別府秀彦, 高柳尚貴, 富田 豊, 水谷謙明, Orand Abbas, 玉井育子, 高橋久英, 園田 茂
Jpn J Compr Rehabil Sci 6: 64-70, 2015
【目的】小脳性運動失調マウス(B6-wob/t)に対する強制歩行訓練の効果を歩行解析とRota-rod試験で検証した.
【方法】B6 マウスおよびB6-wob/t を非訓練群(NEx)
と訓練群(Ex)に分けた.Ex 群は,強制歩行訓練回転かごを用いて分速2m で50 分間の歩行訓練を1日3回,週6日の頻度で12 週間行った.その間4週毎にRota-rod 試験を行い,NEx 群とEx 群に有意差が認められた時点で,われわれが開発した骨盤軸基準歩行解析(骨盤軸法)を行い,多重比較検定で評価した.
【結果】歩行訓練12 週目においてRota-rod 試験では落下までの時間がNEx 群90 秒に対しEx 群で115 秒と有意に長くなり,骨盤軸法ではNEx 群よりもEx 群の後肢歩隔が有意に狭くなった.
【考察】B6-wob/t の失調症状に対し,強制歩行訓練は有効と考られた.また失調改善の評価手段として,骨盤軸基準歩行解析法とRota-rod 試験の併用が有用であった.
【キーワード】小脳性運動失調,B6-wob/t マウス,強制歩行訓練回転かご,骨盤軸基準歩行解析法,Rota-rod 試験