原著

回復期脳卒中患者に対する上肢ロボット訓練の効果

宮坂裕之, 富田 豊, Orand Abbas, 谷野元一, 武田湖太郎, 岡本さやか, 園田 茂
Jpn J Compr Rehabil Sci 6: 27-32, 2015

【目的】脳卒中後の上肢運動麻痺に対し,短期間のロボット訓練による麻痺改善効果を検討した.
【方法】発症から6-12週経過した初発脳卒中患者21名を対象に,ロボット訓練と通常訓練を2週間ごとに交差させて行った.ロボット訓練は,通常訓練に1時間/日,5日/週,追加して行った.開始時,2,4週後に,Stroke Impairment Assessment Setの上肢運動項目,Fugl-Meyer Assessment(FMA),肩関節屈曲・外転自動運動角度,Motor Activity Log(MAL)を用いて運動機能を評価した.Wilcoxon 符号順位検定を用い,各評価項目について訓練前後および利得を比較した.
【結果】2週間のロボット訓練でFMAの肩・肘,MALのAmount of Use とQuality of Movement が通常訓練に比べて有意に向上した.
【結論】短期間でも麻痺肢へのロボット集中訓練により麻痺側上肢の近位機能と日常生活上での使用頻度が改善されることが示された.

【キーワード】脳卒中,リハビリテーション,上肢訓練,ロボット,マニピュランダム

第6巻 目次