第30回 日本脳腫瘍の外科学会
会長 河野 道宏
(東京医科大学 脳神経外科学分野 主任教授)
第30回 日本脳腫瘍の外科学会
会長 河野 道宏
(東京医科大学 脳神経外科学分野 主任教授)
このたび、2025年9月12 - 13日(金 - 土)に東京・新宿の京王プラザホテルに於きまして、第30回 日本脳腫瘍の外科学会を開催させて頂きます。脳腫瘍手術に特化した歴史ある本会を担当させて頂きますこと、教室としても大変光栄なことと存じます。
今回は初の試みとして、参加者が比較的共通する日本微小脳神経外科解剖研究会(9月13日)との併催をさせて頂くこととなりました。是非、どちらの学会にも足をお運び頂き、双方の学会を活性化して頂けることを期待しております。
テーマは、「脳腫瘍の手術適応・治療適応」とさせて頂きました。その理由は、これまで、頭蓋底腫瘍などの手術が難しい脳腫瘍において特に顕著なのですが、取り扱う科や医師により、手術適応や手術アプローチが全く異なっているという事実があります。また、悪性腫瘍についても、施設の状況によって、手術適応や目標の摘出度が全く異なることも稀ではありません。患者さんにしてみれば、病院、科、医師によって違った手術適応や手術ポリシーで治療されることは、理想的な姿とは考えにくいところです。この問題を少しでも解消するためには、このテーマに関して各施設の考え方を持ち寄り、ぶつけあって論議する方法がもっとも効率的であると考えられます。これだけいろいろな治療のモダリティーを選択可能となった現在であるからこそ、原点に帰ってこのディスカッションをすることは意義があると考えます。各施設の考え方の違いをよく理解し、知識を共有することによって、各疾患の診療ガイドラインのたたき台となるような、ある程度のコンセンサスが演者や参加者の中で生まれることを期待したいと思います。そのためには、外科治療の学会ではありますが、放射線治療や化学療法に関するエキスパートにも多数ご参加頂き、議論に加わって頂きたいと考えています。
約10年前から神経内視鏡を用いた手術の進歩が著しく、また、最近では外視鏡の導入もなされ始めました。そこで、サブテーマとして、「内視鏡手術の適応・限界・合併症」「外視鏡手術の適応・限界・合併症」を特集したいと考えています。
また、今回は日本脳腫瘍の外科学会の第30回の記念学会ということもあり、過去の30年の振り返りや将来に向けての展望などを共有する企画を考えております。
副会長に秋元 治朗 先生(厚生中央病院 脳神経外科)と西岡 宏 先生(虎の門病院 間脳下垂体外科)を迎え、オール東京医大として頭蓋底腫瘍、悪性脳腫瘍、間脳下垂体腫瘍に強みをもつメンバーで皆様をお迎えできるように準備をして参りますので、どうか多数のご参加をお待ち申し上げます。