原著

病院の平均退院時運動FIM の実測値と重回帰分析を用いた予測値との関係―日本リハビリテーション・データベースの脳卒中回復期13病院における調査―

徳永 誠, 西川美穂, 松本安由, 南部隼平, 中川 梓, 前田悠希, 神吉真智子
Jpn J Compr Rehabil Sci 6: 86-90, 2015

【目的】回復期リハビリテーション病棟の脳卒中患者について重回帰分析を用いて病院の平均退院時Functional Independence Measure(FIM)を予測し,各病院における予測値と実測値を明らかにすることを目的とした.
【方法】2014 年版日本リハビリテーション・データベースに登録された13回復期リハビリテーション病棟の脳卒中患者2,320例を対象にした.「退院時運動 FIMの実測値」を「重回帰分析で得られた退院時運動FIMの予測値」で割って「実測/予測比」を患者ごとに求め,病院の平均値を比較した.
【結果】退院時運動FIMの実測/予測比は,13 病院の間で0.91〜1.09という有意な違いがあった.
【結論】重回帰分析を用いて退院時FIMを予測し,実測/予測比を病院間で比較する手法は,さまざまな要因の影響を補正でき,統計学的な比較ができるという利点がある.

【キーワード】Functional Independence Measure,重回帰分析,病院間比較

第6巻 目次