大きいことは悪いこと

”大規模試験というのは,大規模じゃないと差が有意にならないっていうことなんですね”(名郷直樹)

すぐれた臨床試験ほど綿密にデザインされている.そのデザインの中には,無論,設定症例数も含まれている.このエンドポイントで差を見るのなら,このくらいの症例数が必要であると計画を立てる.それが何千,時には何万になるが,何も好き好んでやたらと数を多くしているわけではない.そうせざるを得なかったのだ.20人で済むならそれに越したことはないと誰しも思う.

こうして出た結果は,しっかり有意差が出ても,通常,NNT(number needed to treat:一人の患者がその薬の恩恵を受けるために,無駄に治療しなくてはならない人数)がとてつもなく大きくなる.

だから大規模試験をありがたがる必要など全くないんだ.

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