正常歩行で足関節の筋の活動が見られるタイミングを、関節運動、関節モーメントに重ね合わせたグラフを次に示します。
着地時に足関節は床反力により底屈方向へのモーメントを受けます。これに抵抗するために活動するのが足背屈筋です。関節は背屈から底屈へ動きますが、背屈筋が働くので遠心性の活動となり、急な底屈を防いでいます。荷重反応期は過ぎると、下腿が前傾して足関節が他動的に背屈します。底屈筋はこの背屈に対抗するべく遠心性に収縮して急な前傾を防ぎます。50%以降は求心性の活動に置き換わり、足を底屈します。
膝伸展筋が着地時より遠心性に収縮し、膝折れを防ぎます。遊脚終期では膝の屈筋が遠心性に収縮し、膝の伸展にブレーキをかけます。
股関節は初期接地時から伸筋が求心性に収縮し、その後、股関節が伸展するのに伴い、屈筋が遠心性に収縮する。なお、股関節前面の靭帯組織も伸展に伴い力を発揮する。振出時は股関節屈筋が求心性に働き、遊脚周期には再び股関節伸筋が働き過度の屈曲を抑える