原著

当院における回復期脳卒中片麻痺患者の歩行自立判定指標の検討〜どのレベルに達したら病棟内歩行フリーとするか〜

長田悠路,島袋 匡,岩崎吉則,金古香利,渕 雅子,井林雪郎
Jpn J Compr Rehabil Sci 6: 143-150, 2015

【目的】片麻痺患者の歩行自立を判定する主観的・客観的評価項目を抽出し,有効な歩行自立判定表を作成することが本研究の目的である.
【方法】理学療法士25人へのアンケート調査から抽出された主観的な評価項目,身体機能評価項目としてFugl-Meyer Assessment(FMA)から患者の自立に影響を及ぼす因子をロジスティック回帰分析によって抽出した.得られた因子で作成した歩行自立判定表をもとに,片麻痺患者45名の評価を行い,実際の自立度との一致性を調べた.
【結果】ふらつき,注意の配分,連合反応,FMAのバランスが因子として抽出され,作成された判定表を使用した結果,実際の自立度と高い一致性を示した.
【結論】歩行自立因子の分析から判定表を作成した.判定表は高次脳機能や自己管理を含む臨床場面を評価するものであったため,実際の自立度と良好な一致性を示し,自立判定を行う上で有用であることがわかった.

【キーワード】片麻痺患者,歩行,自立判定,回復期リハビリテーション病棟

第6巻 目次