崩壊防止策が崩壊を招く皮肉

地域の先生方が医療崩壊を防ぐべく必死になって輪番制を組むと、それが需要を喚起し、さらに崩壊のリスクが高まることが指摘されています。

鹿屋方式が、なぜ失敗したのか?

大隅の救急医療「鹿屋方式」崩壊危機 医師負担重く 医師会、行政が意見交換
 

喚起された需要は、それまで眠っていたわけですから、緊急度の少ないコンビニ受診の割合が高いと推測されます。しかし、夜間救急に来るお客様を、”コンビニ受診”と呼んで排除すれば、大切な子供の命を預かる客商売にあるまじき行為として、十字砲火を浴びる。そういう恐怖感から、受診抑制について考えることさえも憚られていました。しかし、これは医療者側のパターナリズムの裏返しです。そのパターナリズムを維持しづけた結果、医療サービスのユーザもプロバイダも共倒れの最悪のシナリオがそこここで現実化しています

一般市民を、ただ、お上やお医者様からの指示を待つ状態に放置していいのでしょうか?医療崩壊の危機は、自分たちの限られた地域医療資源をどう有効利用するのか、地域住民が真剣に考えるいい機会ではありませんか?

伊関友伸先生のブログ&柏原病院
より、下記抜粋

県立柏原病院の小児科を守る会
本当に必要な人が、必要な時に 受診できるよう、コンビニ感覚での 病院受診を控えるようにしませんか
◇柏原病院から小児科医が1人もいなくなってしまうかもしれません。

神戸大学小児科松尾雅文教授:患者サイドから医師の立場や、病院にかかることの意義を説き、受診抑制を訴えた住民運動は、おそらく全国で初めてだろう。全国で初めての出来事が丹波で起こった。この運動が全国に広がれば、現場で働く小児科医たちの労働環境は、大きく改善されるだろう。」と、守る会の運動について高く評価をする