徳永 誠, 三宮克彦, 中西亮二, 米満弘之
Jpn J Compr Rehabil Sci 6: 14-20, 2015
【目的】これまで本邦で報告された脳卒中患者の退院時FIMを予測する重回帰分析の予測精度を比較することを目的とした.
【方法】2014年版日本リハビリテーション・データベースに登録された回復期リハビリテーション病棟の脳卒中患者1,229例を対象にした.4報告に記載された6種類の予測式に対象患者のデータを投入し予測値を得た.そして実測値から予測値を引いた残差を調査した.
【結果】残差は,Jeongらの予測式の平均0.44±15.60(中央値−0.16),Sonodaらの0.26±13.49(中央値1.22),Iwaiらの−0.92±15.85(中央値−2.09)が小さかった.一方,Sonodaらの入院時運動FIMの逆数を説明変数とした予測式とInouyeの2つの予測式の残差は,この3予測式よりも大きかった.
【結論】報告された重回帰分析は,外的妥当性が調査され,他の予測式と比較される必要がある.
【キーワード】重回帰分析,外的妥当性,退院時FIM,脳卒中,比較