大会長挨拶
大会長 池田 佳生
群馬大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野

第15回日本認知症予防学会学術集会の大会長を拝命いたしました、群馬大学脳神経内科学の池田佳生です。2026年9月11日(金)・12日(土)・13日(日)の3日間にわたり、群馬県高崎市のGメッセ群馬を会場として開催されます。実り多い学術集会となりますよう鋭意準備を進めております。
認知症の有病率はわが国の65歳以上高齢者のおよそ13%(470万人)と推定されており、今後も増加の一途をたどると考えられています。わが国における高齢化の進行と認知症の人が増加している現状を踏まえ、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行されましたが、国民一人一人が、認知症に関する理解を深め、共生社会の実現を推進することが求められています。また認知症をめぐる近年の動きとして、抗アミロイドβ抗体薬が臨床適用となり、アルツハイマー病治療に大きな進歩がありましたが、認知症・軽度認知障害の方々全体から見れば、ごく一部の方が治療対象となるにとどまっている現状があります。このため認知症に対しては、いずれのステージにおいても積極的に予防に取り組むことが重要と考えます。
この度の学術集会のテーマは「多職種共創による認知症予防学と共生社会の確立」といたしました。本学会の特徴として、学会員は医師のみならず、看護師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、介護士など、認知症に関わる多くの職種から構成されている点があります。要介護状態に至る主要な原因疾患である認知症を克服するため、多職種がそれぞれの立場から意見を出し合い、共同して学術活動を推進し、科学的知見に基づいた新たな認知症予防の確立ならびに、一般の方々へ向けた啓発活動を推進することが必要と考えます。本学術集会では、認知症に関わる多職種、企業や行政機関の皆様が、垣根を越えてオープンに議論を交わす場となること、また学会活動を通じて共生社会の実現へ寄与することを心から願っております。
この度の学術集会は、山形大学第三内科神経学分野の太田康之先生に副大会長へご就任いただき、充実したプログラムを作成すべく検討を進めております。会場となるGメッセ群馬の最寄り駅であるJR高崎駅は上越・北陸新幹線で東京駅から約50分とアクセスが良く、水沢うどん、高崎パスタや焼きまんじゅうといった群馬のご当地グルメもお楽しみいただけます。多くの皆様のご参加をお願い申し上げると共に、会場でお目にかかれることを楽しみにしております。
