日本光医学・光生物学会とは
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ごあいさつ

理事長写真
理事長 森田明理
(名古屋市立大学大学院医学研究科 加齢・環境皮膚科学分野)
 2018年度から錦織千佳子理事長のあとをひきつぎ、日本光医学・光生物学会理事長を拝命しました。このような機会を得ましたことを大変光栄に存じますとともに、改めて重責も感じております。
 振り返れば、1978年8月3・4日に港湾会館(名古屋市港区)において光医学・光生物研究会が開催された。主催者は名古屋市立大学医学部皮膚科の水野信行教授であり、当初就任10周年記念の1回限りの研究会としての企画でしたが、50演題を超える研究会となり、成功裡に終わったことから、本学会の前身「日本光医学・光生物学研究会」の第1回となった。「光に関係する異分野の方々が集まって、お互いにそれぞれの立場から他の分野の問題を批判・検討することは、独善的概念をしりぞけ普遍的原理へと導き、また他の分野での研究が自分の分野の新しいテーマの端緒ともなってくると考えるのであります」―と述べられ、光を共通項とした横断的学会組織の必要性を強く感じておられた。その後継続して開催されることとなり、現在に至っております。このような経緯から設立当時から今日に至るまで、光医学・光生物に興味を持つ医学、生物学、化学、工学、薬学、物理学など多岐に亘る専門領域の研究者が集まって、太陽光線と人類、生物との関わりのあらゆる事象をテーマとし、ヒトの健康への学問的寄与を目的として集まる学際的な学会として歩んで参りました。そして、名古屋市立大学医学部皮膚科にふたたび事務局がもどってきたことは、30年の歴史とは言え、感動深いものと思われます。教室の歴史を絶やさなかったとも言えます。
 当時、1980年頃は、出力として安定した波長特性を持った光源を手にいれること、一方で放射強度の測定などは、容易ではなかったのではないかと思います。しかし、医局に残る資料やスライドからは、基礎的研究レベル、臨床応用においても、今見てもまったく遜色の無いレベルと思います。光ということを用いた学問に対する熱意を今も感じます。さて、現在、この熱意を次の世代につないでいけるかが、私の課題と思います。
 大きく変わったことは、様々な光源が安価でしかも正確な波長の放射、さらには、生物学的な意味のある出力が可能になったことである。また、放射強度も波長の測定も比較的容易になり、まさに今こそ、光の医学的、生物学的な研究をすべき時を迎えたと思われる。圧倒的な技術革新である。キセノンランプから、回折格子を用い、分光していた時代から(もちろん、まだ使用しているが)、LEDもしくは半導体レーザーがそれほどの知識もなく使用が可能である。さらには、光の測定技術も革新的な変化を遂げ、微量な光も容易に見ることができます。
 一方、前理事長の錦織千佳子先生と同様に、私も皮膚科医であり、太陽光によって生じる日焼け、しみ、皮膚癌、光線過敏の診療には、光生物学・光化学の知識は必須です。また光線は皮膚疾患のみならず、最近では癌の診断や治療にも使われておりますが、安全で有効な光線治療法の確立には、その作用機序の正しい理解も必須です。水野信行先生が「この種の分野はその発生機構を考えるには、種々の異なった分野の研究者が互いに各々の立場から他の分野の問題を批判、検討する事に意義がある」といわれたのはまさに慧眼で、現在もそれは真実です。“光を知り尽くして利用する”光に対する反応をヒトと動物あるいはヒトと植物で比較、皮膚や目の反応の比較、光のタンパクへの影響、遺伝子への影響、脂質への影響、細菌への影響をみる、そしてそれらを分子レベルで学べるのが本学会です。各専門分野の研究者との情報交換によりお互いにフィードバックを期待できます。
 このように興味を一にする異分野の研究者が一堂に会して、討論できるのは、この学会の醍醐味で、この学会の独自性と存在意義はここにあります。年1回の学術大会を情報収集の場、共同研究のきっかけづくりの場に利用していただければと思います。本学会の学際性を生かし、会員間での意見交換を通して、理解を深めて頂ければ理事長としてもこの上ない幸せです。さらに、このような異分野の研究者の専門性を上手く生かして多分野横断型の共同研究を企画してグラントの獲得を目指せればより実り多いのではないかと思います。本学会には日本を代表する、あるいは世界的にもトップクラスの研究者も多数所属しておりますので、一流の研究成果を日本語で直接聞き、疑問点をぶつけることのできる学術集会の機会を大切にしていただければと思います。
 ふたたび光の研究の時代をむかえ、この歴史のある独自性の強い“光医学・光生物学”分野の活性化を推進できればと願っております。しかしながら、本学会のような学際的な学会はひとりひとりの会員の“学会に対する思い入れ”なくしては成り立ちません。是非とも引き続き会員一人一人のご支援をお願い申し上げますとともに、皆様からのご意見、ご助言をお寄せ頂けましたら幸いです。
 これからの時代を見据えて、光と生命、光と生体の反応について興味の有る方の入会を心よりお待ち致しております。

日本光医学・光生物学会
理事長 森田明理



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