20039月発行の政府広報誌より

ヒトの臓器・組織に関する新立法の提案

 

目次 なぜ新法か/新法案の範囲/同意手続き/人体組織局/違法行為と罰則/新法発効前から保有されている組織の扱い/新法の適用地域/研修と啓発/背景事情と参考資料

 

なぜ新法か

Sir Liam Donaldson & Ruth Hall(イングランド及びウェールズ医事衛生監督官)筆

 

ヒトの臓器及び組織に関する新立法の必要性が最初に認識されたのは、19992000年にいくつかの問題点が明るみに出た時だった。ブリストル王立小児病院1及び王立リバプールこども病院(アルダー・ヘイ病院)での事件に関する公式調査の結果、死亡した小児の遺体から臓器及び組織がきちんとした同意手続きを取らないままに摘出され、保管・利用されているケースが少なくないということがわかった。

 こうした慣行は例外的なことではなかった。イングランドNHS(国民医療サービス)の病理部門3とアイザックス・レポート4が検死後の成人脳を中心に実施した臓器・組織の保有数調査により、適切な同意手続きなしに臓器や組織を保管・利用することはこれまでに広く行われてきたことがわかった。

 この領域に適用される現行法規が包括的なものではなく、また必ずしも曖昧さや矛盾を含んでいないものでもないことは、既に明らかである。1984年施行の解剖法(Anatomy Act 1984)や1989年施行のイギリス臓器移植法(Human Organ Transplants Act 1989)などのように、十分に機能している法律もある。その一方で、1961年イギリス人体組織法(Human Tissue Act 1961)のように明らかに不完全で時代遅れの法律もある。

 20012月、成人または小児(胎児や死産児を含む)から術中もしくは死後に摘出した臓器及び組織に関する法律を幅広い視野から徹底的に検証する作業が行われた。そして翌20027月にパブリックコンサルテーション(公開協議)報告書として ”Human bodies, Human Choices”5 が発行された。

 

協議

“Human Bodies, Human Choices” で検討している課題は、延命や治療効果の向上と医科学的知見の増進を目的とする臓器・組織の積極的利用など、当初提起された臓器保有の問題領域を越えている。

 質疑応答と関連するワークショップ、そしてイギリス国内の主要な会議を通じて、広範なコンセンサスが得られた。このコンセンサスが以下に発表する新法案の基盤になっている。既に、協議の経過に関する報告書6を刊行している。

暫定的な枠組み

一方、イギリス保健省とウェールズ議会は協議終了後に、将来、立法の基盤のひとつとなる資料の暫定的な枠組み(必要に応じて改訂)を発表した。

 この枠組みは以下の要素で構成される。

       院内剖検(法定外)のための同意書式と院内剖検または司法検死による臓器・組織摘出(検死官の命令による場合を除く))のための同意書式の典範7

       検死時の遺族との意思疎通8ならびに人体組織の輸出入に関する指針

       現行法にもとづく臓器・組織の利用に関する中間報告10

 新法の目的は、成人・小児を問わず人体の臓器・組織の摘出、保管、利用に関連するあらゆる問題に一貫して対応できる法制度を確立することにある。それは、個人と家族の権利や期待と、研究、教育、研修、病理解明、公衆衛生の監視など、社会全体にとって重要な課題と適切なバランスを維持することを狙いとする。

 同時に、移植の意義を尊重し、可能な限り高めていかなければならない。したがって、主要な活動が社会からも専門家からも新任を得られるように新法を制定することが望まれる。

 新法案は、議会の会期の都合が許す限り早急に審議される。スコットランドで採用されそうな同意なしのDNA検査を除き、この新法がイングランド、ウェールズ、北アイルランドに適用されることを期待する。

 

新法案の範囲

 新法には以下の規定が盛り込まれることを期待する。

Ø         人体とその器官、臓器、組織の合法的な摘出、保管、及び利用に根拠を与える基本原則としての明示的合意

Ø         人体組織またはその一部を金銭的報酬の対象としてはならないことを定める原則

Ø         公然陳列など、規制対象となる行為を管轄当局が許可・検閲するための規制枠組み

Ø         事前の同意や許可を得ずにある種の行動(DNA検査を含む)を取った場合の罰則規定

Ø         検死及び剖検の執行、人体部品の輸出入、検死・剖検をめぐる遺族との意思疎通、死の定義、人体組織の廃棄などの慣行に関して発布される法規制

Ø         人体臟噐移植は現行制度のもとで引き続き広く行われるが、それでも新しい法的枠組みが必要であること

以下の事項は、新立法に影響される可能性が低い。

Ø         提案中の「DNA窃盗罪」といいう新しい犯罪に関連する場合を除き、散髪や爪切りなど「日常生活」の中で行われている組織採取に関する行為

Ø         検死官による検死命令や死因鑑定を目的とする組織・臓器の保有を規制する1988Coroners’ Act 1984Coroners’ Rules 。現在、イギリス内務省は、死因調査における検死官の役割に注目したシップマン事件調査委員会12の勧告と併せて、検死官制度11の抜本的見直しを勧告することを検討中である。法改正に先立って内務省は、検死後に人体組織を保有できる期間と権限を明らかにした行動基準を作成中である。

Ø         人体及びその一部には、そこに人的な技能が反映されていない限り、財産権を認めない(したがってその売買も禁止する)現在の法的立場。

Ø         対人利用を目的とした採血と血液及び血液製剤の加工・供給。これらについては既にECの指導下で規制されている。

Ø         1990年「ヒトの受精及び胚研究に関する法律」の規制対象とされる事案

Ø         イギリス異種移植暫定諮問委員会(XIRA)の監督対象となっている異種移植(動物からヒトへの移植)

Ø         患者の診断または治療の一貫として患者の同意にもとづいて行われる組織摘出

 

新立法の核心は同意である

 人体の臓器またはその一部を含むあらゆる組織の採取、保管、及び利用を合法化するための基盤になるのは、本人の同意であろう。このことは、個人の身体またはその一部をどのように扱うかを決める資格があるのはその人自身であるという一般原則にもとづいている。

 ある人から確かな同意を得るためにこれまで採用されている条件は黙示的なものである。十分な情報を本人に理解できるかたちで提供すること、医療従事者やその他の専門家、家族、友人らの強要や不当な影響によらず、あくまでも任意による同意であることなどである13

 院内検死に対する同意取得のほか、検死官の言動も含め、広く検死及び組織・臓器の摘出や保有に関連する意思疎通のための最善慣行を法定の倫理綱領として規定することになる。

 われわれは、組織・臓器に関する今回の新立法に際して、人体部品の摘出・保管と並行して、死因鑑定を目的とする検死を遺族の同意なしに行うことを可能にするような法改正を期待しているわけではない。検死精度に関する新立法の必要性については、現在、内務省で検討中である。

 

いつ同意を得るのか

 生きている患者または死亡者の身体から臓器、組織、または細胞を摘出し、特定の目的のために保管・利用する前に、まず同意を取得する必要があるだろう。顕微鏡検査のために組織試料から作製した組織片にも、他の組織を扱う場合と同じ規則が適用される。

 人体組織・臓器は以下の用途に利用される。

 

Ø         1984年解剖法の規制対象となる剖検

Ø         医療関係の研究

Ø         教育・研修

Ø         死亡者の処遇方法の検討や生存者の健康に関連する情報入手を目的として行う検死

Ø         公然陳列

Ø         移植

たとえこれらの指定用途による場合でも、所定の同意手続きを取らずに組織を摘出、保管、または利用すれば、刑事罰の対象となる。

 今回の新立法では、従来は行われてこなかった行為に対して新たな規制が必要になったときに担当国務大臣は上記の指定用途を改定することができる。そうすることで、研究・診療の発展に常に適応した法制度を維持することができる。

成人に関する同意

 新立法は、組織の摘出を伴うような医療介入に際しては事前に判断能力ある成人の同意を取得しなければならないとする従来のコモンロー(制定法によらず立法府が定める法規)上の立場に影響するものではない。

 ただし新立法案では、研究、教育・研修、移植、または公然陳列を目的とする摘出組織の保管または利用に際しては、当事者の明示的な同意が必要とされる。また、院内検死の際にも事前の同意・拒否の権利が当事者に認められる。

 なお、当事者が判断能力のない成人である場合には、その当事者にとって最善の処置である限り組織または臓器の摘出は新立法でも合法とされる。したがって、研究、教育・研修、移植、または公然陳列を目的として、判断能力のない成人から摘出した組織を保管・利用することは、当事者にとって最善の処置であるとはいえないので非合法となる。

 ある人の死亡後の組織・臓器の摘出、保管、利用に関して、その当人の生存中の意思が確認されている場合には、その意思が親族や近親者の意向よりも優先される。解剖または公開のために全身を保管・利用する場合には、本人の生前の同意が不可欠だとするコンセンサスが確立されつつある。

指定代理人

 新立法では、本人が「判断力」のあるうちに(つまり、重篤な疾病、意識喪失、または死亡の前に)自分の死後の院内検死や組織・臓器の摘出、保管、利用の是非について決定権を委ねるべき代理人を指名することができる。

近親者

 「指定代理人」がいない場合には、院内検死に対する同意の権限は近親者に与えられる。配偶者、同性のパートナー、血縁者、長年の親友など、死者と最も親しい間柄にあった人が近親者とみなされる。この規定は、同性愛カップルの夫婦関係(civil partnership)を承認しようとする政府の構想とも合致している。

小児に関する同意

 小児の場合、検査や治療に適用されるのと同じ原則が新法の規制対象の行為にも適用される。これらの原則はもともと、1986Gillick事件14において、小児が自己の問題について判断能力があるかないかを判定するために確立されたものである。すなわち、16歳未満の子供でも、当該処置の過程で何が行われるかを完全に理解していれば、それに対して自分で同意・拒否の判断を下すことができると認定された。ただし新法では、小児の身体を剖検や公然陳列に利用することは認めない。

 小児に判断能力のない場合、もしくは判断能力はあっても意思決定権を行使しようとしない場合には、その(1989年イギリス児童法に定義する)親権者が小児の意思決定権を代行することができる。親権者がいない場合、当該処置が小児にとって最善の処置である限りにおいて容認される。新法案では、摘出組織の合法的利用を指定できるのは親権者である。

 新法は、子供に対する院内検死と組織及び臓器の保管・利用に関して同意の意思決定権が親権者に与えられる。複数の親権者がいる場合には、小児の治療行為に対する同意と同様に、1名の親権者による同意で十分である。

必ずしも同意を必要としないケース

 新法では、診断検査や治療の過程で合法的に摘出された組織を臨床監査や品質保証のために保管・利用するにあたっては、改めて同意を求める必要はない。

 

人体組織局

 新法では、新しい規制当局として 「人体組織局」(HTA: Human Tissue Authority)を設立することになると考えられる。3年計画の専門的活動を行うために設立された Retained Organs Commission 2004331日をもって閉鎖される。

 HTAの任務は、特定の目的による人体組織の摘出、保有、利用、及び廃棄を監督することである。また、生体臓器移植の承認を担当するほか、新しい移植術に関する指針の策定にあたる。

 

HTAの組織体制

 HTAは、イギリス保健大臣が任期付きで任命する一般事務職の局長と局員で構成される。局の職員には当該分野の専門的経験のある人物が含まれるが、ただし全職員の半数以上は一般事務職から選任する。

解剖・病理監察局

 これは、広く言えば、1984年解剖法に定める解剖監察官(Her Majesty’s Inspector of Anatomy)の職務を取り入れたものである。非治療目的による死後人体臓器及び組織の摘出、保管、利用、ならびに外科手術またはその他の手術後に採取する人体組織の保管及び利用を規制する。検死、組織保管、医療文書の管理に当たるすべての組織に対する許諾権をもつ。

臓器・組織の対人利用に関する監察局

 これは、1989年人体臓器移植法にもとづいて設立された「非血縁者間の生体臓器移植に関する規制局」(ULTRA: Unrelated Live Transplant Regulatory Authority)の任務を血縁者間の生体臓器移植にも範囲を広げて担当する。この監察機関は、人体組織を対人利用のために保管・加工する組織バンクに対する許認可を行う。現在のところ、この種の組織バンクについては、英国医薬品・健康関連製品監督庁(MHRA)が法的権限によらずに認定している。

HTAの役割

 HTAは、個別事象に対する規制権限と監督責任を担う。具体的には、以下の事項に関する許認可を行う。

Ø         治療に利用する人体組織の保管(組織バンク)

Ø         解剖実習、教育・研修を目的とする人体の献体、保管、利用

Ø         検死の執行(組織・臓器の摘出及び保有を含む)

Ø         研究、教育、研修、品質管理、監査などを目的とする組織・臓器の保管

Ø         公然陳列を目的とする人体またはその一部の保管・利用

 HTAは、その許認可の意思決定権を従属機関に委譲する権限を有し、従属機関による決定に関する審判機関として機能することができる。

 HTAはまた、その任務の対象に含まれる問題について一般社会及び国務大臣に情報を提供する役割を担う。規制対象の活動に関する一般原則を公示すること、当該領域における事態の進展を監視すること、そして必要に応じて政府に助言を提供することも任務に含まれる。HTAには施設の査察権も与えられる。他の民間団体、公共機関、または任意団体によるサービスに関する監察・命令権を持つ。

許認可、監察、記録

 HTAには、許認可対象の活動についてどのような情報を記録もしくは報告するべきかなど、許認可の要件を定める権限が与えられる。こうした要件の内容は、おそらく許認可対象の活動の種類によって異なるだろう。

 許認可に際しては、次の事項を確認する。

Ø         許認可の対象となる活動

Ø         許認可を受けた活動を合法的に履行することを保証する責任者

Ø         許認可の対象となる施設

許認可を発行する条件には一般的条件と個別的条件がある。新法には、許認可の付与、変更、取消し、及び一時停止に関する条項を設ける。HTAの監察官には、記録内容の検閲や削除の権限も与えられる。

倫理綱領

 HTAはまた、その規制対象となる以下の活動に関する指針と行動基準を法的に定めた倫理綱領を発布する役割も担う。

Ø         剖検の執行

Ø         検死の施行

Ø         死の定義

Ø         検死に際しての遺族との意思疎通と同意手続き

Ø         生体または死体からの組織・臓器の摘出、保管、利用

Ø         臓器や組織の廃棄

Ø         人体及び人体部品の輸出入

許認可の裁定に際しては、この倫理綱領に対する適合性を考慮に入れる。

 

違法行為と罰則

許可なしに行う死体解剖や未認可の施設の利用に対する取り締まりには、1984年解剖法にもとづく反則規定を新法でも準用する。また、臓器の商業利用や臓器に関する宣伝広告に関しては、1989年人体臓器移植法の反則規定をそのまま適用する。ただし、そうした反則行為に対する最高刑は重くなる。

 

新たに規定する違法行為

 下記のように、従来にはない反則規定がいくつか設けられる。

Ø         いかなる目的であれ、当事者の同意なしに人体組織または臓器を摘出、保有、もしくは利用すること

Ø         人体または人体部品の売買行為

Ø         HTAによる許認可対象行為を許認可なしに実施すること(HTAに虚偽の記録を報告すること、あるいはHTAの権限または責務の行使を妨害する行為など、関連する違法行為に対しても同等の罰則を科す)。

Ø         司法当局が被疑者の捜査のために行う場合を除き、当事者の同意なしに人体組織をDNA検査のために保有もしくは利用すること。この反則規定は、イギリス生命倫理委員会15でも勧告しており、また生命倫理に関するイギリス政府白書16でも期待されている。

 

新法の発効前から保有されている人体組織の扱い

 新法では、新法発効前から保有されていた人体または人体組織の保管・利用に関する規定を設ける必要がある。とりわけ、組織の利用に関する当事者の同意のないケースに対応する規則が必要である。この問題については、いまだ検討中である。

最近、Retained Organs Commissionは、所有権の請求者がいないか身元が不明の人体臓器・組織について保健省に提言を行った17。これにより、そうした組織の取り扱いに関する暫定的な指針が策定されるだろう。しかしながら、従来から保有されていた組織の処分に関する同Commissionまたは保健省の勧告は、新法が発効した時点で無効になるはずである。

 

新法の適用地域

 新法はウェールズ地方に適用されるはずだが、その場合、HTAへの加入権やHTAが発布する倫理綱領の内容などについて、ウェールズ議会の審議にかける必要があるだろう。

 新法は北アイルランドにも適用することを予定している。

 ヒトの臓器及び組織に関する行動指針は、独自の法規制を検討しているスコットランドではまた別の問題となる。しかし、スコットランドもイギリス連合王国議会に支配されている以上、同意にもとづかないDNA検査に関する新しい立場はこの地域にも波及するはずである。

 われわれは、スコットランド遺骸の地域との格差をできるだけ小さくするために、スコットランド行政府と緊密な連携を維持している。

 

詳しい情報を入手するには

 医事衛生監督官による勧告内容の最新情報は www.doh.gov.uk/cmo/progress で入手できる。また、アイザックス・レポートに対する政府答申をまとめたAnnex Cの要約が www.doh.gov.uk/cmo/isaacsreport/response に掲載されている。

 ヒトの組織及び臓器の利用に関する声明や同意手続きの書式、小冊子、家族への対応や人体部品の輸出入に関する行動指針など、暫定的枠組みをまとめた資料は、イギリス保健省のウェブサイト(www.doh.gov.uk./tissue/index.htm)でダウンロードできる。

 

研修と啓発

 医事衛生監督官は、臓器・組織の摘出、保有、利用に関する政府への提言の中で、検死及び人体組織の保有に関する一般向け及び医療従事者向けの教育プログラムを開発することを勧めている。

 彼はとくに、次の勧告を行った。

Ø         検死作業でどのようなことが行われるのか、患者に対するケアと医科学の水準を維持する上で検死がどのような意義をもつのかについて、多くの人々の理解を得るために、一般向けの教育プログラムを確立するべきである。

Ø         法規及び適切な行動基準の意義をすべての医療従事者に理解させるための教育・研修プログラムを策定するべきである。

教育戦略

新法制定に到達するまでの臓器・組織に関する暫定的枠組みを整備した現在、保健省は、一般向け、専門家向けの教育戦略を策定する作業を推進している。この教育戦略の意図は、一般社会と医療従事者及びその他の専門家との間の意思疎通を改善し、検死の意義、研究等における人体組織利用の意義とそれに伴う微妙な問題について、人々の認識を高めることにある。

 新法制定前から保有されていた臓器及び組織の処遇など、新法の適用範囲と意味を広く公知のものとていくことも重要である。教育戦略の狙いは、一般国民と専門家の双方ならびに関連団体から選ばれた関係者による連携関係を確立することにある。

 それは、否応もなく長期的な作業になるが、とりあえず所期の目標は次の点に絞られるだろう。

Ø         検死に対する一般国民及び専門家の意識をそれぞれ評価・追跡するためのエビデンスを收集すること。

Ø         検死をめぐる諸問題に関する意識を喚起するために要人やその他の関係者が参加するセミナーを開催し、見識の共有化を図る。これは、とくに長期的な戦略として取り組む。

Ø         メディアを通じて一般国民を啓発する。

研修事業

 さらに、保健者は病理医及びその他の医療従事者を対象に、検死に関する新しい同意取得手続きとそれに伴う遺族との意思疎通のための行動指針について指導する研修活動を支援する。保健者はまた、NHSと検死官の連携を促す。

 ウェールズ政府は、今後も引き続き保健省と緊密に協同していく。現在、ウェールズ政府が集中的に取り組んでいるのは、主要関係者の関与のもとで、遺族との対話と検死に関する行動指針を策定することである。

 

背景事情と参考資料

1         ブリストルに学ぶ: ブリストル王立小児病院における小児の心臓外科手術に関するレポート(座長 Sir Ian kennedy((20017月)

2         王立リバプールこども病院に関する調査報告(20011月)HC12-U

3         保健省発行(2001年): イングランドの病理医療施設に保管されている臓器及び組織に関する調査報告

4         保健省発行(20035月): Cyril Mark Isaacsの死後に発生した事件の調査

保健省発行(20037月): アイザック・レポートに対する答申

5         保健省発行(20037月): Human Bodies, Human Choices – ヒトの臓器及び組織に関するイングランド及びウェールズの法律―審議会の報告

6         保健省発行(20034月):  Human Bodies, Human Choices―審議会報告に対する答申の概要

7         成人の院内検死に対する同意、乳幼児または小児の院内健診に対する同意、検死官の命令による成人の検死、検死官の命令による乳幼児または小児の検死―20034月発行の同意手続き書式

8         保健省発行(20034月): 遺族と検死  行動指針

9         保健省発行(20034月): 非治療用目的の人体部品の輸出入―行動指針

10     保健省発行(20034月): ヒトの組織及び臓器の利用に関する仮声明

11     イングランド、ウェールズ、及び北アイルランドにおける死亡証明と死因調査(20036月)Cm 5831

12     シップマン事件の調査(座長: Dame Janet Smith

3次報告: 検死官による死亡証明と死因調査(20037月)Cm 5854

13     保健省発行(20013月)検査または治療に関する同意手続きの手引きと上記11項の仮声明

14     Gillick v West Norfolk and Wisbech AHA [1986] AC 112

15     イギリス生命倫理委員会(20025月)個人の遺伝子データの利用における利害の均衡 内部通達

16     保健省発行(20036月): Our inheritance, Our FutureNHSにおける遺伝子研究の可能性を探る

17     Retained Organs Commission20036月): 権利者不在または身元不明の人体臓器・組織の利用及び廃棄に関する諮問の最終報告