磁気刺激法に関する委員会報告

磁気刺激法に関する委員会
委員長:眞野行生(北海道大学リハビリテーション医学)
委員:宇川義一(東京大学神経内科)
   梶龍兒(徳島大学高次脳神経診療部)
   加藤元博(福岡県保健環境研究所)
   河村弘庸(東京女子医科大学脳神経外科)
   玉置哲也(和歌山県立医科大学整形外科)
   辻貞俊(産業医科大学神経内科)
   町田正文(日本大学整形外科)

 

 本委員会では,低頻度磁気刺激を治療に応用するときの安全性の基準として,1週間に500回を上限として施行することを提言した(臨床神経生理学28:337,2000.)。

 その後,この2年のあいだに,1Hz以下の低頻度磁気刺激が治療や高次脳機能研究に広く使われるようになり,1,500回までの刺激による副作用も,とくに報告されていない。また,世界的な安全基準の指針でも,安静時閾値以下の強度の場合,1,800発までは安全とされている。

 このような状況をふまえて,本委員会は,安静時閾値以下の強度で,1Hz以下の頻度の刺激に関しては,1週間に1,500回を上限として施行することを提案する。

 なお,高頻度経頭蓋磁気刺激法については,1999年,「脳波と筋電図」第27巻第3号306ページに提言した通り,Wassermann E M の安全性のガイドラインに則り,各施設で倫理委員会の承認を得て実施することが望ましいと考える。

 また,予期しない事象例が認められた場合には,従来通り,学会事務局まで報告をお願いしたい。