理事長挨拶
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
理事長 松本理器
会員の皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。平素は、本学会の活動に対し多大なるご支援、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、2025年11月12日の社員総会において新理事会が発足し、このたび、今井富裕前理事長の後任として、理事長を拝命致しました。本学会は、1971年に日本脳波学会と日本筋電図学会が合わさり、日本脳波・筋電図学会として設立され、2000年には日本臨床神経生理学会と改称され、現在に至ります。50年を超える歴史と伝統を有する本学会の舵取り役を担うにあたり、浅学非才ではございますが、この重責を全うすべく、全力で職務に取り組む所存です。会員の皆様には、引き続きご指導ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
本学会の最大の特色は、「ヒトの臨床神経生理学」を探求する学際的なプラットフォームであることです。脳神経内科、脳神経外科、精神科、整形外科、リハビリテーション科の医師・専門職に加え、臨床神経生理学を実地で担う生理検査技術師、そして臨床神経生理学の研究者が一堂に会しています。臨床神経生理学は、対象とする領域が中枢神経から脊髄・末梢神経・筋まで、手法も電気生理・神経画像から侵襲的・非侵襲的脳刺激までを包含する幅広い学問体系です。現在、内科治療、外科治療に次ぐ第3の治療として注目されるニューロモデュレーション治療についても、本学会が倫理面や科学的根拠に配慮して橋渡し研究や先進治療を進めている領域です。各臨床領域における臨床神経生理の診療水準の向上、そしてそれを支える「臨床神経生理学の両輪」とも言える教育と研究の充実が本学会の使命と考えます。
診療・教育面では、本学会が専門医・専門技術師などの認定制度を有する脳波、筋電図/神経伝導、術中モニタングの3つのコア領域すべての発展に注力し、診療・教育の全国均てん化をミッションとして遂行いたします。
今井前理事長のもと裾野が広がった教育活動を土台に、今期の理事会では、若手医師・技術師の育成と生涯教育の両面を強化し、理事・代議員の皆様と共に、対面・オンライン双方の教育機会を更に充実させてまいります。教育コンテンツ委員会の尽力で、会員の皆様へのe-learningコンテンツも増え、3領域での学会主催セミナー・ハンズオンも10年以上継続し、発展してきました。臨床神経生理学を学びたい初学の皆様から中堅の皆様まで、生涯学習の場としてご活用いただければ幸いです。
研究面では、「脳の世紀」と言われた21世紀も四半世紀が過ぎ、ヒトを対象とした神経科学の推進がますます重要となってきています。「ヒトの臨床神経生理」を学際的に研究できる本学会の強みを最大限に活かし、関連学会との連携を強化することで、本学会・会員が診断・治療両面で世界に発信できる環境整備に努めます。
臨床神経生理学はBest Care by Best Researchが真に実践できる領域です。日本臨床神経生理学会として、世界に向けて研究面での発信を強化し、若手の学会員が研究面でも研鑽できる場として学会が深化できるように精一杯努めてまいります。
国際臨床神経生理学会連合(IFCN)の会長を歴任された故木村淳先生・柴﨑浩先生の薫陶を受けた後進の一人として、会員の皆様とともに、本学会の教育面・研究面での国際化に取り組んで参ります。すなわち、「World class care and research」の実践という「内なる国際化」と、国内外における英語での教育活動や研究成果の情報発信による「外向きの国際化」を両輪で進め、先達の築かれた礎を我々の世代でさらに発展させてまいる所存です。
ここまで硬い話になりましたが、つまるところ、臨床神経生理学は、面白い!、現在の患者さんに最新の診断・治療技術を直接還元できる!、そして未来の患者さんのために研究開発ができる!領域です。若い医師、専門職、そして技術師のみなさま、少しでも興味があれば学術大会や主催セミナーに参加されて、臨床神経生理学の神髄に是非触れてください。
会員の皆様におかれましては、本学会の発展のため、引き続き格段のご理解とご支援を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
2025年12月吉日
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
理事長 松本理器













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