WHO必須医薬品の宣伝効果

C型肝炎の特効薬・ソバルディの国別販売価格-新薬開発と必須医薬品の供給の共存を目指す-
先進国で高値で,発展途上国向けにaffordable priceで販売することは,金儲け会社の批判を回避する以上に,ポジティブなメッセージを発信する.それがギリアドの戦略である.
「君たち豊かな国の人達が自分の病気を治すことを通じて,同時に発展途上国の貧しい人達に貢献していることになるのだよ.我々はそのお手伝いをしているに過ぎない」
このスローガンに,WHO Essential Medicines Listが加われば,そりゃ,鬼に金棒だわな.ノバルティスだって,グリベックを巡る勝ち目の無い戦いにこだわるより,もう少しやり方があっただろうに.SanofiもGSKも,内資でもエーザイやアステラスは結構うまくやってきているんだし.
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「先発、長期収載、後発、AG」薬の定義、明確化が必要 中川日医副会長、薬価制度の抜本改革で提言 M3.com レポート 2017年6月28日から抜粋
ソバルディ、日本の約60分の1の薬価
 中川氏が、AG等の定義を明確化する必要性を説明するために例に挙げたのが、ギリアド・サイエンシズ株式会社のC型肝炎治療薬のソバルディ(一般名:ソホスブビル)とハーボニー(同レジパスビル)。薬価収載時の薬価は、ソバルディ(2015年5月20日収載)が1錠6万1799.30円、ハーボニー(2015年8月31日収載)が1錠8万171.30円だった(2016年度薬価改定で、「特例拡大再算定」の対象となり、31.7%の薬価引き下げ。『「年間販売額1500億円超」のソバルディなど4成分』を参照)。
 中川氏は、「我々は高額医薬品について、大変な危機感を持って議論してきた。C型肝炎治療薬は、治癒を目指す薬であり、将来的な医療費はむしろ削減になるのではなないか、とまで言っていた」と指摘。
 その上で、(1)ギリアド社が2014年9月、ソバルディとソバルディ・ハーボニーの配合剤について、インド系の後発医薬品メーカー7社に製造ライセンスを供与、(2)WHO(世界保健機関)は2015年5月、必須医薬品モデルリストにソバルディ、ハーボニーが追加――と紹介。「こうした大事なことを、今までのC型肝炎治療薬の議論で、情報として出てこないことが問題」「1錠当たりの価格は、(当時の日本での薬価の)約60分の1だった」「医薬品の特許期間、再審査期間、データ保護期間など、非常に神経質にやってきたことが、崩れてしまうのではないか、と心配している」などと指摘した。
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ここで宣伝.お時間のある方,WHO essential medicines for childrenに関する論文が今年出ましたので,どうぞ御覧ください.open accessですからどなたでも自由に御覧いただけます.
Shimazawa R, Ikeda M. Approval status and evidence for WHO essential medicines for children in the United States, United Kingdom, and Japan: a cross-sectional study. Journal of Pharmaceutical Policy and Practice201710:4 DOI: 10.1186/s40545-016-0094-2

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