Dan B, Rosenbaum P, Carr L, Gough M, Coughlan J, Nweke N. Proposed updated description of cerebral palsy. Dev Med Child Neurol. 2025;67(6):700-9.
この論文は、2007年に発表された定義を最新の科学的知見や当事者の視点を反映させて更新しようとするものだ。新しい定義は次のようになっている。
脳性まひは、痙縮、ジストニア、アテトーゼ、または運動失調として現れる、運動と姿勢の発達障害による活動の制限を特徴とする、早期発症の生涯にわたる神経発達症です。 これは、変性しない胎児または乳児の脳の形成異常または損傷に起因するが、その症状は年齢とともに変化する可能性がある。脳性まひの表現型は複雑かつ多様であり、一人ひとりが独自の症状を経験する。運動機能障害に加えて、脳性まひのある人々は、発達と機能の様々な領域にわたって一次的および二次的な障害に頻繁に遭遇し、それが日常生活への参加に大きな影響を与える可能性がある。
Schoemaker MM, Lust JM, Steenbergen B, Houwen S, Diepstraten JEM, Wilson PH, et al. Developmental coordination disorder subtypes also vary in the pattern of behavioral and emotional problems. Front Psychol. 2024;15:1418295.
共同著者の一人、Lustらは発達性協調運動障害には4つのタイプがあることを以前報告している。その4つとは、粗大運動が特に不得手、微細運動が特に不得手、粗大も微細も両方不得手だが程度が軽い、粗大も微細も不得手で程度も重い、である。これらの児童は、その運動の不器用さから、周囲の人からさげすまれたり、衝突することもあり、そうした葛藤が行動を内向的にしたり、逆に攻撃的になったりすることがある。この研究ではそうしたDCD児の行動・情緒問題を親、教師から得た行動アンケート調査によって特徴を探ろうした。タイプ別では粗大も微細も不得手で程度が重い児が行動の問題をより多く抱え、親は子供の「注意」の問題を多く指摘し、教師は子供の「内向的」の問題を多く指摘するといった、家庭と学校で異なる様子であることもうかがえた。
Mulfari D, Villari M. A Voice User Interface on the Edge for People with Speech Impairments. Electronics. 2024;13(7).
音声認識技術は健常者の大量の音声データをAIに学習させることで高度な認識を可能にしているが、それを言語障害のある人々に適応するための試みを紹介している。著者らは言語障害のある人々の音声データを収集しており、それで既存の認識技術を再適応(再学習)させることにより、9割近く正確に認識できたことを報告している