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PSST 褥創状態判定用具 使用解説

全体説明

 褥創の状態を評価するために、下記に示した言葉の定義とアセスメントの方法を読んだあとで、添付してある採点表を完成する。評価は1週間に1回行い、さらに創部の状態が変化したときも行う。創部の状況を最も示す表現を選び、個々の項目に実数をつける。そして、日付に合った各欄に得点を入れる。13項目全ての得点を合計して総合点を出す。得点が高ければ高いほど褥創の状態は悪い。褥創の進行度を判定するために、総合点を褥創状態判定線上に記入する。

項目説明

1. サイズ:
物差しで測り、創表面の最大縦径(cm)と最大横径(cm)を掛け合わせる。
2. 深さ:
下記の追加説明を用いて、創に最も合致した深達度、つまり深さを選ぶ。
  1. 組織障害を認めるが、皮膚表面は保たれている。
  2. 浅層、表皮の剥離や水疱、または浅い潰瘍。皮膚面と同じか、ないしは盛り上がっている。(例:過形成)
  3. 深い潰瘍、周囲組織にポケットを有することがある。
  4. 壊死組織があるために、肉眼的に深さが判定できない。
  5. 腱、関節包を含む支持組織。
3. 創縁:
下記に示す。
  不明瞭、ばくぜんとしている  −創縁をはっきり判別できない。
  段差がない −創底が皮膚と同じ高さ。創の側面や側壁がない。;平坦
  段差がある −側面と側壁がある;創底が創縁より深い。
  皮膚の巻き込み、肥厚 −柔らかいものから硬いものまである。触ると可動性がある。
  過剰角化 −創周囲と創縁に角質硬化組織形成
  線維化、瘢痕化 −触ると硬くて固定している。
4. ポケット:
創縁から綿棒を入れてアセスメントする;
  過剰な力を入れずに綿棒を一番奥まで挿入する;
  綿棒の先を持ち上げることによって、皮膚表面側からその先端を観察、触知する;
  印を付ける;
  創縁から皮膚に印を付けた所までの距離を測る;
  ポケットのある部位は全て同様に測る;
  同心円を4等分してある透明な測定用具を使用することによって、ポケット部分の比率を測ることができる。
5. 壊死組織のタイプ:
壊死組織のタイプの主たるものを、壊死組織の色、粘性、接着力を基に、下記の説明にしたがって選ぶ。
  白/灰色の死んだ組織 −開放創化する前に現れることがある;皮膚表面は白色または灰色。
  遊離した黄色の壊死組織 −薄い粘性の組織;創底全面に広がっている;創から容易に除去できる。
  粗に接着した黄色の壊死組織  −厚くて、繊維性に結合した壊死組織;創面の組織に接着している。
  接着した柔らかく黒い痂皮 −浸軟した痂皮;創の中心または創底に強く接着している。
  強固に接着した硬く黒い痂皮 −しっかりとした、表面の硬い組織;創底と創縁に強固に接着している。(硬い痂)
6. 壊死組織の量:
同心円を4等分してある透明な測定用具を使用することによって、壊死組織部分の比率を測ることができる。
7. 浸出液のタイプ:
ドレッシング材によっては、創からの浸出液と影響し合って、ゼリーや貯留液をつくるものがある。浸出液のタイプをアセスメントする前に、生理食塩水または水で創面を丁寧に洗浄する。浸出液のタイプの主たるものを色や粘性を基に、下記の説明にしたがって選ぶ。
  血性    薄く、明るい赤色
  淡血性   薄く、さらさらした、淡い赤色からピンク色
  漿液性   薄く、さらさらして、透明
  膿性    薄いか濃いにかかわらず、不透明な黄褐色から黄色
  腐敗膿性  濃く、悪臭を伴う、不透明な黄色から緑色
8. 浸出液の量:
同心円を4等分してある透明な測定用具を使用することによって、浸出液がドレッシング材に付着した範囲の比率を測ることができる。下記に示す。
  なし  創面が乾燥している
  微少  創面が湿っている;量が少なくて測れない。
  少量  創面がぬれている、創全面が均一に湿潤している;ドレッシング材に付着した浸出液の量が25%以下に限られる。
  中量  創面が水分で飽和状態;排液は創全面に均一に出ていなくてもよい。ドレッシング材に付着した浸出液の量は、>25% ≦75%。
  多量  創面は水分過剰であふれている;排液は常に出てくる。排液は創全面に均一に出ていなくてもよい。ドレッシング材に付着した浸出液の量は、>75%。
9. 創周囲の皮膚の色調:
創縁から4cm以内でアセスメントする。色黒の人においては人種固有の皮膚の色や紫色がより強く表れ、「明るい赤」とか「暗い赤」といった色を示す。色黒の人は創が治癒すると、新しい皮膚はピンク色であり、暗い色にはほとんどならない。
10. 周囲組織の浮腫:
創縁から4cm以内でアセスメントする。指圧による圧痕の残らない浮腫は、つやつやして張りのある状態である。圧痕を確認するには組織を指で強く押し、5秒間圧迫し続ける;圧迫を除去しても、組織は元の状態に戻らず、陥凹を示す。組織内のエアやガスがたまると特有の捻髪音を触れる。透明な測定用具を使用することによって、浮腫がどれくらい創面に広がっているかの比率を測ることができる。
11. 周囲組織の硬結:
創縁から4cm以内でアセスメントする。硬結とは、境界のある異常に硬い組織を示す。硬結部を優しくはさむようにつまんでアセスメントする。硬結自体は指ではさむことができない。同心円を4等分してある透明な測定用具を使用することによって、硬結した範囲の比率を測ることができる。
12. 肉芽組織:
肉芽組織とは全層損傷の創面を満たす微少な血管と結合組織の増殖したものである。明るく肉色でつやつやし、ビロード様の凹凸があれば組織が健康な状態を示す。血行が不足すると青白いピンク、ないしくすんだ薄黒い赤色になる。
13. 表皮化:
表皮化とは表皮の再生過程をいい、ピンクないしは赤色の皮膚として見られる。部分層損傷では創縁と共に創底全面で表皮化が起こりうる。全層損傷では表皮化は創縁のみからしか起こらない。同心円を4等分してある透明な測定用具を使用することによって、表皮化した面積の比率を測ることができる。また、表皮が創内に伸びていった距離もはかる。

*Copyright: Barbara Bates-Jensen 1990. 訳: 真田,須釜(金沢大学医学部保健学科), 塚田(富山医科薬科大学)
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 採 点 表 
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 使 用 例