平野 哲, 才藤栄一, 田辺茂雄, 加藤正樹, 清水康裕, 八谷カナン, 田中宏太佳, 加賀谷斉, 石原 健, 宇野秋人
Jpn J Compr Rehabil Sci 6: 21-26, 2015
【目的】対麻痺者の歩行再建において歩行補助ロボッ
トWearable Power-Assist Locomotor(WPAL)の有用性を検討する.
【対象と方法】軽介助以下の介助量で股継手付き両長下肢装具およびWPALを用いた歩行が可能な対麻痺者12名を対象とした.対象に装具およびWPALを装着し,
快適歩行速度で連続歩行時間,連続歩行距離を計測すると同時に,歩行に必要な介助量をFunctional
Ambulation Categories(FAC)を用いて評価した.
【結果】連続歩行時間は8名,連続歩行距離は11名でWPALを用いた歩行が装具歩行を上回り,有意差を認めた.装具歩行でFAC が2(軽く触れる程度の介助)または3(監視)の症例においても,WPALを用いた歩行では全例で4(平地歩行自立)であった.
【結論】WPALを用いると装具より長時間・長距離の歩行が可能で,歩行に必要な介助量も少なかった.
【キーワード】ロボット,対麻痺,歩行再建,実用歩行,内側型装具