニカミノルタやオムロン、フィットネスのルネサンス、睡眠改善システムのニューロスペース(東京・墨田)などが参加に向けて調整している。8月にも各社がデータを共有するプラットフォームをつくる。病気ではないが生活習慣などに問題がある「予備軍」や高齢者を対象に予防医療の展開をめざす。
 まず初年度は、コニカミノルタが見守りサービスを提供するサービス付き高齢者向け住宅の1棟で、居室にシャープやオムロンなどの機器を導入して実証実験を始める。シャープは人を感知するセンサーを備える冷暖房、庫内にある食品を把握する冷蔵庫などを通じて持ち主の生活スタイルを分析。オムロンは活動量計や血圧計、睡眠の質や長さを記録する睡眠センサーなどでデータを得る。
 KDDIはクラウド上に「データ連携プラットフォーム」をつくり、集めたデータを分析し、参加企業と連携して利用者に健康を保ち、向上するための助言をする。
 例えば運動不足と判断された利用者に対し、ルネサンスが適度な運動の方法を指導する。睡眠の質が悪かったり食生活に偏りがあったりする場合も、参加企業が睡眠習慣や栄養の取り方などを助言する。こうした履歴を参加企業が共有し、効果的な指導につなげる。
 データは「個人データ銀行」と呼ばれる仕組みで管理する。利用者の承諾を得たうえで集めた大量の匿名データをもとに、具体的な行動と病気の因果関係を分析。個人指導する際には再び参加者の個人情報に戻し、助言に役立てる。19年度にも健康への関心が高い高齢者向けにサービス提供するほか、従業員の福利厚生を充実させたい企業の健康保険組合などを顧客として事業化する。
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参考: ゴミの中の文脈GIGO

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