スノーボードは危険か?
東大脳外科に勤務する藤巻は非常勤をしている諏訪中央病院でスノーボードによる
頭のけががあまりに多いのに驚いて、日本の脳外科医に実際にどれくらい経験して
いるかをたずねてみました(メールの内容はこちらに)。全国の脳外科医よりのお
返事を、メールをお送りいただいた先生のご許可を頂き掲載します。順不同ですが、
重傷例、早くメールをいただいた方をさきに掲載しています。
なお、メールの要約については藤巻の責任において省略した点があることをお断りします。
また、メールの掲載についてまだ御了解をいただいていず、コメントをいただいたかたが
さらにたくさんいたことをつけ加えさせていただきます。
諏訪中央病院のけがの患者さんのCT画像
(諏訪中央病院脳外科医長 中口博先生提供)
画像をクリックすると大きな画像がみられます。
このホームページがYahoo Japan 6月号で紹介
東京医科歯科大学教授、平川公義先生の全国調査
今シーズン4ヶ月間だけでに52病院より重症例ありとの報告
1997秋の学会でのスノーボード外傷についての発表
ボーダーとの衝突で亡くなられた杏奈ちゃんのお父様よりのお手紙
○沼田脳神経外科循環器科病院 脳外科 原口庄二郎先生
硬膜下血腫手術、昨年4人、今年2人に
入院はことし20人を突破
○富山医科薬科大学 脳外科 林 央周先生
3人が急性硬膜下血腫、2例が死亡、1例がねたきりに
○岐阜大学 脳外科 酒井秀樹先生、(鷲見病院、院長鷲見先生、外科 熊澤伊和生先生との共同調査、研究)
急性硬膜下血腫、死亡例も、スノーボードJapan 1997でも安全対策
をアピール、酒井先生よりのメール
ボード外傷846例の統計を詳細に、ジャンプの失敗によるけがが急増
=鷲見病院のホームページへ
○金沢大学 脳外科 池田清延先生、長谷川光広先生
頚椎損傷で、四肢麻痺、緊急手術、製造物責任は?
(注)頚椎損傷:けがなどで”くびの骨がおれる”こと。通常下半身
または手足全部が動かなくなる。呼吸ができなくなることも多い
最近ではスーパーマン俳優のクリストファー リーブが落馬のため
頚椎損傷で手足、呼吸が全く利かず車いす+人工呼吸生活になった
のが記憶に新しい。
○山梨赤十字病院 脳外科 桑沢二郎先生
2名を経験、1例が死亡
○福島県立医科大学 脳外科 児玉南海雄先生
2名を経験。緩斜面で危険
○鹿児島大学 脳外科 朝倉哲彦先生
データをまとめてマスコミでも警告を
○札幌医科大学 脳外科 端 和夫先生
脳外科医も受傷、重体からなんとか救命
○東京医科歯科大学 脳外科 平川公義先生
神経外傷研究会、日本臨床スポーツ医学会でも話題
○恒生病院(神戸)脳外科 奥田裕啓先生
長時間の意識障害を伴う脳振盪や頚椎捻挫を10例以上診療
○信州大学脳外科、救急部副長、奥寺先生(長野オリンピック医療救護責任者)の個人的見解
スキー、ボードともに外傷は多い。
基本的には本人と責任はメーカーと連盟にあるのでは
無謀な深夜ドライブ(とそれによる交通事故)にももっと注意を
○山形大学脳外科 黒木先生
山形県下でも重症例あり、病院到着時死亡例の発表も
○小諸厚生総合病院脳外科 鳥山俊英先生
ホームページに県立木曽病院(北沢公夫医長)脳外科での後藤哲哉先生のデータを掲載。
スノーボード外傷の頻度が高いのが目立つ
○山形市立病院済生館脳神経外科 天笠雅春先生
急性硬膜下血腫で一例死亡
○Dr. Jamshid Jamshidi
25才男性の外傷を経験、脳挫傷をともなっていた。
○光輝病院、脳外科、横山先生
ホームページに日本全国のいろいろな報告をまとめて掲載
○信州大学 第二外科 青木孝學 先生(外科の先生ですが特別寄稿)
頭蓋内出血を経験、生き死ににかかわるけがが簡単におこるのは
問題。危険性などの現状を認識できる場を
○弘前大学脳神経外科 関谷徹治先生
NHKのクローズアップ現代で、とりあげられていた。藤巻のとりくみにも共感をよせていただく。
○福井医科大学 半田裕二先生
スキー外傷が主。スキー外傷についても調査を。
○山梨県立中央病院脳神経外科 笹口修男先生
自験例はなし。2月26日のテレビ山梨でもとりあげられた。全国調査を!
○田上病院 脳神経外科 馬場好一先生
NHKのクローズアップ現代で、とりあげられていた。スキー仲間でもまだ理解が不足、データをまとめて一般に啓蒙を。
○宮崎医科大学脳神経外科 河野寛一先生
危険性と危険性に対する対処(装具、トレーニング法etc)を強くアピールすべき
○信州大学、田中雄一郎先生
脳振盪を一例経験、一般にアピールを
○東北大学脳神経外科 井上 敬先生
重症頭部外傷は経験なし。肩関節脱臼、頭部打撲など経験。
○京都府立医科大学 脳神経外科 須川典亮先生
大学の外来で3例の外傷を経験、軽症ではあるが危険性を感じる。スキー場でもヘルメット着用が必要。
○新潟大学 脳神経外科 森 宏 先生
1例軽症例を経験、友人から教わったのみ。危険性、きちんと指導者から教わることを推奨。
○秋田大学 脳神経外科 笹島浩泰 先生
大学で2例を経験、1例は入院に。スキー場に近い関連施設では急性硬膜下血腫や頚椎損傷などが急増。
現状を正確に公表し,安全対策を徹底することが肝要と考える。
○京都大学 中原一郎先生
自験例はないが、岐阜大学 山川弘保先生らのとりくみに注目。
○岡山大学 松本健五先生
自験例はなし。スキー場でのスキーヤーとの衝突を危惧。
○長井市立総合病院脳神経外科 作田善雄先生
地元の人にはけがは少ない。初心者のスノボーは体操を知らない人がいきなり後方宙返りをするようなもの。
○東京女子医大 第二病院 脳神経外科 井出光信先生
脳振盪、記憶障害例を診察。緩斜面で受傷。初心者でもある程度スピードが出るのが人口急増、犠牲者急増の原因か。
○東京女子医大 脳神経外科 田鹿安彦先生
大学の外来でもスノボ外傷が増加。顔面外傷も。もっとアピールを。
○大阪門真市 森 信太郎 先生
重症例は経験なし。ホームページでのアピールを御提案。
E-mail: To : Fujimaki T
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Last Modify : 25 Dec 1997
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